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市原 敏行 理事長の独自取材記事

イチハラデンタルクリニック

(高松市/円座駅)

最終更新日:2024/03/22

市原敏行理事長 イチハラデンタルクリニック main

琴電琴平線・円座駅から徒歩約10分。金毘羅街道沿いの「イチハラデンタルクリニック」は、ダークブラウンをシンボルカラーとして、ラグジュアリーなムードを漂わせる現代的な歯科医院だ。同院が新規患者に提供するのは、自由診療の「米国式根管治療」のみ。歯科先進国のアメリカで誕生した、医学的根拠に基づく精密な根管治療によって、再治療の連鎖に終止符を打つことを狙う。開院当時、香川県では洗練されたクリニックデザインも、歯科用マイクロスコープを用いた侵襲性の低い治療も一般的ではなかったが、市原敏行理事長は臆せず、最善の診療環境と最良の治療をめざしてきた。2022年にスタートした米国式根管治療も、そんな市原理事長の覚悟の表れだ。1本でも多くの歯を守るため、挑戦することをやめない市原理事長の熱い胸の内を聞いた。

(取材日2024年2月7日)

大阪での学びを生かしながら、先進の歯科医療を追求

先生のご経歴から教えていただけますか?

市原敏行理事長 イチハラデンタルクリニック1

歯科医院の3代目に生まれた私は、1998年に松本歯科大学を卒業後、香川大学医学部附属病院の歯科口腔外科に入局しました。ところが、当時は口腔の健康に対する患者さんの意識がまだ低く、患者さんよりも歯科医師のほうが数が多いという状況だったんです。自ら志願し、一時的に麻酔・救急科への転科も経験しましたが、大きな変化は見られませんでした。すでに世界的に認められていたインプラント治療についても、積極的に取り組むことが難しい状況でしたので、より口腔外科分野の、インプラント治療の勉強に集中できる環境を求めて大阪へ。先輩の紹介で勤め始めた歯科医院では、地域の中心的存在だった院長のもとで、数多くの学びを得ました。院長から紹介された複数の歯科医院にも転々と勤務し、約10年が経過したところで、父の健康状態を理由に帰郷。家業を継承し、現在へと至ります。

継承後に、場所も移転されたのですか?

ええ、そうです。もともとは円座駅の近辺で診療を行っていましたが、2008年にこちらへ移転してきました。当時の香川県で、こうしたデザイン性重視の歯科医院は非常に珍しかったと思います。ただ大阪ではそれが当たり前でしたので、大阪の歯科専門デザイナーに依頼し、歯科医院とは思われないようなデザインに仕上げていただきました。さらにその頃、都市部では歯科用マイクロスコープを用いた低侵襲治療、つまりできるだけ歯を削らずに残していく治療が提唱されていましたので、移転後3年目に歯科用マイクロスコープを導入。最近では自動で視野を拡大する新機種も導入し、治療の効率や精密性の向上に役立てられるようになりました。歯科用マイクロスコープは、インプラントの埋入手術や歯肉の移植手術など、さまざまな場面において有用性を発揮する先進の医療機器です。当院では歯の根の治療、根管治療において特に重要な役割を果たしています。

根管治療には、特に情熱を注がれているそうですね。

市原敏行理事長 イチハラデンタルクリニック2

以前から歯のクリーニングで通われている方や、インプラント治療の経過観察を行っている方などは引き続き診させていただいていますが、当院は2022年7月から、歯科用マイクロスコープを駆使した精密根管治療のみを提供する歯科医院に生まれ変わりました。根管治療は、歯の寿命に大きく関わる治療法です。歯科先進国のアメリカでは、根管治療を行うために必要な試験が設けられるほど需要があり、かつ、高度な技術と知識の習得が義務づけられています。ところが日本では、まだまだそのような認識が浸透していません。保険の適用外とはなりますが、私はよりエビデンスに基づいた理想的な根管治療を提供することで、患者さんの歯の寿命の延命に少しでも貢献したいと考えています。

恩師の言葉を胸に、精密根管治療専門の歯科医院へ

歯科用マイクロスコープを駆使した精密根管治療、それが「米国式根管治療」ですか?

市原敏行理事長 イチハラデンタルクリニック3

そうです。アメリカ・ペンシルベニア大学などで取り組まれている根管治療を総称して、「米国式根管治療」と呼んでいます。歯科医療が日夜、目覚ましい進歩を遂げる一方で、日本の大学では健康保険の対象となる診療ばかりが、現在も指導されています。これでは、日本の歯科医療は世界から遅れを取る一方ではないでしょうか。香川県という、エリアの水準問題もあります。全国規模の勉強会に参加すると、香川県からの参加者は他県に比べて数が少なく、歯がゆい思いをします。歯科業界では、去年やっていたことが「もう古い」と言われても何もおかしくありません。私は常に香川県の外にも目を向け、先進の歯科医療を身につける努力を続けたいと思っています。

根管治療の勉強を続ける中で、大変な場面はありましたか?

過去に参加したセミナーでは、何度「歯科医師をやめろ」と言われたことか。「治療に失敗して歯を壊すくらいなら、歯に触るな」と、それくらいの覚悟を持って根管治療に取り組む先生でした。私も開業後10年以上は、保険診療で根管治療を行っていましたが、この時の先生の言葉がいつまでも脳裏に焼きついていたんです。保険の材料では、根治は難しいというデータがあるにもかかわらず、保険診療を選択する、そこに意味はあるのか?と。ここは大阪や東京ではありません。ですのでなかなか勇気が出なかったのですが、2022年に意を決して、自由診療の根管治療を開始しました。現状、根管治療の件数は多いとは言えず、まだ反響を図りかねている状況です。しかし何度も再発を経験して、手の施しようがなくなったら歯を抜いてインプラント治療に進む、その連鎖を見過ごすくらいなら、より精度が高く、より高い成功率が見込める治療をご提案したいと強く思います。

先生の診療のモットーは何でしょう。

市原敏行理事長 イチハラデンタルクリニック4

痛みに配慮するということです。患者さんにとっては、それが一番ですよね。急性の炎症が起こると、どうしても麻酔の作用が期待できなくなりますし、おのずと痛みは出てきてしまいます。もちろん鎮痛薬もご用意できますが、痛みを感じる大きな要因とされているのは、やはり患者さんの不安なお気持ちです。不安な状態で術中に痛みを感じると、脳にその記憶が残り、術後も「痛い」と感じるようになる可能性があります。患者さんがその場で痛い、怖い、と言えれば理想的ですが、それもなかなか難しいでしょう。特に、当院の根管治療は初診後、2回目には治療となりますから、信頼関係を築くことが困難です。私は患者さんの不安や緊張をできるだけ取り除けるよう、優しく丁寧に接することも心がけています。

世界水準の医療を身につけ、1本でも多くの歯を守る

プライベートでは、どのようにお過ごしですか?

市原敏行理事長 イチハラデンタルクリニック5

子どもと遊んでいます。わが家には子どもが4人おりまして、今年は小学校、中学校、高校、大学と、4人全員が卒業式なんです。なかなかないことですよね。一番下の子とは釣りに行くのが趣味で、よく海へ行きます。子どもは一度釣った魚よりも大きな魚を狙いますから、必然的に、その時季に釣れる一番大きな魚を獲りに行くようになります。ご想像のとおり、そのぶん成功率は低くなりますので、子どもを喜ばせるのは難しいなと感じます。

今後の目標があればお聞かせください。

つい先日、トロント大学の根管治療に特化したスタディープログラムに申し込んできました。このプログラムでは、世界各国の講師陣から、国外留学に匹敵するレベルの技術、知識を国内にいながら学ぶことができます。まずはこのプログラムの1年間のカリキュラムを、無事に終えること。そして世界水準の根管治療を身につけることが、第一の目標です。

他には、どのような目標があるのでしょうか?

市原敏行理事長 イチハラデンタルクリニック6

1本でも多くの歯を守るという、大切な目標があります。患者さんにその思いが伝わるよう、私はこれからも患者さんと真摯に向き合っていきたいですし、患者さんにも、ご自分の歯を大切にする意識を持っていただきたいと思います。当院は炎症を繰り返している方や、他院で抜歯を宣告された方、歯を抜きたくないという方にこそ頼っていただきたい歯科医院ですが、歯科医院選びをする上では、患者さんご自身がしっかりと考えて、今のご自分にとって必要な治療や、必要な歯科医師を見極めることが一番重要です。そういう方が一人でも多く増えて、1本でも多くの歯が救われれば、私はたいへんうれしく思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

初めての根管治療/大臼歯根管治療:31万9000円程度(歯科用CTによる撮影、ゴールドコア、ジルコニア含む)、再根管治療/大臼歯根管治療:35万2000円程度(歯科用CTによる撮影、ゴールドコア、ジルコニア含む)

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