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山下 智弘 院長の独自取材記事

木太デンタルクリニック

(高松市/林道駅)

最終更新日:2021/10/12

山下智弘院長 木太デンタルクリニック main

林道駅から徒歩4分。旧長尾街道沿いにある「木太デンタルクリニック」。この地で35年歯科治療を続けていた歯科医院を継承するかたちで、2019年に山下智弘院長が新たに開業した。地域住民が安心して気軽に通える歯科医院をめざし、子どもから高齢者まで歯に興味を持つことから始めてもらいたいと、入り口には山下院長考案の「なぞなぞ」を週替わりで掲げ、ユーモアたっぷりに患者を迎える。患者とのコミュニケーションを大切にし、「歯科医師対患者」ではなく「人対人」として診療にあたる山下院長に、医師をめざしたきっかけ、印象に残っている患者とのエピソード、健康な歯を守るために大切なことなど、たっぷり語ってもらった。

(取材日2021年6月2日)

優しく接することを大切に患者の緊張や不安を和らげる

まず歯科医師をめざしたきっかけをお聞かせいただけますか?

山下智弘院長 木太デンタルクリニック1

幼稚園の頃に骨折で入院したのですが、その時の担当医師がとても優しかったことから、漠然と医療系に進みたいと思うようになりました。高校生になって進路を決める際、「医療系と言っても何になりたいのか」と考えるようになり、歯科衛生士の母から「歯学部は?」と言われたことが歯科医師をめざす最初のきっかけです。それまで歯科医師になろうとは考えたことはなかったのですが、よくよく聞いてみると、歯科関係の親戚がいたり、曽祖父が歯科医師だったりしたようです。その頃、たまたま矯正治療を受けていたので、通っていた歯科医院の先生に「歯学部を受けたい」と話すと、歯科を職業にする良さなどを教えてくれ、背中を押してくれました。それで本格的に歯学部をめざしました。

患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

ちょっと恥ずかしいのですが、「日本一優しい歯医者さん」をめざしています。歯科治療は1回で終わることはほとんどなく、患者さんは何回か通わなければいけません。ですから、患者さんにフレンドリーに優しく接することで、少しでも歯科医院の怖いイメージを払拭できたらいいなと思っています。患者さんは歯科医院に対する先入観もあり、治療に来ると「怖い」と緊張されますので、くだけた感じで世間話を交えながらコミュニケーションを取ることにしています。

得意な治療がありましたら教えてください。

山下智弘院長 木太デンタルクリニック2

得意、上手というものではないと思いますが、入れ歯の治療が好きです。歯学部に入学してから、いつかは祖母に入れ歯を作ってあげたいと思っていました。そのため自然と入れ歯を学ぶのは学生の時から好きでした。また入れ歯の治療はお口の外で行いますから、患者さんと話しながら治療を進めることができます。石膏で模型を採り、歯科技工士に作ってもらった完成品をお口に合わせて調整する、オーダーメイドのスーツや靴のようなイメージです。また、前歯をきれいにすることも好きです。前歯の治療は、「痛い」からではなく「きれいになりたい」と患者さんがポジティブなスタンスで来院されることが多いので、こちらも治療をしていて楽しいですし、患者さんは歯がきれいになっていくのを見ることができます。自費治療の前歯のかぶせ物をするときは、歯科技工士にも立ち会ってもらい、患者さんと3人で何度も話し合いながら作り上げていきます。

良い治療を行うには、患者と歯科医師の信頼関係が必要

これまでのご経験の中で印象に残っている患者さんとのエピソードなどありますか?

山下智弘院長 木太デンタルクリニック3

保険の入れ歯を作ったけれど使えず、自費の入れ歯の相談をしたら不信感を抱いたので、セカンドオピニオンに来たという少し気難しそうな男性の患者さんがいました。それまでの経験から、まずは保険で作った入れ歯を調整してみましょうと説得したのですが、どうしても自費の入れ歯が作りたいとのご希望でした。入れ歯は、義歯とも呼ばれ、義足や義手にも近いものです。パラリンピックの選手などはとても良い義足や義手を使っていると思いますが、それでも自分に合うように調整を重ねます。入れ歯もそういう調整が必要だと何度もお話しして、入れ歯を完成させました。

その患者さんは入れ歯に満足されたのでしょうか?

それが、完成した入れ歯をお渡しした次の診療の際に「こんなの使えません 」とはっきりと言われました。かなり機嫌を悪くされ来院をやめるとまで言われてしまいました。自分の技術力と説明が通じていなかった悔しさを抱えながら、その後も入れ歯の調整を重ね、5、6回目の調整の時だったでしょうか、2ヵ月くらいたった頃、ふとした時に表情が穏やかになられたのです。入れ歯がなじんだとのことで、人柄もガラッと変わったように感じられました。その間の2ヵ月ほどは、お互いにストレスを感じる期間でしたが、最終的に患者さんに満足していただけてとてもうれしかったです。患者さんは「この先生で大丈夫かな」という想いがあったでしょう。僕は「やっと信頼してもらえた」という気持ちでした。患者さんと信頼関係ができた瞬間はうれしいですし、頑張って良かったと思いました。

信頼関係がとても大切なのですね。

山下智弘院長 木太デンタルクリニック4

どんな治療も信頼関係がないとなかなかうまくいきません。歯科医師になって6年目ですが、あらためてそれを実感しています。印象に残っているエピソードが他にもあります。治療もできないほど、びっくりするくらい元気な男の子がいました。最初に来た時は年中さんくらいだったのですが、そんな状態でも定期的に来てくれて、小学生になった頃には治療をとても上手に受けられるようになりました。子どもの成長を見ることができたという点でとても印象に残っています。患者さんと一緒に年を重ねることができるのも歯科医師としてうれしいことですね。

「かかりつけ」より気軽な「行きつけ」の歯科医院

健康な歯を維持するために大切なことは何でしょうか?

山下智弘院長 木太デンタルクリニック5

まずは、歯や口に興味を持つことが一番大事だと思います。そのための気づきを与えるのが僕たちの仕事です。興味を持ち、歯科医院に行くこと、日々のケアがちょっとでも好きになったら、どんどん良くなっていくと思います。歯は爪や髪の毛と違って、切ったり抜けたりしても生えたり伸びたりしません。ですから、予防がとても大事です。仕事で忙しい方は半年に1回でもメンテナンスを受けられるとその後が違います。

今後の展望をお聞かせください。

できるだけ先端の機器を取り入れて、患者さんの負担やスタッフの仕事の効率化を図りたいと考えています。当院はエックス線や歯科用CTをデジタル画像で見る機器はそろえていますが、近いうちに口腔内スキャナーの導入を予定しています。口腔内スキャナーとは従来の型取りとは違い光学印象といい特殊な光を当ててお口の中の型採りをするものです。発表されてからもう何年もたっており歯科先進国の欧州や欧米ではかなり普及していますが、日本では実際に導入し稼働させている歯科医院の割合はまだまだ少ないようです。その他の展望として、僕の妻も歯科医師なのですが、今は育休のようなかたちを取っており、担当患者さんや女性歯科医師を希望の患者さんが来られる時のみ診療をしているのですが、もう少し勤務が増やせるようになったら小児歯科にもっと力を入れ、ママ会なども開催してお母さんたちの情報交換の場の提供などができたらいいなと考えています。

お休みの日はどのように過ごされていますか?

山下智弘院長 木太デンタルクリニック6

今はもっぱら子どもと遊んでいます。公園に行ったり、バスに乗ったり。新型コロナウイルス感染症が流行する前は、セミナーなどで休日も東京や大阪、岡山など県外に出ていましたが、それがオンラインになって時間ができ、子どもと遊べるようになりました。あとは自営業をされている患者さんのお店に客として遊びに行っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

「歯医者が多すぎる」とよく言われるのですが、患者さんにとっては選択肢が増えるということなので、それをぜひ活用していただきたいと思います。律儀な患者さんは、相性などが合わなくても嫌々通院することがあるようですが、結局途中で治療を断念することになり、治療途中の状態で当院に来られるケースもあります。治療をするのなら、せめてかぶせ物ができるまでなどきりの良いところまで終わらせないと歯に良くありません。これだけ歯科医院が多いのですから、ぜひご自分のお気に入りの歯科医院を見つけてください。当院は「かかりつけ」の歯科医院というよりも、さらにフランクな「行きつけ」の歯科医院になりたいと思っています。読者の方にもぜひ「行きつけ」の歯科医院を見つけて、定期検診に通っていただきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ジルコニア/4万円~、セラミック/10万円~(すべて税込)

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