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亀井 稔之 院長の独自取材記事

亀井歯科医院

(高松市/瓦町駅)

最終更新日:2023/08/17

亀井稔之院長 亀井歯科医院 main

香川県庁から徒歩3分、白いテナントビルの2階に「亀井歯科医院」はある。目の前には高松市を代表する都市公園があり、診療室の窓からもその景色を楽しむことができる。亀井稔之(かめい・としゆき)院長は、故郷で約15年通った歯科医院での経験から歯科医師を志し、開業。経験豊富なスタッフと「諦めない治療」を強みに、老若男女の患者と信頼関係を築いている。大切な資産である歯を残す治療は、亀井院長が常に目標とするところだ。「患者さんが歯を大切にするようになって、患者さんの家族や子どもにも同じ気持ちが広がっていく。それを見るのがうれしい」。「体が動く間は仕事がしたい」と朗らかに宣言する亀井院長に、さまざまな話を聞いた。

(取材日2023年7月12日)

自身の通院経験から歯科医師をめざし、開業へ

先生が歯科医師をめざしたきっかけはありますか?

亀井稔之院長 亀井歯科医院1

私の実家は徳島県上板町にある製麺所で、通っていた街中の歯科医院までは20kmほど距離があり、小学校1、2年生から公共交通機関を使うなどして通院していました。その歯科医院の先生とスタッフの皆さんがとにかく優しく、とても良くしていただいたことがきっかけでしたね。診療を終えた私がバスの到着を待っていると、シールをくれたり、話し相手になってくれたり。バックヤードの技工スペースを見せてくれたこともありました。歯科医師への憧れを強めて歯学部に進学した時には、この先生は独立されていましたが、同じように昔から私を知っている先生方が祝福してくれましたよ。この歯科医院には、大学を卒業するまで約15年間、通い続けていました。

卒業後は、どのような経緯で開業されたのでしょう?

教授からのお誘いもあり、本当は卒業後も大学に残るつもりでした。ところがちょうどその頃に、高松市の歯科医院に勤めていた野球部の先輩から見学に来ないかと言われ、同級生と一緒に訪れたところ、いつの間にか就職が決まっていたんです(笑)。結果的に、その歯科医院では8年間働いていました。最後の数年はさまざまな勉強会に参加して知見を深めていたんですが、とある勉強会を主催していた先生から継承のお話をいただいたため、1年間の勤務を経て、2002年に医院名を変更し開業。現在の場所に移転したのは2013年のことです。

開業11年目にして、移転をされたのはなぜですか?

亀井稔之院長 亀井歯科医院2

以前の場所は階段で、上り下りが難しい患者さんは私がおんぶしてお連れしていたんです。高齢の方でも通いやすいよう、1階もしくはエレベーターつきの物件を探していたところ、患者さんのご実家でもあるこちらを紹介していただきました。ここにはもともとエレベーターがなかったんですが、建設業を営む大家さん自ら、エレベーターや床暖房なども取りつけてくださいました。エントランスには滑り止め効果のある塗装を施し、手すりつきのスロープも作っていただいたので、足が不自由な方でもスムーズにお越しいただけると思います。内装は、公園の緑ともマッチするようなグリーンをベースに。基本対策として衛生管理にも気を配りつつ、精密な治療を行うため歯科用CTとマイクロスコープを導入しています。加えて、歯科衛生士は全員ルーペを着用。私と拡大視野を共有しながら診療に参加しています。

頼れるスタッフとともに、諦めない治療を

こちらには、どのような患者さんが来られていますか?

亀井稔之院長 亀井歯科医院3

近隣にお勤めの方やその同僚、ご家族の方が中心です。小さなお子さんから高齢の方まで幅広く受け入れながら、虫歯や歯周病などから歯を守ること、残すことに力を入れています。治療はできるだけ優しく丁寧に。また歩き方一つでも、患者さんがいつもと違うと感じたら一言お声をかけています。お子さんの場合は特に配慮が必要です。口は小さく、なかなかじっとしていられないし、治療を嫌がることもある。そのため、当院ではお子さんもお母さんも一緒に診療室へ入ってもらっています。母子分離で治療を行っていた時期もありますが、現在のスタイルに落ち着いてからは、双方リラックスして治療に臨めるようになりました。歯科医院の対応次第で、歯科医師をめざす子もいれば二度と行きたくないと思う子もいるでしょうし、お子さんへの対応はそのご家族との関係にもつながりますので、小児歯科治療の責任はたいへん大きく受け止めています。

こちらの歯科医院の強みがあれば教えてください。

当院の強みは2つあります。1つ目は、一緒に年を重ねてきたスタッフです。当院のスタッフは皆10年、20年と職歴が長く、開業当初から働くスタッフも複数います。当時は人数が少なかったこともあり、ライフイベントに合わせた休暇制度などを用意できなかったんですが、彼女たちはそうした事情を理解した上で一度退職し、再び戻ってきてくれました。母親となったスタッフには、子どもの行事などがあれば、必ずそちらを優先するよう伝えています。仕事を代われる人はいても、母親を代われる人はいませんから。私は歯科医師がスタッフファーストを徹底することで、スタッフ自身も患者さんに優しく思いやりを持って対応できると考えています。歯科医師とスタッフのアットホームな雰囲気によって、患者さんがリラックスできることもあるでしょう。より質の高い医療を提供するためにも、スタッフとの信頼関係は不可欠だと思います。

2つ目の強みは何でしょうか?

亀井稔之院長 亀井歯科医院4

諦めない治療をするということです。当院には「他院で歯を抜く必要があると言われたけれど、抜きたくない」「どうにかならないか」と訴える患者さんが多く来院されます。中には、他院の先生から「あそこに行ってみては」と紹介を受ける方もおられるようです。駆け込み寺という表現が正しいかはわかりませんが、患者さんを助けるための引き出しを多く持ち、可能な限りご希望に沿った治療を行いたいと思っています。ご希望に沿うことが難しい時もありますが、そんな時は昔ある先生から言われた言葉を思い出すんです。「患者さんのお口の中で、一生懸命勉強させてもらったらいい。その結果が駄目だったとしても、一生懸命やった頑張りは絶対に患者さんに伝わる。そうすれば患者さんは他の歯を大事にして、家族や子どもにも歯の大切さを伝えてくれる」と。歯は人間の大切な資産です。だからこそ抜かない。治療を諦めない。その気持ちを胸に診療を続けています。

患者の歯への意識が高まることが最大の喜び

先生がお仕事のやりがいを覚えるのは、どんな時でしょうか?

亀井稔之院長 亀井歯科医院5

患者さんの健康なお口づくりに貢献できた時、それから患者さんの歯への意識が変わったと感じられた時でしょうか。治療をきっかけとして、患者さんが他の歯も大切にしてくれるようになればうれしいですし、そうした姿勢が、患者さんの家族や子どもにも広がる様子が見えればもっとうれしいです。来院時はまだ小さな子どもだった患者さんが、ご自身のお子さんを連れて来られる時には大きな喜びを感じます。

日々の気分転換となるような、ご趣味はありますか?

若い頃は料理が趣味で、ダッチオーブンを使ったアウトドア料理を外でも家でも作っていました。バイクも好きだったんですが、忙しくて乗る時間がないので売ってしまい、今は趣味を探し中です。ただ、本屋に住みたいと思うくらい読書は好きですよ。ジャンルは幅広く、時代小説などが好きです。菊池寛通りに面している当院ですが、実はまだこの方の作品を読んでいないので、いずれ読みたいと思っています(笑)。

今後の展望についてお聞かせください。

亀井稔之院長 亀井歯科医院6

これはスタッフからの要望で、今働いているメンバーが65歳前後になるまでは、診療を続けてほしいと言われています。ですので、少なくともあと20年。体が動く間は仕事がしたいですね。私は行きつけの店に行くように、温泉にでも行くように、癒やされ心地良く過ごせる歯科医院をめざしています。どんなに諦めない治療を提供していても、患者さんが来られなければ、助けることはできません。だからこそ、患者さんと仲良くなりたい。患者さんが通院しやすい雰囲気をつくりたい。当院はこれからも努力を惜しまず、困っている患者さんたちの救いとなるような歯科治療を届けていきます。

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