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矢野 興一 院長の独自取材記事

矢野歯科医院

(松山市/南町駅)

最終更新日:2021/10/12

矢野興一院長 矢野歯科医院 main

道後温泉のほど近く、持田町の住宅街にたたずむ「矢野歯科医院」。1987年の開院以来、地域住民との触れ合いを大切にしながら、日々の診療に取り組んでいるのは、院長の矢野興一先生だ。地元の人たちに働きかけて、持田地区のお祭りで神輿を担いだり、公園を作ったりと、開院当初から精力的に「町おこし」にも取り組んでいるとか。今回、「人生は楽しく。最期に『面白かった!』と言って死にたいですね」と笑顔を見せる矢野院長に、歯科医師を志した理由や得意な治療、患者とのエピソード、町おこしのことなど、豊富な話題を聞いた。仕事もプライベートもアクティブに活動していることを語る矢野院長からは、地域住民との交流を楽しんでいる様子が十分に伝わってきた。

(取材日2019年7月22日)

「持田町をにぎやかにしたい!」という一心で

先生は「町おこし」に力を入れているとお聞きしました。

矢野興一院長 矢野歯科医院1

そうなんです。開院当初から患者さんのみならず、地域の方々と積極的に交流してきましたので、この周辺のほとんどの方が顔見知りです。例えば20年ほど前には、持田町のお祭りで神輿を担ごうと提案し、半年ほどかけて約400戸を回りながら寄付を募りました。今では、このお祭りは持田町の一大イベントになっています。提案する際に、たくさんの方とお話しましたので、この地域で誰が何をしているかなど詳しいですよ(笑)。ものすごく密に関係を持っていますから、皆さんから「地域のかかりつけ」として頼っていただいていると感じています。

持田町で開業されたきっかけは何でしょう?

僕は長浜出身なのですが、中学校から松山市にある愛光学園に通っていました。そして、高校生のときに父が持田町に家を建てましたので、それがきっかけですね。とはいえ、持田町が地元だという感覚は持っていませんでしたので、開院したときから「地域の方々ともっと触れ合いたい!」と考えていました。僕が生まれ育った小さな村のように、昭和の温かな交流を大切にしていきたいなと。そこで、お祭りを提案したり、子どもたちが遊べる公園をつくったりと、さまざまな取り組みを行っています。地域の方々との交流が、何よりも楽しいですね。

そもそも歯科医師を志した理由は?

矢野興一院長 矢野歯科医院2

きょうだいで僕一人が男でしたから、おばあちゃんから「矢野家を守らないといけないんだから、地元で仕事をしなさい」と言われたことが理由です。親戚に歯科医師がいましたので、この仕事に魅力を感じたんです。東京歯科大学を卒業後は、松山市にある歯科医院で経験を積んだ上で、「矢野歯科医院」を開院しました。これをきっかけに、歯科医師としてはもちろん、たくさんの人たちと交流できていますので、とてもうれしいです。ちなみに、地域で一緒に神輿を担いでいた方が亡くなったとき、遺影が法被を着ている写真だという方が多いんですよ。「一番いい笑顔をしている」とご家族が選ばれるようです。僕も人生は楽しく、最期に「面白かった!」と言って死ぬのが理想だと思っています。

入れた日から痛くなく何でも食べられるような入れ歯を

診療で心がけていることを教えてください。

矢野興一院長 矢野歯科医院3

まずは、歯を抜かないことです。とにかく抜かないように、できる限りの治療を徹底的に行うようにしています。それでも歯を失ってしまうことになった方には、入れたその日から痛くなく、何でも食べられるように入れ歯を作るようにしています。保険診療内であっても、手間暇かけて、使いやすい入れ歯を作ることに努めていますよ。

患者との印象的なエピソードなどはありますか?

もう20年以上も前に、当院で入れ歯を作った80代のおじいちゃんですが、これまで一度も入れ歯の調整に来たことがないんです。町内会の忘年会や新年会などで顔を合わせるので、診療に来るように伝えたのですが、とても嫌がって。理由を聞くと、今までいろんな歯科医院で入れ歯を作ったけれど、この入れ歯で満足していて、もう自分の体の一部になっているから、誰にも触られたくないのだそうです。「大好きなものが食べられないことほど、つらいことはない」と話しながら、お煎餅をバリバリ食べているので、うれしくなりましたね。とはいえ、時がたつと、自分の歯であってもすり減ったり、歯茎が痩せたりしますから、入れ歯は定期的に調整が必要だと思いますよ。

患者層についてもお聞かせください。

矢野興一院長 矢野歯科医院4

僕が持田町に開院してから、この近辺に新たな歯科医院はできていませんので、本当にさまざまな患者さんに通っていただいています。開院当初からずっと来られている方や、家族4世代で来院される方もいますよ。できるだけ保険診療で、患者さんに寄り添った治療を進めていきたいと思っていますので、困ったことがあればまずは頼っていただけたらと。この間なんか、「ハチに刺された!」という患者さんがいて。専門外なので、応急処置だけ行いました(笑)。

困ったときに、何でも相談できる歯科医院でありたい

お忙しい毎日だと思いますが、プライベートはどのようにお過ごしですか。

矢野興一院長 矢野歯科医院5

平日は、サッカーやストレッチなどのスポーツを楽しんでいます。サッカー歴はもう50年以上ですが、子どもたちに教えているわけではありませんよ。選手として、走り回っているんです。また、休日は町内会の役員として、いろんな地域の行事に参加しています。僕はど田舎出身ですので、例えば、小学生の頃は下校時に近所の人たちから声をかけてもらえるような環境で育ちました。最近では、「知らない人に声をかけたらいけない」というように教えられる子どもも多いのですが、そんなの寂しいですよね。だから、子ども会のイベントでは、毎年焼きそばも作っていますし、いろんな世代の人たちと積極的にコミュニケーションを取っていきたいと思っています。

その原動力になっているものは何でしょう?

やはり、人生は楽しく、最期に「面白かった!」と言って死にたいからです。お酒を飲んでいて、コップの中身が半分になったときに、「ああ、半分しかない」と思うか、「まだ半分もある」と思うかで、まったく違いますよね。気の持ちようで、人生はいくらでも楽しくなりますから。あとは、僕の座右の銘は、「人間は、人のために生きている。その人間の価値は、他人が判断する」なんです。自分の子どもたちにもそう教えていますし、これからも多くの人に喜んでもらえるように、生きていきたいと思っています。ちなみに、今は息子が歯科大学に通っているのですが、高校3年生の頃に「歯医者になる」と言ってくれたときには、とてもうれしかったですね。ゆくゆくは、当院を継承してもらえたらと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

矢野興一院長 矢野歯科医院6

ぜひ、困ったときに相談できる「行きつけの歯科医院」を見つけていただきたいです。例えば、メディアで舌がんについて取り上げられたときに、「口内炎があるから、先生ちょっと診て」と私のところに尋ねてきた患者さんがたくさんいました。このように、気になることがあれば、すぐに相談できる歯科医院をつくることが大切だと思います。当院は、これからも地域に密着したクリニックとして、患者さん一人ひとりに寄り添っていきたいです。歯について心配や不安なことなどがありましたら、気軽に来院してください。

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