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永田 佳枝 副院長の独自取材記事

矢原歯科医院

(今治市/今治駅)

最終更新日:2023/02/21

永田佳枝副院長 矢原歯科医院 main

JR予讃線・今治駅から徒歩13分ほど。高校野球の強豪校として知られる愛媛県立今治西高等学校に隣接した住宅地の一角に「矢原歯科医院」がある。開業から45年以上にわたり近隣住民の歯の健康を守り続けている歯科医院だ。現在は同院を開設した矢原英伯院長と、その実娘である永田佳枝副院長の二診制で診療を行っている。歯科・矯正歯科・小児歯科に加え、永田副院長が得意分野とする歯科口腔外科を標榜。通院が難しい患者のための訪問診療も行っている。院内には歩行困難な患者のための車いすも用意され、そのまま治療を受けることも可能だ。再治療まで10年を目標とする「長持ちする治療」にこだわる院長の方針を受け継ぎ、患者が安心して通える歯科医院をめざしたいと話す永田副院長に、これまでの経験や同院の診療内容について話を聞いた。

(取材日2022年12月10日)

患者と長く関わるからこその責任を感じて

先生が歯科医師をめざしたきっかけと、現在までの経緯を教えてください。

永田佳枝副院長 矢原歯科医院1

中学生の頃、一生できる仕事がしたいと考えた時、父と同じ歯科医師になるのも良いかなと思いました。現在は女性が働くのは普通のことで、職業の選択肢もたくさんありますが、その頃は女性が職業に就くなら何かしら専門的な資格があったほうが条件的に有利だったので、それもあって歯科医師を志し、長崎大学歯学部に進学しました。大学卒業後は、九州大学の顎顔面口腔外科の分野で2年間診療経験を積んで、大学院で歯学博士の資格を取得し、さらに1年間医員として勤務しました。その後子どもができたのをきっかけにこちらに戻ってきて、出産後2〜3年かけて本格的に仕事に復帰した感じです。

大学の顎顔面口腔外科ではどのような診療をされていましたか?

口唇口蓋裂の治療チームに所属していたので、その治療や手術と、口腔がんなど町の歯科医院では治療が難しい病気の治療に携わっていました。当時はまだ口腔がんのことがそれほど広く知られていませんでしたが、有名な女性タレントが舌がんになったことで、自分もそうではないかと不安になった方がたくさん来られました。でもそのほとんどは口内炎でしたね。逆に口腔がんが疑われる方は、自分で気づいていないことが多いんです。当院でもそういった口腔がんが疑われる患者さんを大学病院に紹介する体制を整えており、自分の知識と経験に基づいたお話ができるので、大学で勉強しておいて良かったなと思います。といっても、口腔がんは発見しやすいので、一般的な歯科医院でも見つけられるものです。ですから早期発見のためにも、定期的に通うことをお勧めします。普段から診ている先生なら、小さな異変でも見逃さないはずですから。

大学病院から歯科医院に移って感じたことはありますか?

永田佳枝副院長 矢原歯科医院2

大学病院では、紹介元から頼まれた治療をクリアすればそれで終わりでしたが、ここでは1人の患者さんを長期間診ていくので、そこが大きな違いです。当院で働き始めてもう10年ですから、最初の頃幼稚園に通っていたお子さんも中学生です。そういった患者さんたちと長く関わっていけるのはありがたい一方で、その分責任も感じています。でもそれが歯科医師本来のあるべき姿なのではないかと思います。いろいろな症状、いろいろなお考えの患者さんがいらっしゃいますから、時には根気強く説得しながら治療を続けることもあります。それでも、最後には笑顔で満足していただけるよう、どんなケースに対しても諦めずに取り組んでいきたいと思っています。

現在ある歯をできる限り長く使える治療を心がける

診療方針や内容に特徴はありますか?

永田佳枝副院長 矢原歯科医院3

基本的に無理して大きな処置はせずに、現在ある歯をできる限り長く使えるような治療を心がけています。父がよく「歯は患者さんの財産だから、抜いたほうが良いと思う歯でも本人が嫌だと言ううちは抜いてはダメだ」と言っています。抜くべき歯と抜かないリスクはお伝えしなければなりませんが、あくまでも決めるのは患者さんご本人なのだと気をつけるようにしています。また父は「歯科医師が病気を作ってはいけない」ともよく言っています。私たちは専門家なのでいろいろな病気の可能性を考えますが、それを不用意に口にすることで患者さんを不安にさせてはいけない、という意味です。本来なら何も気にせず暮らしていけた方が、私たちの発言によって疑心暗鬼になり、そのために健康を損ねるようなことがあってはいけませんから。

患者さんと関わる上で気をつけていることはありますか?

患者さんが不安にならないように、わかりやすい言葉で丁寧に説明するように心がけています。私は声が低くて物言いもぶっきらぼうなので(笑)、できるだけ患者さんと目線を合わせ、偉そうに見えないように気をつけています。基本的に好きで歯科医院に来る人はいないと思うので、少しでも忌避感を持たれないようにしたいですね。あとお子さんの虫歯は親の責任だという声もありますが、実際に子育てを経験した上で言えば、小さなお子さんの口の中を良い状態に保つのは決して簡単なものではありません。私たちの考える理想的な状態を親御さんに強いるのは、ちょっとおこがましい気がしてしまいます。

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

永田佳枝副院長 矢原歯科医院4

歯科医師になりたての頃、初めて受け持った患者さんです。タクシーの運転手さんで、いつも砂糖入りの缶コーヒーを飲んでいたそうで、ほとんどの歯が根っこしか残っていない状態でした。使える歯を治療し、最終的に入れ歯が入った時、その人らしい明るさや話しやすさ、優しそうな人柄が表情からもより伝わるようになり、こんなにも違うものかとびっくりしました。大学病院ではほかにも舌が動かないとか、顎を半分失ってしまったとかで、流動食しか食べられない患者さんもいらっしゃったのですが、嚥下の先生が食事の内容を段階的に調整したり特殊な入れ歯を作ったりして、どうにか食べられるように治療する様子を見て、口の機能、ものを噛んだり食べたりする機能がどれだけ重要なのかを痛感しました。そういった経験からも、自分の患者さんたちには、少しでも長く自分の歯で食事ができるような治療をしていきたいと思っています。

患者が安心して通える歯科医院をめざしたい

院長との役割分担はどのようにしていますか?

永田佳枝副院長 矢原歯科医院5

基本的には、それぞれの患者さんを診るようにしています。ただどうしても手が回らないようなときには代わってもらったり、自分の判断だけでは心配なときは、父に意見を求めたりすることもあります。それぞれ経験してきたことが全然違うので、その点は学びも多いです。一方で口腔外科の領域や、有病者の患者さんへの投薬についての注意事項など、自分のほうが詳しいことは私が受け持っています。インプラント治療は、私もできますが主に父が手がけています。ただ、インプラント治療に関しては、こちらから積極的に勧めることはしておらず、患者さんから希望があれば応じるスタンスです。

訪問歯科診療もされていますね。

訪問診療は私の仕事で、必要な機器類なども私が選んでそろえました。患者さんの数はそれほど多くありませんが、一般の歯科医院と同じ程度の治療ができるような体制は整えています。寝たきりの方の場合、周囲の方が思う以上に口の中が汚れやすく、本人もそれに気づいていないことが多いんです。知らないうちに歯が欠けたりして、ちゃんと食べられていると思っても、実はうまく噛めていなかったということもあります。月1回でも訪問して診療することで、そういった方が少しでも快適に暮らせようにしたいと思っています。また、通院はできても診療台に座るのが大変だという方には、院内で使える車いすも用意しており、その車いすに座ったまま治療することも可能です。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

永田佳枝副院長 矢原歯科医院6

患者さんが安心して通えるような歯科医院をめざしたいですね。歯科医師が患者さんに与えられる影響力は決して大きくないと思いますが、例えば虫歯リスクを高めてしまう食習慣のことなど、前もってわかっていたら虫歯が防げたかもしれないということはたくさんあります。そういったことはできるだけ患者さんにお伝えしていきたいです。どんな歯科医院に行けばいいのか迷う方も多いですが、人それぞれ相性があるので、自分にとって話しやすい先生を選ぶのが良いでしょう。私もできるだけ多くの患者さんにとって相性の良い歯科医師でありたいと思っています。もちろん定期的に通ってくれればベストですが、そうでなくても何かあったとき、すぐ思い出してもらえるような歯科医院でありたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

矯正/15万円~、インプラント治療/1本30万円

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