市北部の丘陵地帯に広がる都筑区。その誕生の翌年・平成7年から、横浜市都筑区医師会は区民の健康を守ってきた。
「若い人が多く、成長の活力を感じられ、多世代が一緒に街づくりに取り組んでいます。子育て世帯が多いことから予防接種や乳幼児健診、園医・校医の派遣などの小児科部門での活動が求められます。その傍ら、介護世代への移行も進んでおり、高齢者が安心して暮らし、時に療養できる環境整備も重要です」と深澤立会長。約200人の会員医師同士でノウハウを共有し、それぞれの得意分野を生かしながら、講演会や医療相談などを通して医療情報の周知・啓発にも取り組む。
「コロナ禍での想定外への対応を経て、医師会と行政の協働が進みました。それでも震災や豪雨などの非常時にいかに地域医療の基盤を確保するのか、要援護者をどう支えていくのかが、喫緊の課題です。トリアージの概念を周知したり、町内会や地域ケアプラザとのつながりを強化したりするなど、やるべきことは多くあります」と話す深澤会長。いかにコロナ禍を糧とし、安心できる未来へ向かっていけるか、今後が問われると表情を引き締める。
注力してきた在宅医療では、訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、居宅介護支援、24時間在宅ケアステーション、ナーシングホームと5つの事業を展開。三師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)の活動や福祉・介護との連携も深め、多職種で取り組む。