都心のほど近くながら、自然環境にも恵まれた鶴見区。近年は子育て世代の移住が多い。京浜工業地帯の一角でもあり古くから移住者を受け入れてきた歴史を持つ。「多様な住民に等しく医療を届けたい」と鶴見区医師会の宮下裕子会長は語る。その実現に向け同会が何より大切にしてきたのは「連携」だ。
例えば、高齢者に対しては同会が20年以上営んできた「つるみ在宅ケアネットワーク」で包括的なケアを行う。参加者は医師、歯科医師、看護師、薬剤師、介護士などの他、ソーシャルワーカーや行政書士など社会的な支援を担当する専門職。オンラインだけではなく顔を合わせ、ワンチームとしての絆を深めることも大切にしている。
「病状や薬の情報、延命治療の希望などを記した『イエローノート』を作製し普及にも努めてきました。最後までその人らしく生きることを支えられたら」と宮下会長はほほ笑む。
海、丘、川に囲まれた鶴見区に暮らし続けたいと希望する人は多い。しかし、豊かな自然は災害時にはリスクにもなりかねない。万が一のときに備え、行政や鶴見区歯科医師会とも会合を重ねる。
「災害医療に歯科医師、薬剤師、看護師の存在は欠かせません。鶴見区ならではの医師会・歯科医師会、横浜市災害支援ナース(Yナース)との連携した活動を深めていくところです」
一方、横浜市の中で比較すると健康診断の受診率が低いなど、改善すべき課題も多いという。「今後とも病診・診診連携を進め、鶴見区に住む皆さんの健康を、強力にサポートしていく所存です」と会長は力を込める。




