都心に近い利便性と豊富な自然が共存する所沢市。東京のベッドタウンとして、若い世代の流入も多い。所沢市医師会は設立当初から利他の精神を貫き、休祝日の当番医診療や第二次救急病院の輪番制構築など住民の多様なニーズに応え続けてきた。所属する医師は、それぞれの専門性を生かして園医・校医、医師会が運営する准看護学院や看護専門学校の講師として活動するほか、市の健診・検診事業、乳幼児予防接種、所沢市医療介護連携支援センターの運営などに携わる。
所沢市は令和7年現在高齢化率が27%を超え、国や県の全国平均よりも高い。齋藤拓郎総務担当理事は、「医師会としても、高齢者の増加には危機感を持って対策をしています」と話す。
「今後の需要増を見据え、在宅医療、介護連携、病診連携には特に力を入れています。実際、高齢で通院できない患者さんが増えたけれど、在宅医療まで手が回らないといった声をよく聞くようになりました。私のように在宅医療を行っている医師や、在宅医療専門のクリニックが患者さんを引き継ぐなどして、すべての人が必要な医療にアクセスできる環境づくりを進めています」
入院が必要になった場合に備え、市内の急性期病院とは密な関係性を構築しているそうだ。
「市内で新規開業した先生方も積極的に医師会活動に参加してくれています。若い力の活躍で健全な新陳代謝を図り、時代が変わっても地域の皆さんのニーズに応えられる医師会でありたいです」