高度成長期、東京への労働者人口流入を支えた多摩ニュータウンの一角を成す多摩市。当時の働き世代も高齢化が進んでいて、在宅医療の拡充は地域が抱える課題の一つでもある。
「一人診療所で在宅医療に取り組む医師が多いエリアなので、医師会が主催して定期的にカンファレンスを行い、地域全体の医療の質向上に努めています」と語るのは、中村弘之多摩市医師会会長だ。
同会に設置した高齢者在宅療養支援窓口への問い合わせ増加を受け、訪問看護ステーションとの連携も強化。医師、訪問看護師、ケアマネジャーなどとの多職種連携も重視している。一方、都市計画により歩行者専用道路がネットワーク化された暮らしやすい環境、市が進める再生事業などにより、子育て世代の転入も増えている。
同会では昭和55年8月に多摩市こども準夜診療所を開設し現在は365日、小児科医師が交代で診療をしている。「地域のクリニックだけではなく、日本医科大学多摩永山病院、東京都立多摩南部地域病院の協力のもと、地域ぐるみで準夜診療を支えています」と会長。
また、災害対策としては首都直下型地震を想定し緊急医療救護所を設置するための訓練を毎年10月に実施。歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会と連携し、医療従事者だけではなく医療系学生も参加する防災訓練も行っている。
「今後は市民向けの啓発や、多摩川氾濫時の水害対策も必要でしょう。課題は尽きませんが、一つずつ着実に解決していきたいです」


