東急田園都市線とJR南武線が交差し、エリアにより異なる医療ニーズを抱える高津区。このエリアの健康を守る高津区医師会の染谷貴志会長は「必要時に患者さんを病院に紹介し、退院後のサポートをスムーズに行えるよう、医師会と区内大学病院・基幹病院間では、常に連携を深めています」と話す。
「顔の見える関係を構築するため、地域の病院が開催する病診連携の会へ積極的に参加しています。また、当会の総会に病院の医師を招き講演してもらうことで、会員が専門分野を学び、より適切な紹介に役立てています」
また、区内には高齢者も多く、在宅医療はさらに重要性を増すと考えられる。そのため同会では平成25年に「高津区の地域医療と福祉を考える会」を発足。同会で在宅調整を担う医師を中心に、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネジャーなど、在宅医療に関わる専門職が交流し、高津区役所職員や地域包括支援センターのスタッフも交え、現場の課題共有と解決に向けた事例検討会を行う機会を年数回設けている。
このほか地域の保健衛生事業として区内の保育園・幼稚園の園医を会員の医師が担当。またワクチンの予防接種は多くのクリニックで行えるよう調整を図る。「区民の皆さんの健康を裏側から支えるのも医師会の大事な役割です」と染谷会長。
「川崎市高津休日急患診療所の当番医師も当会で調整するなど、地域医療には欠かせない存在。活動に少し興味を持っていただけるとうれしいですね」