東京23区で最も面積が小さい台東区。下谷医師会の田村順二会長は、「区がコンパクトな分、医療も小回りが利くんです」と話す。浅草医師会や薬剤師会、病院、行政などとの「横のつながり」が強固で、緊急時の対応も迅速だという。
例えば新型コロナウイルス感染症拡大第2波の折、集団感染対応に追われる永寿総合病院内から、「台東区準夜間・休日こどもクリニック」を区の保健所に一時移設する際にも同会は尽力。近隣には夜間に開く調剤薬局がないなど、環境整備は容易ではなかったが、薬剤師会や区など多方面からの協力が得られ実現した。
「急病の子と親のつらさはコロナ禍でも変わりません。だから休日診療も普段どおりにと、皆が同じ思いでした」
また、地域で在宅医療を利用する高齢者のため、永寿総合病院とともに独自の仕組みをつくった。かかりつけ医が事前に患者の情報をシステムに登録しておけば、有事に紹介状がなくても同院で適切な治療が可能だ。さらに同院での治療内容はシステム上でかかりつけ医に共有され、病院・クリニック間での連携がよりスムーズになった。
ほかにも小学生のフットサルや食育の教室を区に提案するなど、医療に限らず広く区民の健康増進を働きかける。
「誰もが健やかに過ごせる街にしたい。下町の温かさがあってこそ、理想が可能になると思っています。そのために、今後も周囲と手を取り合っていくつもりです」


