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直方市

筑豊を構成する自治体の一つで、福智山や遠賀川などの豊かな自然に恵まれた直方市。春には約20万本のチューリップが河川敷に咲き誇り春の風物詩になっている。季節の移ろいを感じながら暮らせる魅力あふれるまち。

市長インタビュー

大塚進弘市長
大塚進弘市長
大塚 進弘
市長

1952年直方市生まれ。民間企業を経て1978年に直方市役所に入庁。2011年からは副市長を務め、2019年より現職。県内外に職種を問わず幅広いネットワークを持つ一方、自ら市民のもとへ足を運び意見を交換する「市長と語る」なども積極的に行う。

自然の中で育むチャレンジ精神が
子どもの未来を生き抜く力になる

直方市の歴史や文化についてお聞かせください。

直方市は江戸時代初期には福岡藩の支藩東蓮寺藩が置かれた城下町でした。約100年続いた支藩も跡取りがなく4代で藩としての歴史に幕を下ろしました。炭鉱の時代には石炭の輸送を担う鉄道の拠点となり、同時に採掘に必要なポンプや巻き上げ機などの技術も発展。長きにわたる炭鉱の時代を支えてきました。また高取焼の発祥の地として、日本の文化にも大きく貢献しています。そして豊かな自然も魅力の一つです。直方市民にとって福智山は「子どもの頃に登った」といつまでも話題になる身近な場所で、私も例外ではありません。遠賀川や福智山といったおおらかな自然から得られるものは子どもの心の教育にも大きく関わっていると感じています。

公的な施設を活用した子育て支援にかなり注力されていますね。

大きく時代が変化していく中で直方の子どもたちがどうすれば自分らしく生きられるのかと考えた際に、特に意欲や基本的生活習慣が身につく就学前の時期の学びが大切なのだと気づきました。幼稚園や保育園、地域のコミュニティーなどで自分の家族以外の考え方や価値観にふれ、チャレンジ精神を養うことこそが、お子さんのその後の学校生活や進路選択といった「人生を生き抜く力」につながるのではないかと考えています。

子どもの生きる力の醸成と
女性の自立支援を2本柱に

具体的にどのような施策が行われているのでしょうか?

病児保育事業や保育料の第二子無料化などに加え、中心市街地に設置した多世代交流スペース「ここっちゃ」では保育士資格を持つ市の職員を配置し、誰でも気軽に子育て相談ができる環境を整えました。当市も核家族化が進み、祖父母の援助がないままに子育てをしているお母さんが増えています。職員とお母さんたちが気軽に話し、その横で子どもが自由に遊ぶ。こういう地域の温かさが子どもの記憶に残れば、進学などで直方を離れたとしてもまた戻って来る子も増えてくる。その循環こそが直方市がめざす持続可能な社会の姿なのだと思います。実際に学校になじめず、学校以外に居場所を見いだした学生が大成して、今ではさまざまな職に就いて活躍しているという話も耳にしており、子どものさまざまな居場所の大切さを実感しているところです。

女性の自立も促していきたいとお考えだそうですね。

直方市役所でもDX化が進み、場所を問わず働ける職員が増えた一方、社会で得たスキルを生かしきれないまま家庭に入っているお母さんもまだまだおられます。オンラインの普及で今後さらに働き方が選びやすくなるでしょうから、市からも十分な後押しをしたいと考えています。結婚しても仕事を続ける、自分の能力で生き抜いていく、そんな母親のマインドは子どもたちにきっと伝播していくでしょう。今後もさらに北九州市などと連携を深めつつ、福智山を懐かしみ帰って来る人が増え、そこからまた新しい文化や教育が生まれていく、そんな市にしていきたいですね。

(2023年12月時点の情報です)

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