約74万の人口を擁する練馬区。この地域の医療を600人以上の会員数で支えるのが練馬区医師会だ。行政との連携も強く、コロナ禍の際に構築したワクチン接種体制「練馬区モデル」が全国自治体の模範となったのは記憶に新しい。
「会員同士が結束し、大きな力を生み出せるのが当会の強み。区民のお気持ちに寄り添い、良質な医療を提供してまいります」と内田寛会長。
同会の大きな特徴といえるのが、医師会で運営されている病児保育センターだ。手のひらを表す「ぱるむ」と名づけられたこの施設では、小児科の嘱託医や専門スタッフたちが日々愛情のこもった保育サービスに努めている。ほかにも、同会では区が推進する要保護児童対策地域協議会の取り組みに協力。児童虐待の予防や早期発見・保護をめざした情報交換、支援内容の協議などを重ねてきた。
一方、在宅医療の普及も喫緊の課題だ。同会では「医療連携・在宅医療サポートセンター」を設置し、かかりつけ医に関わる相談のほか、訪問診療についての問い合わせや在宅療養患者の一時入院の調整などに応じている。また、練馬区医師会訪問看護ステーションでは、24時間対応を開始。誰もが住み慣れた場所で安心して療養できるよう、在宅医療の体制整備を進めている。
「将来的には、医療的ケア児への支援を見据えた小児在宅医療にも取り組みたいですね。今後も良質な医療を維持できるよう、多職種で協力し合い、区民を地域で支える環境づくりに努めてまいります」