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流山市
市長インタビュー


- 井崎 義治
- 市長
サンフランシスコ州立大学大学院人間環境研究科修士課程修了。アメリカで地域計画などに携わる。住信基礎研究所、エース総合研究所を経て2003年より現職。定例のタウンミーティングでは「丁寧な説明」を何より大切にする。保育園に通う孫を溺愛する祖父としての一面も。
人口増の「選ばれるまち」
すべての市民の自己実現を応援する
若いファミリー層の流入率の高さが、全国的にも注目を集めています。
市長就任以来、どの分野においても「量より質」にこだわったまちづくりを進めてきました。とりわけ、送迎保育ステーションをはじめとする、「働きながら子育てができる」あるいは「子どものそばで働ける」仕組みづくりに力を注いできたことが、多くの子育て世帯に選んでいただけている理由だと思っています。これまで流山市では、認可保育所などの大幅な増設や学童クラブの整備など、さまざまな取り組みを実施してきました。これからさらに力を入れたいのは、学習支援を必要としていたり障害があったりと何らかの困難を抱えているお子さんが、その子の個性や力を発揮するための環境づくりです。子どもがどれだけの可能性を秘めているかというのは、誰にもわかりません。周りの大人が「この子はこうだ」と決めつけることなく、その子の可能性を最大限引き出せるような環境を整えることが理想ですよね。そのために、保育・教育の現場で個々に合った対応をしていくことが今後の課題だと考えています。
ICTによる新たな挑戦で
子どものSOSを逃さない
学校教育の現場では、ある「先駆的な取り組み」を始めたそうですね。
子どもたちを守るため、流山市では早くからスクールロイヤーやスクールカウンセラーを配置するなどしてきましたが、いじめの認知件数や不登校が増え、より抜本的な対応が必要になりました。そこで新たに始めたのが、ICTを活用し、出欠席などの「校務系データ」と、成績などの「学習系データ」、そして子どもたちが今日の気分を晴れ・雨など天気で表す「心の天気」、この3つのデータを統合して1つのページ上で見られるシステムです。問題を抱える子がいた場合、今までは教員の経験からくる直感や観察に基づいて指導することが多く、指導内容が不十分だったり見落としがあったりしても気づけないケースがありました。ですが、このシステムを教員間で共有することで、より客観的に現状を認識できるようになったのです。このシステムを導入しているのは、全国で2つの自治体。あくまで教員の補助としての役割にすぎませんが、一人ひとりに適したきめ細かい指導をより早く行うために重要な取り組みだと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
10年以上前から「母になるなら、流山市。」を掲げていますが、この言葉の真意は、単に子育て環境を整えることにとどまりません。共働きで子どもを持つと女性が離職するケースがまだまだ多い中、子どもを持ちながらも自分のキャリアや能力を生かして社会に貢献したい、自己実現をしていきたいという女性はたくさんおられます。母になっても女性が一人の人間として自己実現をしていけるよう、多様な仕組みや行政サービスを通して応援する。「母になるなら、流山市。」には、そうした意味が込められているのです。子どもも女性も男性も、誰もが個々の可能性を引き出し、自分の選択した道を生き生きと歩めるようなまちづくりを今後も進めていきます。
(2022年8月時点の情報です)