東京と横浜に隣接し、豊かな自然も身近な川崎市。7つの行政区に155万人が暮らす同市で市民の健康を担うのが川崎市医師会だ。各区の医師会と連携して活動を進める岡野敏明会長は「医療機関が全域に分布し、医療へのアクセスが良好な地域です」と話す。
少子化対策を推進する市と歩調を合わせ、子育て世代への多様な対応は同会の柱の一つだ。国内でも早くから取り組む5歳児健診では、虐待などの兆候を見つけやすい年齢でもあり、多角的な視点から健康状態を確認している。
また保育園が増える中、園医の確保でも会員の医師の力が欠かせないことに加え、病児・病後児保育へも注力。すべての区に施設を設け、働く親の不安に寄り添う。令和7年3月からは受け入れが小学3年生までに拡充された。
一方、住民の独居率が高い背景があり、ニーズの高い在宅医療のバックアップに努める。在宅チーム医療を担う「地域リーダー研修」もその一環だ。医師、看護師、歯科医師、介護職といった多職種が、定期的に集まり、テーマに沿って行うディスカッションを通じて課題対応力を培う。
こうした活動の土台となる各方面との密接な連携体制は、災害時医療にも存分に生かされている。能登半島地震では初動が早く、5つのチームを交代で派遣できたという。「経験者を増やすことも災害対策です」という岡野会長の言葉どおり、有事への備えにも余念がない。
「市外在住の医師が増える今、さまざまな形で医師会が連携を進め、地域医療を支えていきたいと思います」


