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筑紫地域
医師会&歯科医師会 活動レポート
地域のクリニックや病院の先生たちで構成される医師会・歯科医師会。 休日診療や保育園・学校での園医・校医活動など、地域医療の重要な役割を担っています。 わたしたちが住む地域の活動について、地域の会長にお話を伺いました。
筑紫医師会


1982年福岡大学医学部卒業。同大学病院心臓血管外科、若宮病院などを経て1995年にたけの内科クリニックを開院。かかりつけ医として現在も地域住民のさまざまな疾患と向き合う。2020年に筑紫医師会会長に就任。適切な医療を届けるべく自治体や保健所との連携にも注力。
自治体、保健所と足並みをそろえ
連携の強固な医療体制を構築
春日市、筑紫野市、大野城市、太宰府市、那珂川市の人口は5市合わせて45万人ほど。太宰府天満宮などの歴史的なスポットと地元の人が暮らす町並みが矛盾なく交わるエリアだ。それぞれに歴史がある5市を束ねる筑紫医師会は、各自治体との連携に力を注ぐ。
「どれほどの人が、どんな疾患を抱え、どこに住まわれているのかを正確に把握することは、災害時への備えとして必須。特に人工呼吸器を使用しているなら、災害時にはバックアップ電源を用いて命を守らなければなりません。適切な医療を届けるためにも各自治体、保健所と当会の連携を今後もさらに深めて行く必要があります」と竹野文洋会長は語る。
同会が担当する5市は福岡空港に近く、感染症対策の体制づくりなども行う必要がある。同時に都市高速にも近いため、エリア内の基幹病院だけではなく福岡市にある浜の町病院や九州大学病院への搬送も行いやすい環境。いずれも管轄を超えた自治体との連携がさらに重要になってくる。
とはいえ、地域住民の「最初の相談窓口」が身近なクリニックであることに変わりはない。
「訪問診療のご要望、お子さんの病気、ご自分の不調などがあれば、科を問わずお近くのクリニックにご相談ください。別の科の受診を勧めることもありますが、それも地域の開業医の大切な役割の一つ。ご家族皆さんの健康を守るためにもぜひ、かかりつけ医を持っておいてくださいね」
筑紫歯科医師会


1982年九州歯科大学卒業。1985年に白水歯科医院を開業。2019年より筑紫歯科医師会会長に就任。地域の歯科と医科をつなぐという新しい役割にも積極的に取り組む一方、現在も地域のかかりつけ歯科医として、日々患者の悩みと向き合い続けている。
地域の病院と連携した口腔ケアにも尽力
幅広い取り組みで地域の悩みをサポート
福岡市の南に位置し、福岡市のベッドタウンとして幅広い年代の住民が暮らす春日市、筑紫野市、大野城市、太宰府市、那珂川市。この5市をまとめる筑紫歯科医師会では「お口の健康を通じて笑顔溢れる社会」をめざし、校医の派遣などのほか、オーラルフレイル(口腔機能の衰え)対策として訪問歯科診療にも力を入れている。
「お口の汚れが原因ともなる誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因の多くを占めており、日々の口腔ケアの必要性を感じています。思うように通院ができない方でも専門的な口腔ケアが受けられる訪問歯科診療を、ぜひ地域の皆さんにも活用していただきたいですね」と快活な口調で語るのは白水智明会長。入れ歯の調整などを行うことで嚥下能力を補い、食生活の改善につなげるケースも多いという。
同会では九州がんセンターなどの近隣の基幹病院とも連携し、入院や手術時の口腔ケアにも尽力。看護師では対応が難しい専門的な歯科領域を担い、患者のQOLの向上や家族の負担軽減につなげている。今後もさらに医科との連携を強固にし、地域ぐるみでのサポートを充実させていく構えだ。
「お口の健康は、全身の健康へとつながります。子育てやお仕事に忙しいお母さんでも、お子さんと一緒に受けられる妊産婦歯科検診などがあります。ぜひご自分の健康のためにも活用ください。お口のお困り事はかかりつけの歯科、そして地域の歯科の窓口である歯科医師会までご相談くださいね」