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こちらの記事の監修医師
公益社団法人東京都教職員互助会 三楽病院
副院長 木村 雅弘 先生

へんけいせいしつかんせつしょう変形性膝関節症

概要

ひざの関節の軟骨が摩擦などですり減ったために、ひざに強い痛みが出る慢性的な病気。最初は歩き始めに痛みが出ても、休息すれば痛みが治まる程度だが、基本的に年齢を重ねるごとに病状が進み、ひどくなると安静にしていても痛みが取れず、歩くことも難しくなる。原因としては、加齢のほかに、肥満、O脚、閉経後のホルモンバランスの変化などが挙げられる。また、布団の上げ下ろしや正座・あぐらによってひざに負担をかけやすい日本の生活習慣と、軟骨がもろく傷みやすいといった遺伝的因子も関係しているといわれている。女性に多いことも特徴だ。

原因

ほかの病気やけがが原因のものもあるが、最も大きな原因は加齢で、年齢を重ねるとともに少しずつ関節の軟骨がすり減ったり削れたりすることで表面が荒れて、慢性的な炎症や変形が起こる。また、ひざの関節には常に体重の4~6倍の負荷がかかっているため、肥満も大きな原因になる。ほかにも、ひざの内側に極端に負荷がかかるO脚や、閉経後のホルモンバランスの変化によって骨がもろくなることにも関係があるとされる。布団の上げ下ろしや畳に正座・あぐらをかく日本の生活習慣は、ひざを大きく曲げる動作が日常の中でも多いため、世界の国々の中でも日本人は特に変形性膝関節症になりやすいというデータもある。そのため、O脚で肥満ぎみの高齢者の日本人女性は特に注意が必要だ。もともと軟骨がもろく傷みやすいといった遺伝的な要素も背景にあると考えられている。

症状

一般的に、初期は階段の上り下り、歩き始め、いつもより長く歩いたとき、イスから立ち上がるときなどに痛みを感じるが、休んでいれば痛みはやわらぐことがほとんど。中期になると、歩くと常に痛みを感じるほか、ひざがこわばって、ひざを曲げたり伸ばしたりといった動作がつらくなる。また、ひざに水(関節液)がたまる・腫れる・熱を持つといった症状も現れ始める。O脚が進行することも。さらに病気がひどくなると、関節の軟骨がなくなって骨が直接こすれるため、立ったり歩いたりする動作も難しくなり、ひざの変形も進行することが多い。

検査・診断

まずは問診でどのような痛みなのかをヒアリングし、関節の動く範囲、腫れ・痛み・変形があるかどうか、O脚でないかなどを触診でチェックする。その上でエックス線検査を行い、骨と骨の隙間が狭くなっていないか、骨が部分的に硬くなっていないか、骨の明らかな変形がないか、といった点を調べるのが一般的だ。ただし、初期ではエックス線検査で異常が見られないこともあるため、MRI検査でレントゲンには映らない半月板(太ももの骨とすねの骨の間にあり、ひざに負担をかかるのを防ぐクッションの役割を果たす)の損傷などを調べて、前段階の変形性膝関節症の診断につなげることもある。

治療

変形性膝関節症を発症したら、ひざの軟骨の退行を防ぐことで、可能な限り進行を食い止めることが第一とされる。関節が変形し始めた初期の段階では、痛いからといって体を動かさないでいると筋肉が落ちてさらに病気が進行するため、適切な靴を履いた上で平らな場所でウォーキングをする、入浴などをしてひざを十分温めた後にひざを伸ばす、といった運動療法と温熱療法が有効だ。肥満はひざの痛みを進行させる大きな要因になるため、太り過ぎの場合は体重の5%を目安に減量の指導などが行われることも。痛みが強ければ、痛み止めの内服薬や関節注射などを使う場合もある。症状が進み、それらの方法で効果が得られないときは、年齢と病気の進行度に応じて、ひざの関節の表面を取り除いて人工関節に置き換えることで関節の働きの改善をめざす「人工関節置換術」などの手術が検討される。

予防/治療後の注意

正しい歩き方を習慣づけると、お尻の筋肉である大臀筋と、股関節を閉じる働きを担っている筋肉である内転筋を鍛えられるので、ひざの痛みの予防になる。背筋を伸ばし、歩幅を大きく取るようにして、ひざが自然と伸びるようにかかとから着地する歩き方をするように心がける。また、大臀筋、内転筋、太ももの前の筋肉である大腿四頭筋を、簡単なストレッチで鍛えることも有効。さらに、正座やあぐらといったひざに負荷をかける座り方を避け、肥満であれば減量をすることも変形性膝関節症を防ぐために重要だ。

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こちらの記事の監修医師

公益社団法人東京都教職員互助会 三楽病院

副院長 木村 雅弘 先生

1983年東京大学医学部卒業。股関節・膝関節変性疾患が専門。特に人工関節の手術を得意とし、新たな技術開発にも積極的に取り組んでいる。日本整形外科学会整形外科専門医。