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こちらの記事の監修医師
東京医科大学八王子医療センター
副院長/心臓血管外科科長/教授 進藤 俊哉 先生

ばーじゃーびょう(へいそくせいけっせんけっかんえん)バージャー病(閉塞性血栓血管炎)

概要

手足の動脈の壁に炎症が生じ、血管が細くなる、あるいは血の塊である血栓ができることで、血管が詰まってしまう病気である。血栓で血管がふさがってしまうと、手足や指先の組織に血液が十分に流れ込まなくなる虚血症状が起き、さまざまな問題を引き起こす。日本での疾患名は閉塞性血栓血管炎(または閉塞性血栓性血管炎)だが、発見者であるLeo Buergerの名前をとって、バージャー病とも呼ばれる(ドイツ語読みでビュルガー病という場合も)。根本的な原因はわかっていないが、患者のうち9割は男性で、その大半が30~40代。近年では女性患者にも増加傾向が見られる。国の指定難病に分類されている。

原因

血管に炎症が生じてしまう原因は、まだ明確にはわかっていない。ただし、患者のほとんどが喫煙者であり、タバコとの強い関連性が指摘されている。摂取するタバコの本数が多いほど、発症のリスクも高い。従来はまれであった女性患者が少しずつ増えているのも、女性の喫煙率が上がっていることと関係があると見られている。また、本人には喫煙歴がなくても、タバコの副流煙に長くさらされる、受動喫煙の影響を受けて発症する患者もいる。この他、遺伝が要因となりうるともいわれており、特定の遺伝子型を持つ人に発症率が高い、という研究報告がある。

症状

虚血症状の影響で、手足や指先に冷えやしびれが起き、皮膚が青白く、血の気がないような色に変わる(皮膚の蒼白化)。さらに症状が進むと、「間欠性跛行」(かんけつせいはこう)が現れる。これは、長時間歩くと足が痛くなり、休むとその痛みが収まる症状が繰り返される状態である。また安静にしていても、手足にひどい痛みを感じるようになることもある。さらに重症化すると潰瘍ができ、最悪の場合には手足の先が壊死してしまい、切断を余儀なくされるケースもある。この他、手足の動脈だけでなく、「遊走性静脈炎」と呼ばれる、静脈に沿って移動性の炎症が見られることがある。

検査・診断

まずは手足の冷感や痛みのある部位に触れてみて、動脈拍動の有無を確認する。閉塞した先の血管には血液が流れていないため、手で触れても拍動を感じなくなる。また足首と上腕の血圧を測定し、両者の数値の差を比較することで動脈が細くなっていたり、閉塞があったりしないかを調べる。手足の動脈の状態を見るために超音波検査や、CTA(CT血管造影)、MRA(磁気共鳴血管造影)といった画像検査も行う。画像による診断は病変部分を確認するのに加え、似たような症状を持つ他の病気の可能性を排除するためにも有効である。バイパス手術を検討する際には、動脈にカテーテルを挿入して行う血管造影検査を行うこともある。

治療

まだ喫煙の習慣が続いている場合、まずは禁煙をすることが何よりも重要である。その上で薬物療法を行う。血液の流れを改善するために、血液を固まりにくくする抗凝固薬や、血管を広げるための抗血小板薬、血管拡張薬などを投与する。重症化している場合は外科的療法として、ふさがっている血管の前後をつなぎ合わせるバイパス手術を行う。ただし、病変が末梢にあるというバージャー病の特徴や、症状が進むと血管が細くなりすぎてしまうということもあり、バイパス手術を行うには難しいことも多い。このため状況に応じて、交感神経節を切除して血管を拡張させる治療が施されることもある。近年では、遺伝子治療や骨髄細胞移植治療といった、血管を新しく作ったり、再生させたりする先進的な治療の研究も進んでいる。

予防/治療後の注意

何よりも禁煙することが予防や治療中・治療後の状態を良好にする上での重要なポイントとなる。喫煙を続けることで、症状が進行し、手足を切断しなければいけないほど症状が重篤になる可能性が高まる。また早期に発見して、治療を開始することも重症化を防ぐ上では必要となる。バージャー病は原因が不明で根治することが難しい病気のため、病気の進行が進まないように気を配ることが大きな意味を持つ。手足を冷えやケガから守り、健康的な食生活や適度な運動を心がけたい。

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こちらの記事の監修医師

東京医科大学八王子医療センター

副院長/心臓血管外科科長/教授 進藤 俊哉 先生

1980年東京大学医学部卒業後、同大学第二外科学教室に入局。2年間の米国留学を経て、山梨医科大学(現・山梨大学医学部)や一般病院に勤務。2009年より現職。日本外科学会外科専門医、日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医。