全国のドクター8,718人の想いを取材
クリニック・病院 161,527件の情報を掲載(2019年12月06日現在)

  1. TOP
  2. 症状から探す
  3. 微熱の原因と考えられる病気一覧
  4. 手足口病
  1. TOP
  2. 頭の病気一覧
  3. 手足口病
017

こちらの記事の監修医師
石原 淳 病院長

てあしくちびょう手足口病

概要

夏季に流行し、7月に感染のピークを迎えるウイルス性の感染症。感染者のほとんどが小児で、5歳未満が80%以上を占めている。ウイルス感染により、口の中や手足に水疱(水膨れ)ができる。エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなど手足口病を引き起こすウイルスの種類は多数ある。一度感染するとウイルスに対しての免疫はできるが、他の種類のウイルスには免疫がないため、繰り返しかかることがある。感染者の90%前後は5歳以下の子どもである。まれに、無菌性髄膜炎、脳炎、心筋炎、肺水腫、ギラン・バレー症候群など重篤な合併症が起こる場合も。

原因

ウイルスに感染することが原因で発症する。原因となるウイルスはさまざまであるが、主に、「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」が挙げられる。これらのウイルスはノンエンベロープウイルスともいわれており、アルコール消毒剤や熱に強いウイルスとして知られている。主な感染経路は3つある。1つ目は感染している人のくしゃみや咳とともに、空気中に飛び出したウイルスを吸い込むことにより感染してしまう飛沫感染。2つ目は感染者が触れたドアノブやスイッチに接触し、さらにその手で口や鼻を触ることにより体内にウイルスを取り込んでしまう接触感染。そして3つ目は、感染者の乾燥した便の粒子を吸い込んでしまったり、おむつを取り替えた後に十分に手を洗わないまま顔を触ってしまったりすることで感染する経口感染である。感染力が強いため、数年に一度、乳幼児の間で大流行する。

症状

3~6日間の潜伏期の後、口の中や手のひら、足の裏に赤い発疹ができる。水膨れのような発疹で、大きさは数ミリ程度。手の甲や足の甲、指の間、膝、肘やお尻にできることもある。また、38℃以下の微熱が出るケースも。発疹はかさぶたにはならず、3~7日で消える場合が多く、1週間程度でなくなる。口の中にできた発疹がつぶれた後にできる口内炎がひどく、痛みを伴うため、食事や水分を取りたがらなくなる。手足の発疹は痛みや痒みがある。意識障害や明らかにぐったりしているような場合や嘔吐を繰り返す場合には、重篤な合併症を起こしている可能性がある。 

検査・診断

基本的に、診断は症状を目で見て行う。診断に検査は必須ではなく、症状と流行状況を鑑みて診断することが多い。発疹の性状や、発疹が出ている箇所が診断の重要なポイントになってくる。さらに、決まった資料のみから判断するのではなく、季節や患者の周りの流行状況も考慮して判断する。病原診断としては、ウイルスの分離や検出が重要だ。必要に応じて、喉や血液、便の中に存在するウイルスの検査などが行われる。なお血液による検査は、補助的な診断として行われることが多い。まれな例ではあるが、合併症を引き起こしている可能性もあるので、早めの診断を行うと良い。

治療

根本的な治療法や特効薬は現在の医学ではないとされている。基本的には、症状の軽い病気であるため、様子を見ながら経過観察をしていくのが一般的である。発疹に痛みや痒みを伴うなど症状が強い場合は、抗ヒスタミン薬の塗り薬を使用するなど対症療法を行う。また口内炎などの痛みが強い場合は、鎮痛剤で痛みを和らげるほか、粘膜保護剤の軟膏が処方されることもある。食事に関しては、味が薄く、やわらかい、刺激が少ない食べ物を与え、水分はできるだけこまめに与える。ただし、オレンジジュースなどの刺激の強い飲み物は避けたい。何よりも水分不足に注意する。食事や水分を十分に取れず脱水状態になっている場合には、点滴が必要になることも。また、ステロイド剤の使用は、手足口病の症状を悪化させるケースが見受けられているので注意が必要である。

予防/治療後の注意

完全に予防することは困難だが、まずは感染経路をしっかりと把握することが何よりもの予防につながる。マスクをしっかりとつけることで飛沫感染を予防することができる。また、手洗い、うがいをこまめに行うのはもちろんのこと、アルコール消毒も手足口病には効果的な予防方法である。他にも、感染者とタオルを共有しない、食器やテーブル、おもちゃなどを消毒するといったことで予防が可能。症状がなくなってからも数週間は便の中にウイルスが存在するため、おむつの取り扱いには十分に気をつけること。

017

こちらの記事の監修医師

横浜市立市民病院

石原 淳 病院長

島根県出身。1979年慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院や関連病院で小児循環器科の診療に携わり、1998年に市民病院に入職。 小児科部長、副病院長などを経て2013年より現職。研修医の指導や育成、看護師の教育に力を入れる。