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記事公開日:2022/09/26

最終更新日:

【歯科衛生士編】例文でわかる!履歴書「印象の良い志望動機」の書き方

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転職を考えている歯科衛生士の皆さんに向けて、例文を用いて「志望動機」を解説します! 志望動機は採用担当者にやる気や熱意を伝えるための大切なアピールポイントです。応募者の人物像は採用担当者が特に知りたい情報の一つ。好印象や期待感を抱いてもらえれば、書類選考や面接も通過しやすくなります。

志望動機を書く際は、その職場について深く知ることが大切。「自分に合っている」と実感できれば、その実感を志望動機として書くと説得力が増すだけでなく、自分に合っていると実感できた入職先なので、入職後も楽しく働き続けられる可能性も高くなるでしょう。

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志望動機を書く際は、その職場について深く知ることが大切。「自分に合っている」と実感できれば、その実感を志望動機として書くと説得力が増すだけでなく、自分に合っていると実感できた入職先なので、入職後も楽しく働き続けられる可能性も高くなるでしょう。

1 志望動機を書く前に覚えておきたいこと

せっかく頑張って志望動機を書いても、採用担当者に正しく伝わらないと意味がありません。そこでまずは「読みやすい文章を書くためのポイント」も押さえておきましょう。
文字数は200〜300字程度でまとめるのがお勧めです。これくらいの簡潔さであれば、面接で志望動機を聞かれたときも伝えやすくなります。加えて、起承転結も意識すると、さらに読みやすい内容に。記事の後半で紹介する例文を読むと起承転結のイメージがつかみやすいので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、文面を完成させるまでに何度も修正が発生します。履歴書を手書きする場合、ノートやスマホのメモ機能を使って下書きし、完成した文面を履歴書に書き写すと効率的です。

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2 志望動機を書くための準備をしよう

志望動機では「貴院で働きたいと思った理由」を書く必要があります。当たり前と思われるかもしれませんが、「歯科衛生士という仕事に対する思い」しか書かれておらず、なぜこの応募先を選んだのかが伝わらないというケースは意外と少なくありません。次の例文を読んでみてください。

  • 歯科衛生士として患者さんの歯の悩みに向き合うことにやりがいを感じているため、貴院を志望しました。

この例文のような仕事に対する熱意のみでは「どの応募先にも当てはまる内容」といえるため、採用担当者に「うちでなくても良いのでは」「使い回しをしているのでは」と思われてしまう可能性も。

例えば予防歯科の経験を積みたいと転職を考えている場合、予防歯科に携わりたい理由とともに、その歯科医院で働きたいと思った決め手を示しましょう。「他でもない貴院で予防歯科に携わりたいのです」という思いを伝えることがポイントです。

このような意欲の伝わる志望動機を書くには、そもそも応募先がどういうクリニック・病院なのかをしっかりと理解できていないと始まりません。そこで、力を入れたいのが応募先に関する情報収集です。

応募先の求人やウェブサイトをチェックするのが基本となりますが、クリニックや病院の資料を請求するのも有効。ウェブサイトでは載っていないような、資料のみの情報が得られることもあり、その内容を志望動機で言及すれば、「うちのことを深く理解してくれている」と採用担当者の好印象が期待できるかもしれません。

また、情報収集の方法として、職場見学やインターンシップ参加もお勧め。職場の雰囲気や業務の流れを直接確認できるので、入職前に働き方を思い描きやすく、自分に合っているかどうか見極めやすくなります。
最近は歯科衛生士専門の転職合同説明会なども増えていて、採用に力を入れているクリニックや病院と新たに出会えることも。このような説明会でも、採用担当者や働いているスタッフから直接話を聞くことができるので、積極的に参加してみましょう。

情報収集でチェックしておきたい内容を以下にまとめましたので、参考にしてみてください。

事前にチェックしておきたいポイント

  • 施設の基本情報(診療内容、患者数、ユニット設備をはじめとした医療機器の特徴など)
  • 院長の理念、診療方針 ・第三者評価の状況(国際標準化機構(ISO)や日本医療機能評価機構の評価、プライバシーマークの取得など)
  • 採用後の教育制度 ・スキルおよびキャリアアップ支援体制

など

3 基本となる「文章の型」を押さえよう

しっかりと情報収集ができたら、自分の仕事に対する考えなどと照らし合わせながら文章にまとめていきます。書き方に迷ったら以下の構成を意識してみましょう。

志望動機で伝えたいポイント

①志望した一番の理由
②歯科衛生士の仕事に対する熱意やモットー、具体的な臨床経験
③応募先の特色について共感・感銘した点
④入職後の意気込み、将来の展望

この4つのポイントを押さえた志望動機であれば、採用担当者は応募者の考えや人物像をイメージしやすくなります。自分がどのくらい熱意を持って歯科衛生士の仕事に取り組んでいるのか、自分の強みは応募先の業務でどのように生かせるかを意識して内容に盛り込みましょう。なお、①~④の順番は入れ替えてもOKです。
次項から紹介する例文が、この基本の型を押さえた内容となっているので、ぜひ参考にしてください。

また、ネガティブな内容にふれる場合は、ポジティブな表現に言い換えを。さらに、待遇や給与条件ばかりを志望動機に挙げるのは、「条件が良ければどこでも良いのでは?」と良くない印象を抱かれる可能性が高いので、できるだけ避けるのが望ましいです。

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4 診療科・診療内容別 志望動機の例文

ここからは応募先にフィットした内容にまとめるのに役立つ例文をご紹介。まずは応募施設別の例文です。基本の型のどの部分に該当しているのかわかるように、文章には前項で挙げた「志望動機で伝えたいポイント」の各項目を示す丸数字をつけています。

志望動機で伝えたいポイント

①志望した一番の理由
②歯科衛生士の仕事に対する熱意やモットー、具体的な臨床経験
③応募先の特色について共感・感銘した点
④入職後の意気込み、将来の展望

また、好印象を得られやすいポイントも〈ここがポイント〉として解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

●一般歯科医院の場合

〈志望動機 例文〉

口腔ケアを通じて、患者さまの健康維持に貢献できる歯科衛生士をめざしたく、貴院を志望しました。
前職のクリニックには5年間在籍し、口腔内チェックやクリーニング、歯科診療の補助など歯科診療全般に携わってきました。患者さまの年齢層は幅広く病態もさまざまで、年代に応じたセルフケアの指導など、多く経験を積むことができました。一方で患者数の多さから診療がせわしなくなる場面も少なくありませんでした。
口腔ケアは患者さまと二人三脚で行うものであり、信頼関係を築くことがとても重要と考えます。担当制による口腔ケアを実践する貴院で、患者さま一人ひとりの歯の健康に責任感を持って取り組んでいきたいです。③&④

〈ここがポイント〉

これまで経験してきたことに言及するのに加えて、応募する歯科医院の診療体制の特徴を踏まえて志望理由を述べています。口腔ケアに対する自身の考えを盛り込むのも大事なポイント。一緒に働くイメージを深めてもらえます。

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●病院の歯科の場合

〈志望動機 例文〉

地域包括ケアシステムの一端を担っている貴院で地域全体の患者さまを支えたく、応募いたしました。
これまで総合病院の歯科口腔外科病棟に勤務し、入院患者さまの口腔ケアをはじめ、診療・手術補助など歯科業務全般を担当していました。内科など他診療科との連携もあり、チーム医療に携われることに大きなやりがいを感じてきました。
貴院を志望したのは、院内だけでなく他の医療機関とも協力し合う体制で、歯科衛生士として貢献したいとの思いが大きくなったためです。
患者さまの退院後のスムーズな社会復帰をめざすべく、地域の医療・介護施設と密に連携する貴院で経験を積み、将来的には地域包括ケアシステムにおける歯科診療のマネジメントにも従事したいと考えております。

〈ここがポイント〉

「患者さまの退院後のスムーズな社会復帰をめざす」など、応募のモットーにふれながら、自身がめざす将来像を述べているため、志望理由に具体性が感じられます。入職後に取り組みたいことを挙げると、意欲の強さがより鮮明になります。

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●小児歯科に力を入れている歯科医院の場合

〈志望動機 例文〉

貴院の「お子さまの人生を第一に考え、心に寄り添う歯科診療」という理念に感銘を受け、応募しました。③&①
幼い頃、歯科医院に苦手意識を抱いていた私にとって、自分と同じように「歯医者さんが苦手」と感じる患者さまの心に寄り添える歯科衛生士になることが目標です。8年間勤めた前職の一般歯科クリニックでもこの目標を胸に、さまざまな年代の患者さまの口腔ケアに従事しました。
歯科全般を経験したことを基盤に、小児歯科診療の専門スキルを磨いていくのが今後の目標です。お子さま本人との対話を重視する診療を行う貴院で、かつての自分と同じような歯科に対する恐怖心をお子さまから払拭し、健康的な口腔環境づくりに貢献できる歯科衛生士をめざしたいと考えております。

〈ここがポイント〉

応募する歯科医院のどんな点に共感したのかを示していて、理解度の高さがうかがえます。共感したポイントを踏まえて、自身がどんな歯科衛生士をめざしていきたいかを述べているので、ミスマッチが少ないこともアピールできています。

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●矯正歯科に力を入れている歯科医院の場合

〈志望動機 例文〉

一般歯科医院で8年間、診療補助と口腔ケアに従事しておりました。患者さまから矯正中の日常生活や口腔ケアに関する相談を受けることもあり、専門知識を身につけるべく矯正歯科に関するセミナーなどに自主的に参加するようになりました。
本格的に矯正歯科の専門性を磨き、生かしたいと考えるようになっていた中、「事前カウンセリングに力を入れている」という貴院の理念にふれ、患者さまの矯正に関する悩みに応えたいという私の矯正歯科の原点と重なり、強く共感したことが志望の理由です。③&①
これまで経験を積んできた口腔ケアに加え、事前カウンセリングで患者さまの不安や悩みに応えていき、矯正歯科における口腔管理のエキスパートとなるのが目標です。

〈ここがポイント〉

経験を通じて得られた気づきなど、心の動きや矯正歯科に対する関心の高まりが順序立てて述べられています。また、自らセミナーに参加するなど、関心事に対する行動力の高さが感じられます。

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●歯科口腔外科に力を入れている歯科医院の場合

〈志望動機 例文〉

一般歯科医院に10年間勤務し、親知らずの抜歯やインプラント治療といった歯科口腔外科の診療補助にも従事しておりました。経験を通じて外科処置のカバースキルを高める上で、術前術後のメンテナンスが非常に重要であることや、患者さまの治療に対する理解度がメンテナンスのモチベーションを左右することを実感しました。外科処置を受けた患者さまの早期回復において、歯科衛生士が担う役割は非常に大きいと感じております。
インプラント手術はもとよりインプラント周囲炎の予防にも力を注ぐ貴院で、これまでの経験を生かしながらカウンセリングや口腔ケアのスキルを磨いて貴院の診療に貢献したいと考え、応募いたしました。①&③&④

〈ここがポイント〉

歯科口腔外科における歯科衛生士の役割について、自身の体験を交えた考えが述べられています。応募する歯科医院が注力する診療内容など、事前のリサーチで得た情報が盛り込まれているのもポイントです。

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●インプラント治療に力を入れている歯科医院の場合

〈志望動機 例文〉

前職での経験から、最近のインプラント治療の需要の高まりを感じ、インプラント治療を積極的に行っていらっしゃる貴院で、患者さまのサポートをしたいと思い志望しました。①&②
私は患者さまの疑問や不安に応えられる歯科衛生士をめざしています。これまでも患者さまの相談会やカウンセリングに同席して院長をサポートしてきました。貴院はインプラント治療についての無料カウンセリングや独自のガイドブックを作製するなど、「患者さまに寄り添う」ことを大切にされており、私にとって理想の職場だと感じました。
前職で培った「丁寧な説明とケア」の心を忘れず、技術と接遇両面から患者さまが安心してインプラント治療が受けられるようサポートしたいと考えております。

〈ここがポイント〉

応募先のインプラント治療の取り組みについて丁寧に下調べがされています。また、新しい職場で自身が丁寧なケアとインプラント治療にどのように関わっていきたいのかという今後のビジョンをしっかりとアピールすることで、採用担当者にもやる気を伝えられ、好印象につながるでしょう。

●予防歯科に力を入れている歯科医院の場合

〈志望動機 例文〉

貴院が掲げる「病気を治すではなく、病気を防ぐ歯科診療」という理念に共感し、応募しました。①&③
一般歯科医院で歯科衛生士として7年間勤務し、さまざまな症例の診療に携わってきました。診療を通じて幅広い年代の患者さまとコミュニケーションを取り、信頼関係を築く難しさ、奥深さを経験できたことは、歯科衛生士である私にとって大きな財産です。
将来的には、予防歯科の大切さをより多くの人に知ってもらうため、目の前のケアだけでなく、例えば「親子向けのブラッシング指導講座」を企画するなど、私自身も啓発にも力を入れていくことで「病気を防ぐ歯科診療」の実現に貢献したいと考えております。

〈ここがポイント〉

応募先の理念や力を入れる診療と、自身の強みや将来の展望を上手に絡めて述べています。診療だけでなく、講座を企画するなど「予防歯科を啓発するために何ができるか」を具体的に考えている点も、意欲の高さを示すのに効果的な印象です。

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●審美歯科に力を入れている歯科医院の場合

〈志望動機 例文〉

口元の印象は、その人の印象を大きく左右すると考えます。歯科衛生士として、患者さまの気持ちを前向きにする審美歯科の診療経験を積みたく、貴院を志望しました。
口腔内クリーニングや口周辺のマッサージなど、貴院では虫歯や歯周病の予防、嚥下機能の維持にもつながる取り組みも重視されているとお見受けします。貴院のコンセプトである「機能的にも、審美的にも『きれいな口元』をめざす」を体現する診療スタイルに感動しました。
ホワイトニングやデンタルエステの知識を身につけるだけでなく、前職の一般歯科医院で培ったコミュニケーションスキルを生かし、患者さまのニーズを引き出せる歯科衛生士をめざしたいと考えております。②&④

〈ここがポイント〉

応募する歯科医院の特徴を捉えつつ、自身が感じたことや強みが端的にまとまっています。この歯科医院が掲げるコンセプト、審美歯科の特性についてもしっかり理解している印象があるので、ミスマッチも起こりにくそうです。

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●訪問歯科診療に力を入れている歯科医院の場合

〈志望動機 例文〉

総合病院の歯科で歯科衛生士として5年間勤務しています。結婚を機に仕事のスタイルを見直し、以前から興味のあった訪問歯科診療の道に進みたいと思い、患者さまの生活に寄り添った診療をされている貴院に応募しました。①&③
これまで、入院患者さまの口腔ケアを中心に経験を重ねてきました。患者さまの中にはご自身で歯磨きができず、合併症により口腔トラブルを繰り返すケースも多く、また退院後の介助にお困りのご家族の姿も目にしてきました。病院勤務での経験を生かし、訪問歯科診療を通じて患者さまやご家族を支えていきたいです。
現在は介護職員初任者研修の資格習得をめざして勉強中で、介護の知識を業務に役立てたいと考えております。

〈ここがポイント〉

これまでの経験や培ったノウハウを、訪問歯科診療でどのように生かしていきたいかがまとまっています。資格取得に対する前向きな姿勢を示すことで、スキルアップに対する意欲の高さもアピールできるでしょう。

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5 ケース別 志望動機の例文

続いて、「転職回数が多い」「ブランクがある」といったケース別の志望動機の例文を紹介します。自身のケースと照らし合わせ、応募先にフィットしたポジティブな内容にまとめる際の参考にしてみてください。

●転職回数が多い場合

〈志望動機 例文〉

これまで6つの歯科医院に勤務し、歯科診療全般の経験を積んできました。さまざまな歯科医院を経験したことで多くの知識や技術を習得できたのに加え、歯科衛生士として求められる姿勢、診療方針の在り方、スタッフのチーム形成の考え方は一様ではないと学びました。
これまでの経験を基盤に、多様な診療に対応できる歯科衛生士をめざす上で、一般歯科をはじめ幅広い診療に対応されている貴院はたいへん魅力的な職場だと感じ、志望しました。①&③
矯正治療、補綴治療、歯内療法をはじめとした専門性の高い治療の知識など、培ってきたノウハウをもとに歯科医師と歯科衛生士、歯科助手の橋渡し役を担い、診療の質の向上に貢献したいと考えております。

〈ここがポイント〉

ただ転職歴が多いだけだと「辞め癖があるのでは?」と思われる可能性がありますが、上記のように「複数の歯科医院を勤務してきたからこそ学べたこと」などを挙げることで、転職回数の多さを強みに変換することもできます。
また、経験から得た気づきと応募先の特徴を絡めることで、志望動機の魅力アップにもつなげられます。

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●前職の在職期間が短い場合

〈志望動機 例文〉

総合病院の歯科に1年間勤務し、歯科病棟の入院患者さまはもちろん、内科など他の診療科の入院患者さまの口腔ケアに従事しました。合併症の知識も数多く得られ、歯科衛生士として日々成長できる喜びとともに、口腔状態と、糖尿病や循環器疾患などの関係性の強さを目の当たりにしたことで、合併症への関心が高まりました。
地域の内科クリニックとも連携し、糖尿病患者さまの口腔ケアに力を注がれる貴院の取り組みに惹かれまして、私も歯科衛生士の立場で患者さまの持病の悪化予防や合併症の予防に尽力したいと思い、応募しました。①&③
採用がかないましたら、口腔ケアの大切さを啓発する取り組みにも積極的に携わっていきたいと考えております。

〈ここがポイント〉

たとえ在職期間が短かったとしても、そこで得た経験や気づきがあるはずです。それらを分析し「めざす歯科衛生士像」としてまとめましょう。そうすることで「経験から得た気づきにしっかりと向き合い、行動に移せる人物」といった印象を与えやすくなります。応募先の診療の特徴にも絡めれば、さらに魅力的な志望動機になります。

●新卒の場合

〈志望動機 例文〉

私は子どもの頃、歯科医院が怖くて苦手でしたが、優しくサポートしてくれた歯科衛生士さんのおかげで離脱することなく通院できた経験があります。そのため、貴院が掲げる「怖さや痛みを極力減らし、患者さまが安心して受けられる治療を提供する」という診療理念に深く共感しました。①&②
私は、学生時代に子ども向けの読み聞かせボランティアを行っており、お子さまとのコミュニケーションに自信があります。貴院で注力されている地域での歯磨き講習会などお子さまの予防歯科で自身の経験を生かしたいです。そしてお子さまの気持ちに寄り添うことができる歯科衛生士となるよう研鑽に努め、スタッフの一員として貢献したいと考えています。②&➂&④

〈ここがポイント〉

新卒の場合は業務経験がないので、前職での経験を元に志望理由を作成することはできません。だからこそ志望先のホームページなどを読み込み、特徴をわかった上で、どこに魅力を感じ、どのように貢献できるのかを伝えましょう。また、学生時代の経験で生かせるものがあれば志望動機に取り入れると良いでしょう。

●パートの場合

〈志望動機 例文〉

一般歯科で歯科衛生士として7年経験を積みました。子どもが高学年になったのを機に復職を考えていたところ、多様な働き方を推奨されている貴院の「患者・スタッフともに笑顔あふれる歯科医院」という理念に共感し、志望しました。スタッフが笑顔でいることが、患者さんの安心感や信頼感、ひいては満足度を高めることに繋がると考えています。
前職では特にメンテナンス業務に注力しており、症状を訴えて来院した患者さまが予防を目的に定期通院してくださるようになったことがうれしく自身の励みになっていました。その中で、ホワイトニング需要の高まりを感じ、ホワイトニングコーディネーターの資格を取得しました。貴院で注力されているホワイトニング業務にも貢献できればと考えています。今後も患者さまのニーズに応えられるよう尽力してまいります。②&➂&④

〈ここがポイント〉

しばらく休職していた場合は、ブランクの理由を述べ、現在は復帰できる環境が整っていることを伝えるようにしましょう。志望理由に働きやすさだけを挙げると、仕事への意欲が少ないと思われてしまうので、採用された場合に、取り組みたい業務についても具体的な事例を示すと良いです。

●ブランクがある場合

〈志望動機 例文〉

一般歯科医院で7年間勤務していました。出産を機に現場を離れておりますが、育児をきっかけに子どもの予防歯科に関わりたいという思いを強くしました。
長子が小学校に入学したのを機に、長く働ける環境で再スタートしたいと考え、小児歯科に力を入れられている貴院に応募しました。
先日の貴院での見学にて、子育てや介護などから復帰、活躍されている歯科衛生士の先輩方のお話を聞き、たいへん励みになりました。私も皆さまのように、仕事と家庭を両立しながら貴院に貢献したい思いです。
自身の子育て経験を生かし、歯科を怖がるお子さまの心理的ケアだけでなく、仕上げ磨きや食育などに悩む親御さまのサポートにも取り組んでいきたいと考えております。

〈ここがポイント〉

育児や介護でいったん現場を離れ、一段落したタイミングで復帰する人は少なくありません。ブランクがある場合、復帰を決意した理由や「今後も長く働きたい」という意欲が採用担当者にはチェックされやすいので、しっかりと盛り込むと良いでしょう。
また、ブランク期間の経験を業務へ生かしたいという前向きな姿勢を伝えることも大切。例文のように、具体的な取り組みにまで踏み込めれば、強い意気込みとして受け止めてもらいやすいです。

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●スキルアップ・キャリアアップをめざす応募の場合

〈志望動機 例文〉

摂食・嚥下リハビリテーションの専門性を伸ばしたいと考え、貴院に応募しました。
専門学校卒業後、外来診療・訪問歯科診療を行う一般歯科医院に10年間勤務しました。年齢も症例もさまざまな患者さまの診療に携わる中で、特に印象に残っているのが高齢の患者さまの診療です。加齢や病気によって口腔機能や摂食嚥下機能が低下した高齢の患者さまのケアを通じて、「食べる・喋る」ことが幸福に直結するのだと強く実感しました。
幅広い経験を積めたと自信を持って言える今なら、めざす将来像に向けて全力で突き進むことができると考えます。摂食嚥下障害の診療に力を注ぐ貴院で、患者さまの生涯にわたる「幸せ」に貢献できる歯科衛生士をめざしたいと考えております。③&④

〈ここがポイント〉

なぜキャリアアップしたいと考えたのか、自身の体験談をもとに語られているので、「この人だから語れる志望理由」と印象づける魅力があります。熱意を伝えようとする意思が強く感じられる文章構成で、読み手を引き込んでいく力強さが感じられます。

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●未経験分野への応募の場合

〈志望動機 例文〉

前職の一般歯科医院では、子ども好きを見込まれ、主にお子さまの口腔ケアを担当してきました。大きなやりがいを感じる一方、子どもたちの歯並びについて相談されることも少なくなく、より専門的なアドバイスをできるようになりたいという思いが大きくなりました。これが小児矯正歯科分野に挑戦する決意を固めたきっかけです。
その中でも貴院に応募をした理由は、「子ども達の歯並びの悩みを減らし、満面の笑顔を増やしたい」というホームページでの院長のお言葉に強い共感を抱いたためです。①&③
小児矯正歯科は未経験ではあるものの、自主的に勉強も進めております。前職での子どもたちへの口腔ケア経験も生かし、多くのお子さまを矯正で笑顔にしていけるよう精進してまいります。

〈ここがポイント〉

応募に至った背景を順序立てて示すことで、「未経験であっても意欲が高く成長が期待できる」という印象を与える内容になっています。また、ただ「未経験」で終わらせずに、自分なりにその分野の知識を深める取り組みをしていることを伝えられると、採用担当者からの印象も良いものになりやすいでしょう。

6 志望動機のNG回答例とNGポイント

●自分の利益ばかりを求めている内容

〈NG例〉

貴院に応募したのは、残業がなく定時退社を推奨されているからです。前職では残業が多くプライベートな時間を削られてしまい、肉体的にもつらく転職を考えました。
また、休日も少なかったため心身に無理がなく長く続けられる職場を希望しており、貴院でなら仕事とプライベートの両方の充実を実現できると考えました。

「給与が高い」「休日が多い」「残業が少ない」といった条件は、新しい職場を決める上での重要な要素の一つです。しかし、志望動機に自己の利益ばかりを書いてしまうと、「この人は条件だけを見て当院を志望しているのでは」、「もっと良い条件があれば違う職場に移ってしまうのでは」と思われてしまう可能性も。

例えば、「ホワイトニングコーディネーターといった専門的な資格取得のための勉強時間を確保したいので、できるだけ定時に退社できる職場を希望している」というように、自分の利益(残業が少ないこと)が志望先の歯科医院にどのように還元ができるのかを、志望動機に織り交ぜるようにすると良いでしょう。

●前職の批判や悪口に偏った内容

〈NG例〉

前職の歯科医院は指導が厳しかったため、精神的に疲れることが多かったです。スタッフは年上の人ばかりで、身近に相談できる人がいなく孤独を感じていました。
私は「仕事もプライベートも楽しく」を実践したいと考えています。貴院は、同年代のスタッフが多いので、話しやすくコミュニケーションも取りやすいと思います。スタッフの皆さんと仲良く楽しく仕事をしたいと考え応募しました。

転職を考えているということは、前職とは合わず、退職時に多少の不平や不満はあるかもしれません。しかし、志望動機に前職に対するネガティブな内容を書いてしまうと、「この人は新しい職場でも不満をみつけて辞めてしまうのでは」と考えられ、採用担当者に不快感や不安定な印象を与えかねません。
ネガティブな内容はできるだけポジティブに言い換えるようにし、志望先に「この人は前向きに転職しようとしている」と良い印象を持ってもらえるように心がけましょう。

●どこの歯科医院でも通用する内容

〈NG例〉

前職ではメンテナンス業務に従事していました。メンテナンス後の患者さんに「歯がきれいになって気持ちがいい」と言ってもらえるのがうれしく、歯科衛生士としてやりがいを感じていました。
貴院でも、患者さんが笑顔になれるように、丁寧なメンテナンスを行っていきたいと思います。

「メンテナンスを通じて患者さんの歯を守りたい」といった志望理由は、歯科衛生士を志す理由ではありますが「この歯科医院」を志望する動機としては弱く、どこの歯科医院でも使えてしまいます。
志望先ならではの理由を見つけるためには、歯科医院の特徴や院長の診療方針などを研究することが大切です。その中で、自身が共感したことや興味を持ったことを書き添えるようにし、志望先への熱意が伝わる内容にすると良いでしょう。


◇    ◇    ◇

今回紹介した例文を参考に、これまで経験してきたことや仕事を通じて磨き上げた強み、応募先に感じた魅力、思い描く「理想の働き方」についてまとめましょう。
また、書いた後には、必ず誤字脱字がないかチェックを忘れずに。自分で音読してみたり、家族や友人に読んでもらったりすると万全ですね。

志望動機は自分と応募先がどれだけマッチしているのかを、採用担当者へのアピールはもちろん、自分自身でも理解する機会となります。自分らしく働ける職場に転職するために、志望動機にしっかり向き合ってみてください。

当サイト「ドクターズ・ファイル ジョブズ」では、ドクターが自院の理念や患者・治療への思いなどを語ってくれたり、先輩スタッフが職場や自身の働き方を紹介してくれたりするインタビュー記事つきの求人も豊富です。職場の特色をつかみやすいのでぜひチェックしてみましょう。

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こちらの記事の執筆者
伊藤 成美

ライター

愛知県生まれ。医療メディアのライターとして、医師・歯科医師などの医療従事者や行政首長などのインタビューを経験する。2020年独立。医療、人材、まちづくり、ローカルニュース、伝統文化など多岐にわたる分野のメディアで記事を手がける。ライターとして活躍する一方、生涯学習の講座企画・運営にも携わる。

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