新田 洋司 院長、新田 幸大 副院長の独自取材記事
にった歯科医院
(北九州市門司区/門司駅)
最終更新日:2025/06/16

1990年、北九州市門司区にて開業した「にった歯科医院」。長年、院長の新田洋司(ひろし)先生が1人で診療していたが、2024年9月より息子である新田幸大(ゆきひろ)先生が副院長として加わり、2人体制となった。同院は一般歯科から噛み合わせ、歯周病、矯正といった専門的な治療のほか、20年以上続けているという訪問診療まで、幅広く対応している。精密機器を活用し、患者自身が口腔内の状態を理解できるよう、わかりやすい説明に努める。「患者さんご自身がお口の健康に興味を持ち、主体的にケアに取り組めるようサポートしたいです」と語る2人に、進化したクリニックの現在や、包括的なアプローチ法について尋ねた。
(取材日2025年5月12日)
親子3代にわたって通ってもらえる歯科医院をめざす
まずは洋司先生のご経歴や、クリニックの歴史について教えてください。

【洋司院長】九州歯科大学を卒業後、山口県の徳山に拠点がある法人に3年間勤務し、さまざまな地域で経験を積むとともに、広島県の分院で1年間院長を務めました。どのような地域に行っても、患者さんに対応できるコミュニケーション能力や、誰が見ても治療内容や経緯がわかるカルテの書き方などを学びました。すべて現在の診療に生かされています。私が生まれ育った門司区で開業したのが1990年6月1日です。ありがたいことに、多くの患者さんが長年通ってくださっています。
幸大先生はいかがでしょうか?
【幸大副院長】私は大学を卒業後、神奈川県にて勤務医として研鑽を積んできました。7年間にわたり、施設が充実した比較的大規模な法人に在籍していました。噛み合わせや歯周病などの専門的なことはもちろん、患者さんのお口の健康を守るための、歯科医師の土台となる考え方を深く学びました。それは表面的な治療だけでなく、病気やトラブルの根本的な原因を考え、それに対してアプローチする診療スタイルです。虫歯や詰め物が取れた原因を掘り下げ、根本的な視点を重視した診療を行うことで、患者さんにより良い治療の提案ができます。長期的に見て、治療を繰り返すことがなくなれば、と思っています。今までの経験を生かして、門司区の皆さんの歯の健康を守っていきたいです。
現在はどのような患者さんがいらっしゃいますか?

【洋司院長】地域柄、高齢の方が多いですが、小さなお子さんから働く世代の患者さんまで、幅広い年齢層の方が来ます。昔から通院していた方が親となり、ご自身のお子さんを連れて来院するケースもありますよ。そうやって何世代にもわたって来てくださるのはうれしいですね。ちなみに、メンテナンスを目的とされる患者さんが多いです。とはいえ患者さんの状況もさまざまで、治療の期間や費用に対して不安を感じる方や、痛みが強く出た際だけ来院されるという方もいらっしゃいます。年齢や状況に配慮した対応を心がけています。
目先の治療だけにとらわれず、包括的なアプローチを
2人体制になって、クリニックの治療方針はどのように変化しましたか?

【洋司院長】2人体制になったことで、患者さんの増加に対応できるだけでなく、以前は1人だけでは難しかった複雑な治療もしやすくなり、診療時間や設備の有効活用が進んでいると感じています。特にCTや口腔内スキャナーなどを積極的に活用し、より精密な診断や、患者さんへの視覚的な説明に役立てています。私が長年したかったけれどできていなかったことに対して、幸大副院長が背中を押してくれました。彼の新しい視点や技術を取り入れ、クリニック全体として診療の質が高まりました。
【幸大副院長】やはり、原因への深いアプローチを重視するという点で、レベルアップしたと感じます。歯の詰め物が取れたり虫歯になったりといった問題が発生した際に、単なる穴埋めではなく、噛み合わせや食事の習慣といったところにも目を向ける根本治療をめざしています。
幸大先生が講師となって、勉強会をされていると伺いました。
【洋司院長】そうなんです。勉強会に関しても、幸大副院長のアドバイスがきっかけとなり、実現しました。現在は月に1回のペースで開催しています。幸大副院長がこれまで学んできたことや考え方をスタッフ間で共有し、診療に取り入れています。患者さんへのフォロー体制を強化するためにも、スタッフ全員が知識と情報をアップデートすることが重要です。
【幸大副院長】私が資料作成や講師を担当していますが、全員で情報交換する場でもあります。直近では、高齢者の方向けの口腔機能低下症に関する勉強会を行いました。毎月新しいテーマを取り上げ、それに対して知識を深めたり議論したりと、皆が積極的に参加してくれています。今後も、患者さんへの説明やケアがより充実していけるようにスタッフ全員で研鑽を積んでいきたいと考えています。
長くお付き合いのある患者さんとは、どのように関係を築いてこられましたか?

【洋司院長】開業当初から、地域住民のデンタルIQを高めたいと考えていました。そのため、言葉だけでなくエックス線写真や口腔内写真など目で見てわかる資料を活用し、患者さんがご自身の口の中の状態を理解し、納得できるよう説明することを徹底していたんですね。診療の際は、患者さんが置かれた状況にも配慮するようにしています。単に治療法を提示するだけでなく、個々の事情や抱えているストレスなど、表面的な訴えの裏にある思いにも耳を傾けます。長くお付き合いして、冗談を言い合えるような仲になることもあります。
【幸大副院長】長い間、地域住民に信頼されながら診療を続けてきた洋司院長は、本当にすごいと思っています。洋司院長が築いてくれたクリニックの歴史を守りつつ、私も患者さんに信頼していただけるように、これからも誠実な対応を心がけていきたいです。
患者のデンタルIQが高まるようサポートする
訪問診療もされているそうですね。

【洋司院長】もう20年以上になるでしょうか。訪問診療は、患者さんが安心して食べられるようになること、そしてご本人だけでなく介助者、つまりご家族や施設のスタッフさんの負担を減らすことを重要な目的として考え、実施しています。訪問診療は外来診療とは違い、治療だけでなく患者さんやその介助者への指導・管理・サポートが重要です。中には認知症が進んでいてご自身で口腔内の管理ができない方や、虫歯があっても全身の健康状態によっては抜歯できないケースもあります。教科書的な知識だけでなく、現場に応じた柔軟な考え方が求められるのが訪問診療です。地域柄、今後も訪問診療の需要が増えると考えられるため、最近は幸大副院長も同行して、経験を積んでもらっています。
今後めざす歯科医院像についてお聞かせください。
【洋司院長】地域の方々が歯科医院を「歯が痛くなったら行く所」ではなく、「自分の口の健康を守るために活用する所」というふうに認識してくれると良いなと思っています。そのためにも、わかりやすい説明はもちろん、お口に興味を持ってもらえるようなコミュニケーションを続けていきたいです。お口の健康への関心が高まることは、全身の健康にもつながります。患者さんの生活習慣や全身の状態にも配慮した診療を通じて、長期的な健康維持に貢献したいですね。
【幸大副院長】今後導入を考えているホワイトニングは、患者さんのモチベーション向上につながると考えています。単に歯を白くするためだけでなく、歯磨きへの積極性や口腔衛生への健康意識を高めるきっかけになるからです。そうすることで予防の重要性が広く伝わると考えていますので、健康を維持するための知識と支援を提供できるクリニックをめざしています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【洋司院長】今後も幸大副院長を含めスタッフ全員で、患者さんのお口の健康に寄与できるよう努めます。当院では親子歯科健診にも対応していますので、積極的にご活用ください。患者さんがお口の中の状況を把握し、興味を持てるように、さまざまなツールを使ってご説明します。ご自身が健康であることを確認するために歯科医院を利用してくださいね。
【幸大副院長】患者さん一人ひとりの生活スタイル・状況に合わせたアプローチや提案に努めますので、何かあれば気軽にご相談ください。お口のトラブルの原因は一つではないことが多いため、さまざまな側面から考えます。そして患者さんにとって最も取り組みやすい解決策をご提案したいです。長期的な健康をめざすために、一緒に取り組んでいきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正(部分矯正)/16万5000円~、矯正(ワイヤー矯正)/77万円~、矯正(マウスピース型装置を用いた矯正)/99万円~、インプラント治療(診断料・上部構造込み)/40万2600円~