安心して歯科治療を受けてほしい
「静脈内鎮静法」という選択肢
歯科河原英雄医院
(福岡市中央区/天神南駅)
最終更新日:2024/03/15


- 自由診療
歯科治療が怖い。長時間口を開けているのがつらい。仕事が忙しく何度も通院できない。そんな歯科治療に対するマイナスイメージを払拭する手段の一つとして、静脈内鎮静法を用いた治療に取り組んでいる「歯科河原英雄医院」。同院ではインプラント埋入などの外科手術や通常数回かかる治療を一気に行う短期集中歯科治療など、自由診療の歯科治療において静脈内鎮静法を併用する選択肢を用意。高血圧症や糖尿病など基礎疾患のある患者などにも行え、ニーズは高まる一方だそう。同院で麻酔を担当しているのが、日本歯科麻酔学会歯科麻酔専門医の岩本繁先生。大学病院などに所属する歯科麻酔専門医が多い中、クリニックでの臨床に携わる稀有な存在だ。「めざすのは安心安全で快適な歯科治療です」と話す岩本先生に、静脈内鎮静法について詳しく聞いた。
(取材日2024年2月29日)
目次
歯科麻酔の研鑽を積んだ専門家による、ほぼ眠った状態で治療が受けられるようにするための「静脈内鎮静法」
- Q治療での痛みを軽減する手法にはどのようなものがありますか?
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A
▲事前にしっかりと問診を行い、静脈内鎮静法が適用できるか判断
一般的によく知られているのが、注射による歯茎の局所麻酔です。通常は意識がある状態で行います。他にも、点滴から薬を入れてほぼ寝ているような状態をめざす静脈内鎮静法や呼吸も止まるほど深く意識を失わせるために用いる全身麻酔法を用いて歯科治療を行う方法があります。これら2つの方法は主に大学病院などで行われており、クリニックで対応しているところは非常にまれです。鎮静法や全身麻酔などの歯科麻酔を専門とする歯科医師がそもそも少なく、血圧計や心電図などの設備も必要です。当院はこれらの条件をクリアし、患者さんにできるだけ快適で安心して受けられる治療を提供したいと、静脈内鎮静法を用いた歯科治療に取り組んでいます。
- Q静脈内鎮静法について詳しく教えてください。
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A
▲麻酔下治療に欠かせない、血圧計や心電図などの設備もそろう
胃カメラなど内視鏡検査の際、苦痛を軽減するために麻酔を使うことがあります。その時と同じようなイメージです。血圧や心電図など循環や呼吸など全身の状態を確認しながら行います。手や腕から点滴を行い、静脈にお薬を投与します。患者さんは完全に意識がなくなるわけではなく、呼びかけに反応するか、しないかくらいの状態で治療を行います。意識がある中で骨をゴリゴリ振動を感じるインプラント治療、長時間お口を開けたままになる短期集中歯科治療などでこれまで我慢するしかなかったことを、夢を見ている間に終わってしまうことをめざすというわけです。全身麻酔と違い、意識がなくなったり人工呼吸が必要だったりすることはありません。
- Q静脈内鎮静法のメリットとデメリットは何ですか?
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A
▲静脈鎮静を行えば複数の歯を同時に治療していくことが可能
一番のメリットはやはり、患者さんにとって楽で苦痛が少ないということ。「安全で快適な歯科治療を行うために必要なもの」といえますね。緊張で血圧が急激に上がってしまう方も、静脈内鎮静法によってリラックスして血圧上昇を抑えることが見込めれば、患者さんはもちろん術者である歯科医師の安心にもつながります。また治療後は、飲み薬ではなく点滴から抗生物質や痛み止めを入れることができ、術後感染症の予防や痛みの軽減を図る上でもメリットがあります。一方デメリットは、治療前に絶飲食の必要があること、治療後は麻酔から覚めるまで1時間ほどクリニックで待たないといけないこと、当日は車の運転ができないということです。
- Q実際どのように行われるのですか?
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A
▲患者のニーズが高く、数ヵ月先まで予約で埋まってしまうことも
まず全身の状態の確認を行います。健康診断の結果やお薬手帳を拝見し、問診を行います。問診次第で、かかりつけ医の先生と連携を取らせていただくこともあります。そして実際に血圧計や心電図などをつけ、手や腕から点滴を採りお薬を投与します。治療は、治療に専念される先生と全身の状態を管理する歯科麻酔専門医の私の2人体制で行います。私は患者さんの循環と呼吸の管理に集中。胸の動きなどを見たり聞いたりして、眠りの深さのコントロールを図ります。口腔は空気の通り道です。歯科治療では水を使うため非常に気を使います。治療の状態も確認し、患者さんが水や唾液でむせたり、眠りが浅く苦痛を感じたりしないようにコントロールします。
- Q静脈内鎮静法を受けるにあたっての注意事項をお聞かせください。
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A
▲クリニックでの臨床に携わる歯科麻酔専門医は希少な存在
妊娠中の方は受けられません。お薬や食べものにアレルギーがある方も注意が必要です。これまでの病歴や今の状態、飲まれているお薬などを確認し把握させていただき、患者さんも私たちも安心安全な状態で歯科治療を行っていきます。先ほどもお話ししましたが、静脈内鎮静法は専門的な呼吸の管理が必要で、万が一呼吸が弱くなった時の準備や対応など、しっかりとトレーニングを積んだ歯科医師が行うことが安全に行うために重要です。クリニックを選ぶ際は、全身管理を含めた専門知識や技術を有した歯科麻酔医が行っているか、設備が整っているかを確認してください。
自由診療費用の目安
自由診療とは静脈内鎮静法/11万円、インプラント治療/25万円~、集中治療/11万円~