江崎 大輔 院長、江崎 加奈子 先生の独自取材記事
大濠えさき歯科クリニック
(福岡市中央区/唐人町駅)
最終更新日:2021/10/12

唐人町駅から徒歩2分。明治通り沿いの黒門橋交差点の近くにある、ビル1階の「大濠えさき歯科クリニック」は、90年以上の歴史のある佐藤歯科医院を継承し、院長の江崎大輔先生が2020年5月に開院したばかり。欠損補綴の専門家である江崎先生に加え、日本歯科麻酔学会歯科麻酔専門医である妻の江崎加奈子先生が有病者のリスク管理などでアシスト。先代の佐藤俊生先生も週3回診療を続けるなど、3人の歯科医師によって地域の歯科医療を支え続けている。めざすのは「100歳までしっかり食べて、しっかりとコミュニケーションができる歯科医療」。今回のインタビューでは江崎先生と加奈子先生に、これまでのキャリアやクリニックの特徴など幅広く話を聞いた。
(取材日2020年9月17日)
麻酔科の歯科医師と連携して歯科治療を行う
お二人のこれまでのご経歴をお聞かせいただけますか?

【江崎院長】クリニックを開業するまではずっと大学病院に勤務。歯の欠損を補う、かぶせ物や入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの見た目と機能の改善を行う治療と研究、教育に取り組んできました。例えば歯を支える骨がなかったり、歯の残り方によって処置が難しかったりする難症例を担当することが多く、口腔外科や歯科麻酔科などと連携しながら治療にあたってきました。
【加奈子先生】私もずっと大学病院の歯科麻酔科という専門的な分野に勤めていました。怖くて治療がなかなか受けられない方、あるいは重症心身障害者の患者さん、または口腔がんや再建など手術で強いストレスが伴う場合に、全身麻酔や鎮静などを担当していました。
クリニックにおいて歯科麻酔を専門とする歯科医師がいることのメリットはありますか?

【江崎院長】高血圧や糖尿病、心臓疾患など全身疾患をお持ちの患者さんや、インプラント手術の際には、妻と情報共有をしながら対応しています。先代のクリニック時代から40年以上通っている患者さんも多く年齢層も高くなっています。全身管理の知識と経験がある歯科麻酔科医との連携は欠かせません。
【加奈子先生】歯科の治療に対する恐怖心は皆さまがお持ちです。適切な麻酔法や鎮静法を用いることで、体や心の負担を減らし、安心して治療を受けていただけます。今後、大きく高齢化が進む中で、持病のリスクに備える、安全で安心な歯科治療を行うことが重要だと考えています。
歯科治療は建築。基礎工事をしっかりと
インプラントなど欠損補綴の専門家として気をつけていることはありますか?
【江崎院長】歯の治療は家を建てることに似ています。どれだけ費用をかけて豪邸を建てたとしても、土台がしっかりしていなければ傾いてしまう。だからこそ基礎工事が重要。歯科でいう基礎工事とは歯周病や虫歯・根管治療、矯正で歯並びを整えること。きれいな見た目かつ、長くものを咬めるようにすることために、時間がかかったとしても基礎工事を入念にやることが重要だと考えています。セルフケアがきちんとできて口腔内環境が改善してからでなければ、治療しても悪くなってしまうのは明白です。まずは口腔環境を整えることに力を入れています。
そのためにも患者さんとのコミュニケーションを大切にされているそうですね。
【江崎院長】基礎工事を大切にするといっても、それが歯科医師の押しつけになってはいけないと考えています。正確に情報提供をした上で、判断するのは患者さん自身。インプラントなどの治療を優先して歯周病の治療はしたくないと言われる患者さんもいらっしゃいますが、口腔環境の状態を説明し、今後のリスクなども説明しながら、経済的、時間的な背景も踏まえ、どういう治療をしていくか擦り合わせていくことを大切にしています。十分な説明とコミュニケーションに努めています。
【加奈子先生】患者さんにしっかりとお口の状況を説明することで信頼関係を築き、私たちとの出会いによって、患者さん自身が長期的な治療計画を考えるきっかけになればと考えています。
初診のカウンセリングにも力を入れていらっしゃるのでしょうか?

【江崎院長】痛みなどを伴っている場合には応急処置を優先しますが、基本的には「なぜいまの状況になってしまったのか」「今後、どのようになっていく可能性があるのか」を理解していただけるよう時間をかけて説明しています。必要に応じて検査を行い、全体的な診断をし、治療のゴールを設定していきます。また診療前と診療後にも、実施した治療や今後の治療について説明するようにしています。
100歳まで楽しく食事とコミュニケーションを
メンテナンスで通院している患者さんも多いそうですが、セルフケアのポイントを教えてください。

【江崎院長】まずはご自分のお口の中の状態をモニターで一緒に確認し、染め出しをして汚れのつき方についても把握してもらいます。ご自身が使っている歯ブラシを持参していただき、実際にどう磨いているかをチェック。その上で歯ブラシの使い方、磨き方を指導します。セルフケアは毎日のことで難しい面もあるため、どれくらいきれいな状態を維持できるかどうかを判断し、メンテナンスのタイミングを決めていきます。一人ひとり虫歯や歯周病のリスクは違いますので、セルフケアの定着をめざして丁寧にアドバイスさせていただいています。
感染症対策にも注力されていると伺いました。
【加奈子先生】滅菌機器もクラスBの高性能のものを導入しているほか、チェアサイドには口腔外バキュームを設置して感染物の飛散を防止。日々医科の先生やスタッフとコミュニケーションをとっているので、そこで得た知識や課題についても反映できるものは積極的に取り入れています。もちろんコストはかかりますが、安心して処置・治療を受けていただくための環境づくりにはこだわりたいと思っています。
開業から約4ヵ月がたちましたが、今後の抱負をお聞かせください。

【江崎院長】歯を失って「食事が取りにくい」「しゃべりにくい」「見た目が悪い」など、食事やコミュニケーションでお困りの方を、きちんと咬めるように、コミュニケーションができるようにお手伝いする、それが私の一番力を入れているところです。お困りの方はぜひご相談ください。目標は人生100年時代において、100歳まで楽しく食事ができて、楽しくコミュニ ケーションができるように、根拠に基づいた歯科医療を提供すること。もちろん、いま支障がない方であっても、治療が必要になる前の予防の段階で来ていただきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/40万円~