石橋 賢一 院長の独自取材記事
いしばし歯科 小児・矯正歯科クリニック
(福岡市城南区/福大前駅)
最終更新日:2021/10/12

福岡市営地下鉄七隈線の福大前駅から車で約6分、城南区樋井川にある「いしばし歯科 小児・矯正歯科クリニック」。開業して40年以上、一貫して地域に根差した歯科医療を提供してきた。2019年に院長へと就任した2代目の石橋賢一先生は、大学病院の補綴科で義歯やかぶせ物の作製などの研鑽を積んだ後に同院を継いだ。患者と一生付き合うつもりで診療するのがモットーだ。現在は歯科医師3人体制で診療にあたり、一般歯科から口腔外科、インプラント治療、小児歯科、矯正など幅広い分野をカバーする。一見クールな印象だが、歯科医師という仕事のやりがいについて質問すると、とてもうれしそうな表情で話してくれた石橋院長。治療方針や今後の展望などについてたっぷりと聞いた。
(取材日2021年2月18日)
3人の得意分野を生かして、患者のニーズに幅広く対応
まずはクリニックの特徴について教えてください。

父と母が40年にわたって営んできたクリニックを、代替わりするかたちで、私が引き継ぎました。現在は、歯科医師3人体制で診療しています。主に父が口腔外科やインプラント治療、昔から通院されている患者さんの診療を担当しています。母は小児歯科と矯正歯科を、そして私が歯科全般や義歯、審美歯科などを担当しています。それぞれに得意分野を持っているので、さまざまな症状に対応できるのが特徴ですね。歯科医師同士で意見交換ができる環境が、より良い治療につながると考えています。また、2人とも経験豊富ですから、患者さんへのアプローチの仕方も勉強になります。
院長に就任されるまでの経歴を教えてください。
生まれも育ちもここ城南区です。子どもの頃は、診療がない時間帯にはスタッフルームに来て、弟と一緒に勉強したり遊んだりしていました。そんな環境でしたので、小学生の頃には、将来は歯科医師になろうと思っていました。大学卒業後は、大学病院の補綴科に入局し、6年間勤務しました。補綴科に進んだのは、大学時代に義歯やかぶせ物を作る実習があり、興味を持ったからです。昔から物を作るのが好きだったんです。大学病院では、歯科技工士に頼らず自分ですべて技工物を作らなくてはならず、本当に鍛えられました。その後クリニックでの勤務を経て当院に戻り、2019年に院長に就任しました。親の影響から進んだ歯科医師の道ですが、患者さんが喜んでくださる姿にやりがいを感じ、歯科医師になって良かったと思っています。「ありがとう」という言葉を頂いたときは、もう半日くらいはうれしい気持ちが続いて、頑張ろうと思えますね(笑)。
補綴科での経験から、質の高い義歯作りにこだわっていらっしゃるそうですね。

精密な義歯をお作りできるよう、2回に分けて型採りをしています。1回目に既成のトレーで大まかな型採りをします。それで作製した模型上で、今度は患者さんに合うトレーをオーダーメイドで作り、2回目の型採りをするのです。そうすることで、患者さんによりフィットした義歯を作製していきます。そういう手順を大学病院に勤務していた時から普通にやっていたので、そこまでやらないと私自身も納得できないんです。作製時間や手間はかかりますが、患者さんがきちんと噛める義歯にすることを第一に考えています。当院で義歯を作製した方が勧めてくださって、そのご家族も義歯のご相談にみえるということもよくあります。
歯科治療が苦手な人にも寄り添った対応を
来られる患者さんはどんな方が多いですか?

小さなお子さんから高齢の方まで幅広く来院されます。父が昔から診ている患者さんも変わらず通院してくださいますが、最近は新規で来られる若い世代の方が多いように思います。自宅もすぐ近くですので、日頃からご近所付き合いをさせていただいている方や、子どもの友達、その友達の親御さんも来られます。症状としては、根っこに膿がたまって痛いとか、歯周病で歯茎が腫れているとか、親知らずの抜歯とか、さまざまな症状の方がいらっしゃいます。
院長がこちらに戻ってきてから、リニューアルされたそうですね。
特に患者さんが最初に入る場所である待合室は、歯科医院っぽくない空間にしたいとこだわりました。歯科治療に苦手意識をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。実は私自身がそうなんです。今も時々知り合いの歯科医師に診てもらうのですが、やっぱり診療台に座って口を開けるときは不安を感じるものです。ですから、少しでもリラックスして過ごしていただければという思いがありました。診療スペースのほうは、完全個室の診察室や親子で治療を受けられるファミリールーム、カウンセリングルームも備えています。一戸建てのクリニックなので、窓を多くとれるというのが利点かなと思います。光が多く入ってきて明るいですし、換気もしっかりできます。リニューアルを機に歯科用CTを入れるなど、機器類も新しくしました。
歯科に苦手意識を持つ人の立場になって治療されているんですね。

自分自身が治療されるとしたら、ということを常に考えて診療にあたっています。こういう歯科だったら行きたいなと思っていただけるクリニックでありたいですね。そのためには患者さんの話をよく聞いて、何を望んでいらっしゃるかを引き出すことが大切です。そして、症状の原因と治療方針について、患者さんが納得するまで説明をした上で、治療に入るようにしています。「一緒に治していきましょうね」というスタンスで患者さんに接しています。それから、小さなことですが、治療の際には患者さんの口元を強く引っ張ったりせず、優しく触れるように気をつけています。
地域に根差し、一生の付き合いができるクリニックに
ファミリールームも備えているとのことですが、お子さんの治療で心がけていることはありますか。

大人だって、診療台に座るときは緊張しますよね。小さなお子さんだったらなおさらです。ですから、ゆっくり回数をかけて、信頼関係を築いてから治療に入るようにしています。無理やり治療をしてしまうと、嫌な思いが残ってしまいますから。最初は歯磨きだけで診療を終わることもありますが、親御さんにも「いずれできるようになりますから、焦らず治療しましょう」とお伝えしています。実際、できるようになる子がほとんどですので、安心してご来院ください。
こちらでは、早めの歯列矯正を勧めているそうですね。
今の親御さんは、お子さんの口腔内に関心が高い方が多く、「うちの子の歯並びは大丈夫ですか」といったことをよく尋ねられますね。当院では、将来的に矯正が必要だと思われるお子さんには、早い段階からの矯正を勧めています。矯正には大きく分けて、顎の骨の成長を促す1期矯正と、ブラケットを装着してワイヤーで歯を動かしていく2期矯正があります。1期矯正で、成長とともに自然と歯が並ぶように誘導していくことで、2期矯正の期間が短くなったり、2期矯正自体が不要になったりすることも期待できます。1期矯正は、10歳を過ぎると結果につながるのに時間がかかることもありますから、適切な時期に始められるよう、お早めにご相談ください。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後はさらに予防に力を入れていきたいですね。いくら治療をしてもきちんとメンテナンスをしなくては、また悪くなってしまうからです。そのためには歯科衛生士の役割が重要になります。当院では、歯科医師会の勉強会に参加したり、講師を招いて院内セミナーを開いたりして、スキルアップを図っています。これから歯科衛生士が増えるので、担当制にしていきたいと考えています。同じ衛生士が継続してケアするほうが、患者さんの口腔内の変化をこまやかに把握できるからです。当院に来てくださった患者さんには、一生付き合っていくつもりで診療にあたっています。昨年から、高齢で通院が難しくなったという患者さんの声を受けて、訪問歯科診療も始めました。患者さんがお口のことで困ることがないよう技術をさらに磨いて、地域の方からずっと頼りにされる歯科医師をめざします。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円~
1期矯正/33万円~
2期矯正/66万円~
セラミッククラウン/5万5000円~
※税込