鎮守 信弘 院長の独自取材記事
鎮守歯科医院
(福岡市早良区/藤崎駅)
最終更新日:2024/11/01
藤崎駅から徒歩15分。早良区の住宅街に「鎮守歯科医院」はある。この地で36年にわたり、地域の健康を守ってきた鎮守信弘(ちんじゅ・のぶひろ)院長。開院30周年を迎えた2018年に新築移転した院内は、木の優しい香りと奥行きのあるモダンな空間が広がる。受付上部にさりげなく飾られた一枚のLPレコード。それがきっかけで鎮守院長と同じく70年代の洋楽を愛する患者と話が弾むこともあるのだそう。診療は一般歯科や小児歯科、歯周病、口腔外科などに対応。鎮守院長は日本歯周病学会歯周病専門医でもあるため歯周病治療を得意としながら、スタッフとうまく連携し日々治療にあたっている。「野球観戦やバーベキューなどの親睦会でも職員とコミュニケーションを深めています」と目を細める鎮守院長に、これまでの年月を振り返ってもらった。
(取材日2023年2月9日/情報更新日2024年10月29日)
地域に根差し、患者とともに歩んできた36年
開院して36年。振り返ると感慨深いものがあるのではないでしょうか。
36年も診療していると、子どもの時から来ていた患者さんなどは結婚してお子さんを連れて来られる方もいらっしゃいますし、10年、20年と長く来てくださる方もおられますから、やはり感慨深いですね。長くやっていると、中には原因がよくわからない症状で来院される患者さんもいます。がんなど重篤な病気の場合も考えられますから、大学病院とも連携体制を整えてきました。自分たちは命に関わる病気を診ることもあるので、些細なことも見落とさないようにしなければと自分に言い聞かせ診療にあたっています。息子の専門は口腔外科で、私と専門がかぶらないほうが良いと思い決断したようです。そんな息子も去年結婚しまして、男の子が誕生し父親になりました。こうして一緒に診療していることを考えると月日の流れを感じますね。
院長は歯周病、息子さんは口腔外科と、一人の患者さんを違う観点から診ることができるのも強みですね。
そうですね。私の専門は歯周病ですが、これにはわけがありまして。実は大学時代に学生結婚したんです。ですので収入の良い勤務先を探したりもしていたのですが、ある時妻が進路は大事だからと、大学の教授も行っているという占い師のところへ一緒に相談へ行くことになったんです。その時にこういう事情だから卒業後は勤務医になろうと思っていますと言いましたら、その選択は良くないことが起こると言われたんです。そして大学に残ったほうが後々につながるとアドバイスされ、大学に残ることにし、尊敬する先輩方がたくさんおられた歯周病学科を選びました。人と人とのつながりを一番重要視しましたが、いろんな診療の基本となる分野なので選んで良かったと思っています。
では、患者さんの主な来院理由もお聞かせください。
虫歯治療で来られる方もおられますが、最近は歯周病と全身との関わりなどもよくメディアで取り上げられていることもあってか、歯のクリーニングなど予防や検診で来られる方が非常に増えましたね。それは子どもに関しても同じです。歯科医師会が行う幼稚園や小学校などでの検診データを分析するような仕事に少し携わらせてもらったことがあるのですが、20年前くらいは7~8本あった虫歯が、今は1~2本とかなり少なくなっています。それは親御さんの歯に対する意識の高さの表れだと思います。定期的なメンテナンスの必要性をしっかり認識されていますからね。また、顎が小さな子が多くなってきていることから、近年は虫歯よりも歯並びや噛み合わせのご相談をされる親御さんが増えたように感じます。ご不安な親御さんも少なくないため、そういった場合は、お子さんの口腔内の状態に合わせて矯正治療のご提案やアドバイスをさせていただきます。
生き物と植物が患者とのコミュニケーションツールに
診療はスタッフの存在が大きいとか。
非常に大きいです。当院のスタッフには「生き物係」がいましてね。患者さんから頂いたメダカを育てていて、それを見て興味を持たれた患者さんとコミュニケーションを取るきっかけにもなっています。あと「植物係」もいまして(笑)。園芸の好きなスタッフが草花の水やりなど世話をしてくれています。またそれが患者さんとのコミュニケーションにつながることも多いですので、スタッフには感謝しています。
そのスタッフ体制についても詳しく教えていただけますか。
現在、月に1回来てもらっている矯正歯科専門の先生も含めて歯科医師3人、歯科衛生士3人、受付・歯科助手が2人という体制で診療を行っています。患者さんには満足度の高い歯科医療の提供を、職場ではスタッフが長く勤めたいと思える環境づくりを心がけています。ありがたいことに開院当初からずっと勤めてくれているスタッフもいて、彼女は前に前に立とうとせずに、自然と皆をまとめてくれるんですね。仕事の教え方も上手ですし、長い間サポートしてもらっています。やはり職場の空気感は患者さんにも伝わるでしょうから、野球観戦やバーベキューなどのイベントを企画し、スタッフとの親睦会も開催しています。開院から変わらず来てくださる患者さんが多い理由には、スタッフ一人ひとりの人柄も大いに関係していると思います。ありがたいですね。
開院当初から来られている方も年を重ね、訪問歯科のニーズも増えてきたとお聞きしました。
ええ、近隣の介護老人保健施設やご自宅に私とスタッフが訪問しています。1ヵ月に1~2回程度ですが、依頼があればお伺いするというスタイルで実施しています。この辺りも高齢化が進んでますので、少しでもお役に立てればという気持ちが大きいですね。当院には若手の歯科医師もいますので、私と一緒に同行することもあります。訪問歯科と通常の診療は環境がまったく異なりますので、次世代にもしっかりと引き継いでいきたい分野。患者さんの無理のない範囲で治療することが大前提ですから、指導にも力が入ります。
技術や人脈を次世代につなげるべく後進の育成にも注力
学術セミナーなど院外でも後進の育成に取り組まれているそうですね。
大学の同窓会関連事業にも携わっていますので、勉強会、学術セミナーなどを企画し、若い先生方にもどんどん参加いただき、知見を広げるきっかけになればというのが一つ。そして、いろんな人と知り合うことは診療にも良い影響をもたらせてくれますので、特に今後を担う歯科医師たちの人脈を広げられる場になればなと思い、積極的に取り組んでいます。自分もある程度年齢を重ねていますので、これまでの経験を次世代につなげていかなくてなりませんからね。同級生たちはリタイアし、ゴルフなど自分の楽しみに時間を使う人が増えてきました。そういった時間の使い方も良いなと思う一方で、今も現役でやれているということに感謝しています。この道を選択して良かったなと改めて実感していますね。ようやくそういったことを感じられる年齢になったということでしょうね。
プライベートではお孫さんの誕生など楽しみが増えましたね。
ええ。4人目の孫なのですが、長男の孫は初ですのでね。その孫の誕生日が、実は開院日と同じ6月4日だったんです。偶然とは思えない何かを感じまして、うれしかったです。孫の人生ですので本人が望む道に進めるのが一番ですが、開院と同じ日に誕生するということは何かあるのかなぁと。孫が成長して選択肢の一つに歯科医師も入っていたらうれしいですね。息子に関しましては大学院でも成果を残しているようなので、あとは経験だと思うんですね。そこをこれからしっかりと重ねていって、より患者さんの健康をお守りできる医療を提供できる歯科医師になってほしいなと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
一般歯科、小児歯科、歯周病、矯正、口腔外科というように、包括した治療がワンストップで行えることは当院の強み。安心して受診いただける環境は整っていると自負しています。高齢化に伴い、口腔機能に関するさまざまな予防も取り上げられるようになりました。例えば、カラオケが口腔機能の低下予防になるともいわれています。人と話すことや食事もそうですが、口を動かすことはとても大事。噛むことで認知症予防にもつながるといわれるくらい、歯と身体の健康は直結しています。今後はそのようなことも診療を通してより患者さんに呼びかけるとともに、後進の育成にもつなげていけたらなと思っています。「こんなことで受診してもいいのかなぁ」と迷うようなちょっとしたことでも構いません。当院は気さくなスタッフばかりですので、お気軽にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本30万円~ 矯正治療(全顎)/50万円~