中島 寛明 院長の独自取材記事
久留米セントラル歯科
(久留米市/西鉄久留米駅)
最終更新日:2024/03/27

西鉄天神大牟田線・西鉄久留米駅から徒歩5分、一番街商店街の一角に「久留米セントラル歯科」はある。2015年から同院の院長を務める中島寛明先生は、大学病院の補綴科で研鑽を積み、補綴分野において豊富な経験がある歯科医師だ。同院では一般歯科をはじめ、インプラント治療、入れ歯治療、ホワイトニングなど幅広く対応するほか、セラミックを用いた治療に注力している。専門性の高い技術を持った歯科技工士と連携をとりながら、完成度の高い補綴物や義歯の製作をめざして取り組んでいるのが特徴だ。軽快でわかりやすい話し方と親しみやすい笑顔が印象的な中島院長に、歯科診療にかける熱い思いや治療へのこだわりについて聞いた。
(取材日2023年10月25日)
先を見据えた治療で将来のリスクを最小限に抑えたい
まずは院長就任までの経緯を教えてください。

もともと、この場所から100メートルほど離れた場所で40年以上診療を続けていた前歯科医院を、縁あって私が継承した形です。2015年に久留米セントラル歯科の名前で開業し、2022年に今の場所に移転しました。私は山口県出身で、久留米は縁もゆかりもない土地でしたが、当院を継承することになって初めて、久留米市が人口10万人あたりの医師数が全国トップクラスで、古くから「医者のまち」と呼ばれていることを知りました。そんな土地柄だからでしょうか、患者さんの医療に対する意識の高さには驚かされましたね。医科との連携が取りやすいというメリットもあり、歯科医師としては働きやすく、成長が望める環境だと感じています。せっかくいただいたご縁なので、通ってくださる皆さんとのコミュニケーションを大切にし、この土地で長く愛される歯科医院をめざしたいですね。
どんな患者さんが来院されていますか?
継承した当初は、前歯科医院時代から引き続き来ていただく患者さんが多く、半分以上が高齢の方でした。今は、20代から70代の方まで幅広くいらしてくださってます。私が補綴分野やセラミックを用いた治療を得意としていることもあり、新規の患者さんは30代、40代の患者さんが増えてきたように感じますね。
診療におけるモットーを教えてください。

単に痛みや不具合を解消するためだけの場当たり的な治療ではなく、10年後、20年後を見据えた治療で将来のリスクを最小限にしたいと考えています。最近の歯科の方針は「できるだけ削らない治療」が主流になりつつあります。当院も基本的にはそのスタンスですが、「削らない」ことばかりに固執し、削るべきものを見逃すと、かえって被害が大きくなり、数年後に歯を失ってしまうケースも考えられます。多少削ってでも将来的に歯が残せるならばそのほうがいいですよね。長い目で見て、患者さんの歯を長持ちさせるにはどうすべきか、しっかり見極めるよう心がけています。また、注力しているのは、可能な限り神経を残すことをめざす治療です。神経を取った歯は脆くなり、歯の寿命は短くなってしまします。患者さんに生涯自分の歯を使っていただけるよう、できる限り力を尽くしたいですね。
歯科技工士と連携し質の高いセラミック治療をめざす
注力されているセラミック治療について教えてください。

少し前まで、保険診療の詰め物やかぶせ物の素材は、銀歯などの金属素材を用いる治療が一般的でした。口を開けると目立ってしまう銀歯に比べ、セラミックを用いた治療は、天然歯に近い自然な白さを再現でき、審美性に優れた治療といえます。また、汚れがつきにくい、強度が高く長く使えることが望めるという機能面の利点もあります。また、近年、金属アレルギーで悩まれる患者さんが増えている実感もあり、そういった点でもセラミック治療をお勧めしています。
セラミック治療は自由診療であるがゆえに躊躇する患者さんも多いのではないでしょうか?
そうですね。私は説明の際、保険診療を「チェーンのハンバーガーショップ」に例えて話すのですが、ファストフードはどこの店も同じ味つけ、同じ値段で、お客さんに合わせて勝手に味つけを変えることはできませんよね。それと同じで、保険診療だと「このケースはこうしたほうが良さそうだ」と思っても、保険診療のルールに則った治療以外はできません。一方で、自由診療は患者さんの希望をできる限りかなえることが可能です。当院のセラミック治療は、マイクロスコープを使った精密な治療にこだわっていますし、歯科技工士が患者さんの歯の色合いなどを再現するため加工に時間をかけ、質の高い治療の実現に努めています。ただ、その分どうしても費用はかかります。例えるなら「オーナーシェフが素材と調理法にこだわったレストラン」の値段が高いのと同じですね。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、選択していただくようにしています。
セラミック治療を行う際に重視していることはありますか?

完成形に近い精度の仮歯を製作することです。仮歯は単に、「最終的な歯を入れるまで仮に入れておくもの」というだけでなく、「この歯の形、この噛み合わせで問題ないか」というシミュレーションの役割を果たすものだ考えています。ですから、例えば仮歯がすぐ取れたり割れたりした場合、「これは仮歯だからしょうがない」ではいけないと思うんです。当院では、仮歯の段階から歯科技工士と連携し、精密に製作した仮歯を入れることで、噛み合わせや歯茎とのフィッティングに問題がないか、取れる、割れるなどのトラブルが起きないかを確認した上で、最終的な歯を入れるようにしています。この工程は英語で「プロビジョナル・レストレーション」と呼ばれていて、機能性、耐久性を備えた美しい歯を作るための最も重要なステップだと考えています。
歯科技工士との連携が強みですね。
はい。当院では、セラミック治療や義歯の製作にあたり、専門性の高い技術を持ち、信頼のおける3人の歯科技工士と連携をとり治療を進めています。外部に発注して任せっきりという形ではなく、製作途中の各ステップで必ず確認を取り合い、歯科医師と歯科技工士それぞれの目線で何度もディスカッションを重ね、より精巧で完成度の高い仕上がりを実現できるよう尽力しています。特にセラミック治療では、見た目がいかに自然であるかが大切です。患者さんご自身の歯の特徴や色合いを、こまやかに丁寧に再現した天然歯のような仕上がりになるよう努めていますので、審美面にこだわりたい方はぜひご相談いただきたいですね。
コミュニケーションを通して根本的な原因を探る
歯ぎしり、食いしばりの治療にも注力されているそうですね。

はい。歯ぎしりや食いしばりがひどくなると、日々の積み重ねで歯がダメージを受け続け、虫歯や歯周病など、あらゆる歯の疾患に大きく影響していきます。肩凝りや片頭痛など、さまざまなトラブルを引き起こすことも少なくありません。当院ではオリジナルの小冊子を作成して、まずは患者さんに歯ぎしり、食いしばりを自覚していただけるよう努めています。そして、お仕事などライフスタイルについてヒアリングし、生活習慣の改善指導を行うことを第一にします。必要があれば保険適応でマウスピース型の装置を製作することも可能です。また、ボツリヌス毒素製剤の特徴にも注目しており、歯ぎしりや食いしばりの症状に対して応用できないか勉強しているところです。
ところで、先生が歯科医師になったきっかけは何だったのでしょうか?
父と兄が医師で、親族に歯科医師も多く、医療が身近にある環境で育ったことが大きいですね。もともと、もの作りが好きで手先が器用なほうだったので、高校生の頃までは建築工学を学びたいと思っていたんです。周りの影響もあって、最終的には歯科医師の道に進みましたが、当時から続くもの作りへの情熱は、現在は精巧な詰め物やかぶせ物を製作する上で生かされています。
読者へのメッセージをお願いします。

当院は一人ひとりにじっくり向き合い、診療に時間をかけるスタイルです。コミュニケーションを通して、歯のトラブルの原因を探り、原因を根本から取り除くことで、再発しない治療やその人に合った治療の提案をめざしているからです。歯科医師に勧められるままに治療を受け、将来患者さんが後悔することがないよう、必ず納得していただいた上で治療に取り組みますので、特に歯科治療に不安をお持ちの方にこそ来ていただきたいですね。ぜひ、気軽に何でも相談していただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミッククラウン(前歯)/14万3000円、セラミッククラウン(奥歯)/9万3500円、セラミックインレー/6万8200円、セラミックアンレー/8万8000円、テック(仮歯)/3850円、プロビジョナルレストレーション(技工士が作る仮歯)/6600円、インプラント治療/45万円~、オフィスホワイトニング(2回)/2万2000円、ホームホワイトニング(トレー込み)/2万2000円