北嶋 禎治 院長の独自取材記事
きたしま歯科・矯正歯科クリニック
(久留米市/西鉄久留米駅)
最終更新日:2023/11/09

1968年の開院以来、約50年にわたり地域住民の健康な口腔づくりに貢献してきた「きたしま歯科・矯正歯科クリニック」。現在は2代目となる北嶋禎治院長がクリニックを継承し、歯周病治療をベースとした歯科診療に取り組んでいる。また口腔外科でのキャリアを生かし、抜歯やインプラント治療など専門性の高い治療にも対応。加えて矯正治療も提供しており、虫歯や歯周病だけではなく、噛み合わせの改善などを含めた総合的な診療が可能だ。「歯科は歯が痛いから行くところではなく、口の中を清潔にするために気軽に通うというような場所になってきました。皆さんにも身近に感じてもらい、いろいろなことを相談してほしい」と話す北嶋院長に、クリニックの特徴や注力している領域などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年9月12日)
複数の専門家による総合的な歯科診療を
こちらのクリニックはお父さまが開院されたそうですね。

私自身、小さな頃から歯科医師として働く父の姿を見てきたので、自然と医療関係に進むのだと感じていました。いつかは父のクリニックを継承するのだと思っていましたから、大学卒業後は大学病院の歯科などに勤務した後、2007年頃からこちらを手伝うようになりました。2015年には父の後を継ぎ、クリニックの名称を北嶋歯科医院から「きたしま歯科・矯正歯科クリニック」に変更しました。私の姉でもある副院長が矯正治療に精通していますから、矯正治療に関しても力を入れようという想いを込めています。父の代からの患者さんたちにも引き続き安心して通院していただくとともに、歯科診療を通じて地域に貢献していきたいと考えています。
先生は口腔外科がご専門だと伺いました。
福岡歯科大学を卒業後、久留米大学医学部の口腔外科に入局しました。もともと久留米出身でしたし、クリニックを継承後も密接な連携が必要になりますからね。もちろん口腔外科には興味があり、当時は親知らずの抜歯など口腔外科の診療から、交通事故など外傷の治療、小児科や皮膚科といった他科との連携による治療にも携わりました。関連病院にも勤務しながら、入院患者さんの口腔内の管理、口腔外科の外来など幅広く経験できたことは、継承後の診療にも大きく役立っています。また口腔外科を専門的に学んできたため、現在でも親知らずの抜歯、インプラント治療など、さまざまな症例に対応できるというのは、クリニックの一つの特徴になっています。
さまざまな症例に対応してもらえるというのは患者側にとっても大きなメリットですね。

私は口腔外科、歯周病を専門的に学んできましたし、副院長は矯正治療の専門家ということで、一般的な歯科治療だけではなく専門分野を持つ歯科医師がいるという点は一つの強みだと考えています。ですから例えば矯正治療を受ける際にも、治療中に虫歯ができてしまったり、補綴物の管理だったり、抜歯が必要になったりしたとしても、当クリニックだけで完結することができます。いずれかに特化したクリニックだと、症状に応じて複数の歯科に通院しなければなりませんからね。結果的に患者さんにも利便性高く使っていただくことができるクリニックになっているのではないでしょうか。
歯周病やインプラント治療など専門的な治療も提供
現在はどのような主訴でいらっしゃる患者さんが多いのでしょうか?

歯が痛い、詰め物が取れたという一般的な相談に加え、最近では歯周病が気になるという患者さんからの相談も増えてきました。顎関節症の治療やインプラント治療などを希望される方もいらっしゃいますし、どちらかというと主訴としてこれが多いというものはなく、さまざまなお悩みの方に来ていただいています。世代的には矯正治療にも対応している関係で、お子さんから高齢の方まで幅広くいらっしゃっている印象です。また開院から50年以上たっていますから、通院が難しくなった患者さんもいらっしゃいます。そうした方に対しては訪問診療で対応するなど、引き続き診療できる体制を整えています。
日本歯周病学会歯周病専門医の資格もお持ちなんですね。
歯周病治療については健康な口腔環境づくりの土台ですから、日本歯周病学会歯周病専門医を取得するなど専門的に学んできました。歯周病は放っておくと自分の歯を失ってしまう原因にもなりますから、私の治療のベースラインとなっています。また補綴治療をする際にも型採りがうまくいかず、適切な治療につながらないケースがあります。もちろん口腔内の衛生状態にも大きく影響しますし、何より糖尿病や認知症などの全身的な疾患にも影響を及ぼすため、まずは歯周病の検査を行い、問題があればしっかりと説明をし、治療をお勧めするようにしています。
インプラント治療にも対応していらっしゃいますが、気をつけているポイントはありますか?

あまり派手な治療をするのではなく、とにかく安全安心に配慮し治療を行うことに気をつけています。インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病のような病気、インプラント周囲炎にはかかってしまいますから、インプラントを入れる前にきちんと歯周病の治療を行うことが大切です。あとは治療後の状態を長期間維持できるように、アフターフォローを行うこと。治療後も定期的にメンテナンスを行うことで、インプラントを長持ちさせることにつながります。インプラント治療は経済的な負担は大きいものの、ブリッジや入れ歯と違ってほかの歯に影響を与えにくい治療ですので、欠損箇所を補うための選択肢の一つとして前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
美容室のように定期的な通院で歯を清潔に
矯正治療にも力を入れていらっしゃるそうですね。

当クリニックでは専門家である副院長によるワイヤーを使った表側矯正、マウスピース型装置を用いた矯正に対応しています。お子さんに関しては床矯正のほか、マウスピース型の器具を用いた悪習の改善やトレーニングを行う口腔筋機能訓練(MFT)にも取り組んでいます。大人では30代から40代の働く世代の方の矯正治療も多くなりました。矯正前のカウンセリングに力を入れ、納得した上で矯正を受けてもらえるように配慮しています。矯正治療はゴールイメージをすり合わせておかなければトラブルも起きやすいですからね。一般治療を受けられている患者さんであっても、噛み合わせに問題がある方については矯正治療をご提案するようにしています。
クリニックの診療方針や大切にしていらっしゃることを教えてください。
自分の歯でできるだけ長く噛んでもらうことが重要だと考えています。ですから悪いところの改善をめざす治療だけではなく、口の中を管理するために治療後の継続したメンテナンスも欠かせません。口腔内の環境が悪化しないように、それぞれのお口の状態に合わせて1ヵ月、3ヵ月など期間を設定して定期的に来院していただくようにしています。あとは安心安全に配慮した治療。性格上、心配性なので一つ一つの処置を慎重に行うように心がけていますし、滅菌や整理整頓は欠かせません。患者さんの気持ちをくみ取るためにも、じっくりとお話をしながら治療を進めることが大切だと考えています。時間がない方に何回も通院いただくことも難しいですから、いろいろな要望を伺わせていただきます。
最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

一つ言えるのは、皆さんに歯科に積極的に通院いただきたいということでしょうか。歯科は痛くなったから行くところではなく、お口の中を清潔に保つために通うところに変わってきました。ですからもっと歯科を身近に感じていただき、気軽にいろんなことを相談してもらえればと思います。例えば美容室に通うようなイメージで定期的に通院いただき、お口の健康を保っていただけるとうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~、ワイヤーを使った表側矯正/55万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/33万円~(10ステップの費用。期間によって費用は変わります。)、床矯正/5万5000円~、口腔筋機能訓練(MFT)/3万3000円~(1回あたりの費用。回数は1回~5回。症状によって費用は変わります。)