患者の「やりたいこと」を尊重して考える
失った歯を補う欠損補綴
吉松歯科医院
(久留米市/御井駅)
最終更新日:2024/11/14


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インプラントが広く受け入れられるようになるにつれて、「インプラントは歯を削らない」「ブリッジは歯を削る必要がある」などの知識も一般的になりつつある。一方でそれらの表面的な情報に惑わされ、自分自身に合った治療法と出合えないまま、という患者も、実は少なくはない。それらの多くは「その場しのぎの治療」になってしまい、治療を重ね続けて患者が疲弊するという課題も生み出している。そんな現状に警鐘を鳴らすのが、久留米にある「吉松歯科医院」の吉松繁人院長だ。医師が集まる勉強会で多数の講演を行うなど、今なお研鑽の姿勢を貫く院長。その根底には「患者が喜ぶ治療が最善の治療である」という父からの教えがある。幅広い治療に精通する吉松院長に、歯を失った際に受ける欠損補綴に対する考え方について詳しく話を聞いた。
(取材日2024年10月16日)
目次
失った歯を放置すると寝たきりにつながる。口腔環境すべてと健康状態などを考慮し治療法を決めていく
- Q歯を失ったままだと、どういうリスクが考えられるのでしょうか?
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A
▲全身の健康を守るための歯科医療を提供
歯がなくなると体はその状態に適応しようとするため、歯が抜けた場所にその隣の歯が倒れてくることもあり得ます。加えて、長い目で見ると寝たきりのリスクも生じてしまうことが近年わかってきました。欠損箇所を放置するといざ義歯を使おうとしてもなかなか慣れることができず、舌と顎で食事をするようになってしまいます。そうして高まるのが誤嚥性肺炎の恐れです。それらに伴い、転倒のリスクも高くなります。転倒は寝たきりの大きな原因です。またやわらかい食べ物を選ぶと自然と炭水化物が増え、糖質過多になり、生活習慣病罹患の恐れも高まります。歯の欠損の放置は、命の終わりの最初のドミノを倒すのと同じだとも言えるかもしれません。
- Q貴院では歯が抜けた場合、どのような治療を行いますか?
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A
▲患者目線を大切にした治療を実践しているクリニック
歯や歯茎が失われた場合に、人工的な歯や歯茎を用いて、噛み合わせや発音、見た目などを回復させるための治療を欠損補綴(けっそんほてつ)と呼びます。当院では部分義歯・総義歯、ブリッジ、インプラントのほか、患者さんご自身の歯を移植する治療も行っています。ただ、移植をお勧めしているのは40歳より若い方のみです。当院ではどの治療がベストであるとは簡単には言いません。患者さんお一人お一人のお口の状態や体の健康状態、生活スタイルなどが異なるため、それらを踏まえて将来的なリスクを考えた上で治療を提案し、患者さんに選んでいただくからです。自分に合った欠損補綴の治療を知りたい方はぜひお尋ねください。
- Q欠損補綴の治療を受ける際の注意点は何でしょうか?
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A
▲補綴物を使いこなすには訓練が必要だという
補綴物は道具ですから、義足や義手のようなものだと言えます。そしてそれらは体に装着したからといってすぐに使いこなせるわけではなく、訓練が必要です。「入れ歯でうまく噛めない」という相談も多いですが、入れ歯そのものに問題があるのと同時に、患者さんがうまく入れ歯を活用できていないケースも考えられます。当院では仮歯の段階から、患者さんの噛む力や生活スタイル、趣味などをお聞きした上で補綴物を作り、使用の訓練を行います。お煮しめを食べたい、旅行で食べ歩きをしたいなど、やりたいことは人それぞれ。噛める・噛めないという目先のことだけにとらわれず、患者さんのご希望を満たすことを大切にしたいと考えています。
- Q入れ歯よりもインプラントのほうが優れているのですか?
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A
▲主治医と相談し、自分に合う治療法を見つけてほしいと語る院長
私自身、インプラント治療を始めて30年弱がたちます。インプラント治療はほかの歯を削る必要がなく、噛む力も天然歯と並ぶことが期待できるため、歯を失った際の非常に有用な治療法の一つであることは間違いありません。ただ、「歯を失ったからインプラントがベスト」という安易な考え方は危ういと私は考えます。当院では歯科検診や歯がグラグラするなど、どんなきっかけの相談であっても、初診では頭部エックス線規格写真などの画像診断を行い、潜在的に存在する疾患まで明らかにした上で治療を提案します。ある一面だけで治療の良否を判断せず、自分のお口には何が最適か、しっかりと主治医と相談することをお勧めします。
- Q治療の際に大切にされていることは何ですか?
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A
▲モニターを活用し、「見える治療」を心がける
患者さんご自身が見て、納得して、治療を受けていただくことです。そのため当院では「見える治療」を心がけています。例えば虫歯一つであっても「健康な歯も余計に削られるのではないか」と不安がある方もおられるでしょう。また虫歯はないのに歯が痛むといった場合は、目視できないレベルで歯が割れていること(クラック)もあります。それらをきちんと患者さんが自分の目で見て、理解するために、必ず写真を撮り、それを見て理解いただいてから治療に入ります。また必要であれば治療後の写真もお見せします。どんな治療をしているか気になる、他院で受けた治療で不安が残っているといった方は遠慮なくご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント1本20万円〜 ※メーカー、被せ物で金額が異なりますので、詳細はお問い合わせください。