加来 敏男 院長、加来 涼太 副院長の独自取材記事
医療法人 加来歯科
(中津市/中津駅)
最終更新日:2025/12/25
約100年もの間、地域の人々に親しまれてきた「加来歯科」。3代目の加来敏男院長は長年取り組んでいるインプラント治療、審美歯科、矯正歯科をはじめ、小児歯科や一般歯科まで総合的な歯科医療を提供している。2025年より歯周病を専門とする息子の加来涼太副院長も加わり、互いの専門分野を生かしたよりレベルの高い治療をめざしている。小児は虫歯の予防・治療・正しい歯並びの完成、青年層には虫歯のコントロールと歯肉炎などの予防と治療、高齢者には虫歯や歯周病などで歯を失わないための治療を、すでに歯を失っている場合はその修復と機能の回復のために力を注ぐ。自分の技術と患者を引き継げる頼もしい存在に目を細める加来院長と、その期待にはにかんだ笑顔を見せる涼太副院長に、これまでの歩みを振り返ってもらいながら話を聞いた。
(取材日2025年12月11日)
100年の歴史を持つ地域に根差した歯科医院
院長を就任されて約40年、これまではどのような日々でしたか?

【敏男院長】九州大学の補綴科を経て、3代目院長に就任したのが1987年です。その頃は父もいましたので、そこから14年間一緒に診療しました。父は来られた患者さんを順番に診て、私は専門性の高い治療が必要な予約患者さんを診るというスタイルでしたが、父が病で倒れてからは、父が診ていた患者さんも私がすべて引き受けるようになり、常に新しい技術や機器も導入しながら何とか今日まで診療を行うことができました。インプラントに関しても、この治療法が登場した初期の段階から行っていましたので、かなり長い間取り組んできた治療になります。ですので、初期の患者さんから、「診てもらえなくなると困るから、先生、長生きしてね」と、よく言われます(笑)。そんな中、息子が帰ってきましたのでね。患者さんも喜んでくださっていますよ。
患者さんにとっても院長にとっても副院長は心強い存在なのですね。
【涼太副院長】責任の重さを感じますね(笑)。ただ、父は常に新しいものを取り入れてきたので、パソコンも早い段階から使いこなしていましたし、父の世代でここまで新しい技術や機器を用いて取り組んでいる歯科医師は少ないと思うんですよね。その点ではスムーズに引き継げることも多いので感謝しています。僕自身は、鹿児島大学歯学部を卒業後、福岡市の天神にある船越栄次先生の船越歯科歯周病研究所にて、先進の歯周病治療やインプラント治療の技術と知識を習得しました。
【敏男院長】船越先生とは40年来の付き合いで、息子をお願いできないかと電話しましてね。しっかり仕込んでいただきました。ですので、今は歯周病関連の治療からは一切手を引き、息子にすべて任せています。
では、院長が長年取り組まれてきたインプラント治療に関してはいかがでしょう?

【敏男院長】インプラント治療は、大学の補綴科にいた頃から取り組んできましたので、もう40年以上になります。この間、治療法もずいぶんと進化し、いろんな治療法とその結果を見てきましたから、どの症状がどの治療法に適しているかその知見をもとに判断しています。以前は歯科医師の手の感覚に頼っていましたが、今はコンピューターを使用した精度の高い治療が望めます。当院では、インプラントを適切な場所に埋入するためのシミュレーションが行えるガイドサージェリーをすべての手術で活用。かぶせ物もデジタル機器を使ってパソコンで設計し、メンテナンスが容易で周囲炎を起こしにくい材質のもので仕上げます。インプラントは埋め込んで終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要です。そのため患者さんとは長いお付き合いになります。
自由診療から保険診療まで総合的な歯科医療を提供
そのほかの診療内容についても教えていただけますか?

【涼太副院長】自由診療、保険診療ともに行っていまして、インプラントや歯周病治療以外にも、小児歯科、一般歯科、審美歯科、矯正歯科、ホワイトニング、難しい親知らずの抜歯をはじめとする外科的治療など、歯科医院で行える治療はすべて対応できると言ってもいいほど、総合的に診ることができるのが当院の特徴です。
【敏男院長】なぜこのような診療体制になったかというと、大きな病院へ紹介するとなった時の紹介先が地域的な問題で、北九州の九州歯科大学附属病院か大分大学医学部附属病院に限られてしまい、受診するのが大変なんです。患者さんのご負担を軽減できるよう、私が引き継いでからすぐに矯正歯科も行うようになりましたし、多種多様なご要望にお応えできるよう取り組んできた結果、なんでも診る今の体制になりました。
患者層も幅広いそうですね。
【敏男院長】0歳から90代まで幅広いですよ。ここに来ればなんでも診てもらえるということで、ご家族全員で来院されるケースも多いですね。私が診療において大切にしてきたのは、患者さんの10年後、20年後を見据えた治療を行うこと。その場限りの治療は絶対にしたくなかったんです。40年やってきましたので、自分がやってきた治療が正しかったのか、まさに今、答え合わせをしているような感じです。その観点からいうと、自分のやってきたことは間違っていなかったなと実感しています。
その患者さんたちを引き継ぐにあたり、副院長はどのようなお気持ちですか?

【涼太副院長】身が引き締まる思いですね。ただ、この周辺にも歯科医院はたくさんありますが、どの歯科医院は何が得意だからとか、あまり気負わずに、自分が理想とする診療を行っていきたいと思っています。ありがたいことに来てくださる患者さんも多く、1ヵ月先まで予約で埋まっている状態なんですね。そういった事情もあり、近いうちに建物を拡張してスムーズに診療が行える環境を整えることにしました。この地で診療を行う以上、皆さんの健康を守っていく責任がありますので、お待たせせずに治療を提供できる環境を整え、「加来歯科に行けば間違いない」と思っていただけるよう力を尽くしたいと考えています。
常に新しい機器を導入、治療の精度向上と効率化を図る
毎年新しい機器を導入されている背景にも、患者さんへの想いがおありのようですね。

【敏男院長】短時間でいかに良い治療が提供できるかというのを考えたときに、やはり先進機器をはじめとする機器の活用は欠かせないと考え、毎年新しい機器を導入しています。歯科用CTも、まだ普及していなかった20年ほど前に導入。そのおかげで私の歯科医療の世界も広がりました。導入前はメスを入れて実際に中の骨を見てから、インプラント体をここに埋めようと決めるやり方でしたが、導入後は事前にシミュレーションし、すべてわかった上で手術に臨めるため、患者さんにとっても歯科医師にとっても非常にメリットが大きく安心感にもつながります。また、技術だけでなく材質や機能性も向上した今の治療は、耐久性においてもさらに向上しているといえるでしょう。なぜここまで治療環境の充実に力を入れてきたかというと、患者さんが食べたい物が食べられるようにするためです。食は生きる喜びにもつながりますからね。
院長は後進の育成にも積極的に取り組まれていると伺いました。
【敏男院長】熊本にあるインプラントの教育施設をはじめ、さまざまな勉強会で若い先生方に正しいインプラントの治療法を伝えるのも今の私の役目。息子にも私がこれまでやってきたことを少しずつ伝え、自分が理想とする歯科医院にしていってくれたらと考えています。これまで行ってきたインプラントをはじめとするさまざまな治療は、治療後もメンテナンスがずっと続いていきますので、この先は息子が引き継いでくれると思うと、今担当している治療も安心して行えるんです。後継者がいない歯科医院も多い中、継いでくれる息子がいることはありがたいこと。感謝ですね。
最後に、思い描く10年、20年後のクリニック像と、読者へのメッセージをお願いします。

【涼太副院長】僕は4代目になるので、地域の方も当院のことを昔から知ってくださっている方ばかり。その信頼に応えられる治療ができるように取り組んでいきたいです。めざしているのは、「豊富な治療の選択肢がある歯科医院」であり、「患者さん自身が治療法を選択しやすい歯科医院」です。その結果、10年後、20年後にさらなる患者さんの信頼を得ている歯科医院になっているとうれしいですね。まずは、建物や体制をリニューアルして、より居心地のいい空間づくりに努めたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~、審美歯科(セラミックインレー/3万8500円~、セラミッククラウン/8万8000円~)、ワイヤー矯正/66万円~)、矯正歯科(マウスピース型装置を用いた矯正)77万円~、ホワイトニング(オフィスホワイトニング/6万6000円~、ホームホワイトニング/5万5000円~)

