中島 醇二 院長の独自取材記事
中島歯科
(宮崎市/日向住吉駅)
最終更新日:2023/04/07
国道10号線沿いの住吉神社のすぐそばにある「中島歯科医院」。70年以上続く同院の院長を務めるのは中島醇二先生。にこやかな笑顔とスポーツマンらしいはきはきとした話し方が印象的だ。中島院長は祖父の代から地域に愛される同院を3代目院長として受け継ぎ、父である中島真司先生とともに治療にあたっている。2018年の院長就任時に院内もリニューアル。白基調の明るい空間に、患者のプライバシーに配慮した半個室の診察室を備える。同院では一般歯科、小児歯科、歯科口腔外科を標榜し、子どもから高齢者まで幅広い患者に対応。噛み合わせ治療やホワイトニングに加えて最近は予防歯科にも注力するなど、さまざまなニーズに応じている。地域住民の口腔内の健康維持に意欲的に取り組む中島院長に、同院の特徴や診療における心がけなどを聞いた。
(取材日2023年2月20日)
地域の歯科医療を長く支え続ける
中島歯科さんの特徴を教えてください。
当院は私の祖父の代から70年以上続く歯科医院で、おかげさまで地元の皆さんに親しまれてきました。治療内容は多岐にわたり、虫歯・歯周病治療を中心とした一般歯科や小児歯科に対応するほか、予防歯科にも力を入れています。患者さんは幅広い年齢の方がおられますが、特にお子さんとご高齢の患者さんが多い印象です。中には祖父や父の代から長く通院してくださる方もいらっしゃいますよ。現在は私が中心となって治療にあたっていますが、一部の患者さんについては先代である父が担当しているんです。父とともに、地域の患者さんの口腔内の健康維持に努めています。
院長就任前後で何か変化はありましたか。
地元である宮崎に戻る前は神奈川県にある歯科医院で勤務医や院長として働いていました。神奈川にいた頃は、自分が良いと思う治療を患者さんに勧めるスタイルが中心でした。患者さんの年齢も30代や40代が主でしたが、宮崎では高齢の方の割合が多いですね。いい意味で宮崎には意思がはっきりした方や頑固な方が多いと感じています。そのため私も自然と、自分中心から患者さん中心の治療をめざして、それまでよりもしっかり患者さんの声に耳を傾けるようになりました。神奈川には歯科医院もたくさんありますから、方針が合わないなら他に行ってもらうという選択肢もあります。ですがこの地域ではそういうわけにもいかないので、最後まで患者さんに寄り添う覚悟です。もちろん専門家の立場からアドバイスや最終判断はしますが、「自分の歯を残したい」と考える患者さんが多いので、説明して抜くのではなく、できるだけ歯を残す治療を提案しています。
院内設備にもこだわりがあるそうですね。
私が院長に就任した時に、院内を全面的にリニューアルしました。特にこだわっているのが水の設備です。院内感染予防のために配管ごとクリーンパイプに交換する工事をし、治療用の水と手洗い用の水、そして技工室など院内で使用するすべての水を切り替えました。この水は水道水を直接電気分解しているわけではないので、飲用水としても利用可能です。実は、勤務医時代にもこのシステムの導入を検討したのですが実現しなかったので、当院で導入できたことに大きな喜びがあります。次亜塩素酸をずっと流していて、導入後も年1回以上は細菌検査を実施しています。もちろんそれなりにコストはかかるのですが、患者さんのためを思うと導入して本当に良かったです。
患者を尊重し、思いをくみ取って柔軟に対応
ニーズの高い治療や患者さんの主訴で多い内容について教えてください。
歯のクリーニングを目的に訪れる患者さんが一番多いですね。時間をつくって定期的に来られる方は、口腔内の健康への意識が高い印象です。当院では一部往診も行っているのですが、外来診療と比べると口腔内の状態が悪い方が多く見受けられます。もちろんさまざまな事情で通院できないというのも理解していますが、本当はすべての人に定期検診を受けてほしいというのが歯科医師としての願いです。当院では噛み合わせの治療やホワイトニングなど幅広い分野に対応していますが、やはり大切なのは歯のクリーニングや定期検診といった基本事項。だからこそ普段から歯科医院に来られていない方にお越しいただき、予防意識を高めてもらえるように取り組みたいと思っています。
診療で気をつけていることは何でしょうか。
患者さんのお顔を見てお話にしっかり耳を傾けることでしょうか。患者さんによって、求める治療の範囲は異なります。例えば虫歯がきっかけで来院しても、痛みをなくすための治療だけを求める方もいれば、他の部分も含めて包括的に診てほしいと考える方もいらっしゃいますよね。これまでの経験から、個人的にはさっぱりした態度の方は痛みの治療だけを希望している場合が多いような気がしています。そのあたりの言語化できない部分をくみ取ることも歯科医師の仕事の一つ。私自身は、鶴見大学歯学部を卒業した後、最初の歯科医院で患者さんへの接遇を学びました。その歯科医院は予防歯科にも注力していて、院長や他の先生の背中を見ながら、診療スタンスや患者さんへの接し方について多くのことを勉強させていただいたんです。宮崎に戻った今でも、その時の学びが現在の私の礎となっています。
どのように患者さんのモチベーションアップを図っていますか。
口腔内の写真を患者さんにお見せして、丁寧に状態をご説明するようにしています。日常生活では口の中全体がご自身で見えるわけではないので、歯科医院で口頭のみの説明を受けても患者さんにとっては理解が難しいものです。写真で見ることができたら治療のモチベーションアップにつながりますし、治療が進んだときに口の中がどう変わったのかわかりやすいと思います。また同じ症状でも患者さんによって求めるものは違いますから、相手を見ながら説明や治療の仕方も柔軟に変えています。治療の主体はあくまで患者さんですから、どうやって前向きな気持ちで治療に取り組んでいただけるようにするかはいつも考えていますね。
多くの人が定期的に歯科医院へ来院する未来をめざして
院長就任までの経緯や先代への思いについてお伺いします。
もともと医療職の多い家系で祖父も父も歯科医師だったので、私も自然な流れで歯科医師をめざしました。ですが歯科医師になるのはそう簡単なことではありません。「歯科医師になりたい」と思ってそれを実現できたのは、幸運なことだったと思います。神奈川県の鶴見大学歯学部を卒業後、宮崎に戻って院長職を継ぎました。現在は父と連携して診療にあたっています。プライベートでは父も私もゴルフが趣味なので、年に1~2回は一緒にコースを回っているほど、仲がいいんですよ。これからも父とともに地域の患者さんを診ていきたいと思います。
この仕事のやりがいはどんなところにありますか。
やはり初診で状態の悪かった患者さんの治療がスムーズにいった時などはうれしいですね。特にこの地域には、歯があまり残っていないなど状態の悪い患者さんが少なくありませんから、そこは歯科医師として腕の見せどころだと思っています。重症の歯科治療は家を建てるようなもの。畑を耕して、土台をしっかりと作って、柱を立てる。最後にかぶせ物をして完成です。一つ一つの工程に高い技術が必要なので慎重に進めますが、治療が終わって患者さんに喜んでもらえたときには、私自身も大きなやりがいを感じます。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
現在は虫歯や神経の治療のニーズが高いですが、理想は状態が悪くなる前から定期検診とクリーニングにお越しいただき、それだけで終わる患者さんが増えること。そのためにも歯科医院へ定期的に通院される方を増やすことが宮崎全体の歯科医療の課題だと思っています。往診をさせていただくと、「この状態でどうやってご飯を食べていたんだろう?」と思うような患者さんもいらっしゃるのが現実。そういった患者さんがいることが歯科医師としてとても心苦しいのです。当院でなくてもいいので、一人でも多くの方に歯科医院で定期的に検診を受けていただきたいですね。日頃から口腔内の健康を保つことで、患者さんも治療にかかるコストや手間が省けると思います。これからも地域の患者さんのご意向をくんで一緒に納得のいく治療をめざしますので、当院にいらっしゃったことのない方もどうぞお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホームホワイトニング/16500円