恒吉 隆奥 院長、恒吉 千沙 副院長の独自取材記事
つねよし歯科医院
(宮崎市/佐土原駅)
最終更新日:2023/04/05

かつて佐土原城下町として栄え、今もその風情が残る佐土原町上田島。「つねよし歯科医院」は、この地で1世紀ほど前から地域の医療に貢献してきた歴史ある歯科医院だ。建物には大きな窓や木質の内装が施され、明るくモダンな空間が広がっている。院長の恒吉隆奥(たかおき)先生は大学院で口腔外科を専門に学び、離島でのへき地医療など豊富な臨床経験を積んだ後、2019年に父から同院を継承。妻で同じく口腔外科を専門とする副院長の恒吉千沙先生とともに一般歯科をはじめ歯科口腔外科、小児歯科など地域のニーズに幅広く応える歯科医療を提供してきた。穏やかで優しい口調の2人に、専門性を生かした診療の特徴や日々患者と向き合う上で大切にしている点などを詳しく聞いた。
( 取材日2023年2月9日)
歴史を受け継ぎ地域の多様なニーズに応える医療を提供
歴史のある歯科医院なのですね。

【隆奥院長】私の祖父が今から90年ほど前に開業しました。その後、父が引き継ぎ、私が継承して現在に至ります。父から当院を継いだ際にクリニックのロゴを作成したのですが、恒吉家や歴史ある佐土原藩にまつわることを少しでもそこに反映させておきたい気持ちから、「TSUNEYOSHI」の「O」の部分に家紋の「違い鷹の羽」をオマージュしたイラストを取り入れました。待合室にも以前、恒吉家で使われていた道具をレイアウトしています。
診療の特徴や強みはどのような点にありますか?
【隆奥院長】虫歯治療、歯周病治療、入れ歯治療などの一般歯科だけでなく、口腔外科の治療も行う点が当院の特徴の一つです。私も副院長も口腔外科を専門的に学んできたので、嚢胞(のうほう)の摘出、歯の再植や移植、歯周外科手術、糖尿病など全身疾患との兼ね合いへも配慮が必要な処置など、一般的な歯科医院では大学病院に治療を依頼することの多い症状にも対応しています。もちろん悪性腫瘍などが確認された場合は速やかに大学病院へ紹介しますが、そのようなケースでも病変を早期に発見するよう努めていますね。他にも、小さなお子さんを専門に診る小児歯科や虫歯にならないための予防歯科にも力を入れています。また、今後は訪問診療もこれまで以上に行っていければと考えています。
お2人の間で役割分担があるのですか?

【隆奥院長】はっきりと役割を分けているわけではありませんが、私は入れ歯を担当することが多いですね。副院長は歯科医師となってから保育士の資格を取得し、当院の診療と並行して小児専門の他院で小児歯科を本格的に学んでいるので、お子さんの診療を担当することが多くあります。ただ2人とも専門分野は同じですし、どのような患者さんに対しても適切に対応できるように知識や技術のアップデートは常に行うよう心がけています。時には遠慮なく互いの意見を交換し合うこともありますが、それもより良い歯科医院づくりのために、そして来院してくださる患者さんたちのために必要なことだと思いますので、気づくことがあれば適宜話し合い、それを診療に反映させています。
納得して治療を受けてもらうため、説明は丁寧に
お2人が歯科医師を志したきっかけとプロフィールをお聞かせください。

【隆奥院長】祖父も父も歯科医師でしたし、実家の隣に歯科医院もあったので自然と志すようになりました。大学院では口腔外科を専門的に学び、屋久島や奄美大島でも勤務しました。島での暮らしはとても居心地のいいものでしたが一方で虫歯の子どもが多く予防歯科が浸透していない実情も知り、その重要性を改めて実感しました。7年前から当院の副院長として勤務し、2019年1月に院長に就任しました。
【千沙副院長】父は医師、姉は歯科医師なのでその影響で医療に携わりたいと考えるようになりました。特に姉から「歯科医師はやりがいのある仕事」と勧められたことが一つのきっかけになりました。私も3年間奄美大島の歯科医院に勤めましたが、やはり子どもの虫歯率が高かったのは印象的でした。食生活の見直しや正しい歯磨きの方法を身につけてもらうといった予防歯科の大切さを強く感じました。その後当院に勤務し、副院長となって現在に至ります。
診療で心がけていることを教えてください。
【隆奥院長】患者さんの訴えやご要望をしっかりと聞いてから口腔内の検査を行い、状態に適した治療方法を提案し、患者さんご自身がきちんと納得した上で治療を進めるようにしています。治療内容を十分に理解し、安心して治療を受けていただきたいですからね。こちらから一方的に考えを押しつけてしまわないよう、丁寧な説明を心がけています。
【千沙副院長】患者さんが治療の選択肢についてご存じではないこともありますので、丁寧にわかりやすくご説明するようにしています。診療についての医療者側の十分な説明と患者側の納得に基づく同意を「インフォームドコンセント」と言いますが、学生時代に学んだこの考えを患者さんと接する上でいつも大事にしています。
歯科医師として影響を受けたエピソードをお聞かせください。

【隆奥院長】父が70歳近い年齢になってもいろいろな場所へ出向いて勉強をし続けていて、いつまでも研鑽を惜しまないその姿勢には感服していました。そんな姿を身近に見ていましたので、私も歯科医師として常に知識や技術を更新していかないと、患者さんのご期待やご要望に十分にお応えできないと考えています。良いものは残しながら、必要なものは積極的に求め取り入れていく。そんな歯科医師でありたいですね。
【千沙副院長】かつてお世話になった先生から、同じ治療方法を繰り返し続けているだけでは十分とは言えず、いつでも「次の手」を出せるように、新しい引き出しを常に持つようにと教わりました。さまざまな状況に柔軟に対応するための知識や技術を豊富に備え、またそれを絶えず更新していくということですね。その考えは今でも診療にあたる上で大切にしています。
患者の気持ちに寄り添って口腔内の健康を守りたい
予防歯科を重視されていますね。

【隆奥院長】そうですね。これまでの診療経験からも予防歯科の重要性を痛感しています。以前は歯科医院には痛くなってから行くという認識が一般的だったと思いますが、最近では予防歯科の考えが浸透してきました。虫歯を治すためではなく、虫歯にならないために通院するイメージですね。お口の状態が今より悪化してしまわないように、歯周病治療が一通り終了した患者さんには3~4ヵ月程度は定期的にお口のクリーニングに通っていただくのが理想的ですね。月1回はクリーニングに来たいとおっしゃられる方や、入れ歯を使われている患者さんは「歯がなくなる前にもっと早くに来ておけば良かった」とおっしゃられる方もいますよ。
治療時の痛みにも配慮されていると聞きました。
【千沙副院長】はい。麻酔を行うとき痛みを和らげるために表面麻酔をし、特にお子さんに対してはコミュニケーションを取りながら短時間の治療を行うなど、痛みを極力与えない治療を心がけています。治療後に「想像していたより痛くなかったです」と患者さんに言っていただけたら、とても励みになりますね。ただ、痛みに対して怖さを感じてしまうのは無理もないことですから、患者さんには遠慮なく「怖い」「痛い」と言ってほしいですね。こちらも患者さんのご様子を見ながら痛みを減らせるよういろいろな工夫をして丁寧に対応していきますので、我慢をなさらずに素直に気持ちをお伝えいただけたらと思います。
最後に読者へ向けてメッセージをお願いします。

【隆奥院長】人が豊かな生活を送る上で欠かせない健康のうち、私たちがお力になれるのは口腔内の健康だと考えています。多くの人にご自身の歯でできるだけ長く、楽しく食事をしていただいて、健康であることの喜びを感じていただきたいですし、私たちにそのお手伝いができればたいへんうれしく思います。
【千沙副院長】私も2人の子どもを育てている最中なので、歯の治療を通じてお母さんたちの負担を少しでも減らしたいという想いがありますし、お子さんの頃から長く通ってもらえるようなクリニックにしていきたいと思っています。できれば痛くなってしまう前に、「口のチェックをしに行こう」という感覚で気軽に足を運んでいただけたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはオールセラミックス・ジルコニア(かぶせ物)/8万円~、入れ歯治療(ノンクラスプデンチャー)/8万5000円~、インプラント治療(上部構造含む)/37万円~