清水 英男 先生、清水 耐我 理事長の独自取材記事
清水歯科医院
(宮崎市/宮崎駅)
最終更新日:2022/01/28

宮崎市高岡総合支所や交番、郵便局が集まり、すぐ近くにはスーパーもある高岡町の中心地。地域の人が世代をつなぎ合って暮らすエリアに「清水歯科医院」はある。1980年に前理事長の清水英男先生が開業し、現在は息子である清水耐我(しみず・たいが)理事長が受け継いで運営している。親子で同じ大学を卒業し、英男先生も耐我理事長も基本的な考え方の方針は同じだという。堅実で誠実な治療をモットーに掲げている同院。治療も正直に、患者の信頼を寄せつづけられるように努めていると語ってくれた。訪問診療も行っており、地域に貢献していきたいという熱い思いがうかがえる。歯科医師として、親子として、歯科治療について持ち続けている思いをインタビューした。
(取材日2021年12月20日)
昔から知っている地域だからこそ、この地で開業
歯科医師になろうと思ったきっかけは何ですか?

【英男先生】私が幼少の頃の記憶では、高岡町に歯科医院は1軒しかありませんでした。当時は今ほど衛生環境も良くなくて虫歯が多く、みんなが苦労していた記憶があります。そういうのを見て、小学校4年生の時に歯科医師になろうと決心しました。私が開業した当時も、患者さんの主訴は虫歯が多かったですね。
【耐我理事長】中学や高校の頃は、なりたいものがころころ変わっていました。それこそ宇宙飛行士とかミュージシャンとか。そんな中で、父の影響もあるのかもしれませんが、歯科医師という選択肢が外れることは一度もありませんでした。大学受験を意識し始めた頃に将来をイメージしてみて、そこで一番具体的に考えることのできたものが歯科医師です。父に歯科医師になることを強要されたことはまったくなかったので、自分でも面白いと思いますよ。
親子ならではのエピソードはありますか?
【英男先生】私生活と仕事は分けていましたから、息子が私の仕事姿を見ることはあまりなかったと思います。今と比べて当時は偏見や思い込みといった事柄も多い時代でしたから、息子には広い視点を持った人間になってほしいと思いました。インターナショナルな人間ですね。ですから自宅をホームステイ先にして、外国人と生活をともにしていました。
【耐我理事長】父の言うとおり、仕事姿を見たという記憶はほとんどありません。でも歯科医師の息子と認識されることも少なくなくて、それはつまり清水歯科医院というか父の存在を知っている人がたくさんいるということなんですね。そこであらためて、父が人から信頼される仕事をしているんだと認識しました。インターナショナルな人間になれているかはわかりませんが、いろいろな世界を見たいという気持ちから県外の中学に進学し、高校在学中も1年海外留学したのですが、それが今は大きな財産になっています。
親子で同じ大学を卒業されているんですね。

【英男先生】宮崎に戻ってきた耐我理事長と話した際、基本的な考え方は同じだと知ってほっとしました。当院の理念にもあるように、基本を忠実にという思いは共通してあります。それは親子だからではなく、一人の歯科医師として、です。
【耐我理事長】派手なことでかっこつけるのではなく、地道にやるべきことをしていくというのが学校の方針でもありました。そもそも歯科医師になると決めた時点で地元に戻ると決めていましたし、学校の勉強も卒業後の仕事も、地元に戻ることを常に意識して取り組んでいました。親孝行と言えるかはわからないですけど、とにかく一つでも多くの知識や技術を身につけて地元に持ち帰ろうと思っていました。生まれ育った地域に恩返しをしたかったんです。歯科医師として地域に貢献しようと思った原点ですね。
今までもこれからも堅実誠実な治療をモットーに
「堅実誠実」を診療のモットーに掲げていらっしゃいますね。

【英男先生】私と耐我理事長が卒業した学校の方針でもありますし、当時は地道に治療を続けていって地域の歯科レベルを上げたい気持ちがありました。歯科レベルというのは、例えば患者さんが虫歯になってから来院するのではなく、定期的なメンテナンスのために来院する、ということです。それに私は患者さんがお金をかけなくても良い治療ができるようにしたかった。その分苦労もしましたけどね。
【耐我理事長】自分が生まれ育った土地で歯科医師をする以上、後ろめたいことはしたくなかったんです。判断に迷ったときはこのモットーを思い出して決断しています。患者さんの利益が優先ですから。父とは個々の治療方法について意見が異なることもありますが、根本の理念は共通しているので話がしやすいです。
患者さん中心の治療であるということですね。
【英男先生】もちろんです。耐我理事長が戻ってきて何度も話はしていますが、たくさんのものを残してくれてありがとうと言われて、肩の荷が下りました。私がやってきたことは間違っていなかったんだと思いましたね。ですから安心して耐我理事長に当院を任せられます。
【耐我理事長】患者さん中心ではありますが、患者さんが求めることと、患者さんの利益はまた別の問題です。もちろん患者さんの話は十分に聞かせていただきます。でも状態によっては患者さんの要望に沿えないこともあります。私はできないことはできないと言いますし、うそもつきたくない。わからないことは正直にわからないと答えます。それが患者さんの利益につながると信じているからです。
ほかに、診療するとき心がけていることはありますか?

【耐我理事長】決して珍しい治療法ではないのですが、当院ではラバーダム防湿法を取り入れています。ラバーダム防湿法というのは、簡単に言えば治療する歯を孤立させて、治療する歯に唾液などがかからないようにすることです。欧米では当たり前に取り入れられています。私は堅実な治療方法だと思うので、患者さんが承諾してくださればラバーダム防湿法で治療していきます。
【英男先生】その人にとって何が利益となるのか、選択することですね。選択に迷うことは当然あります。そのときは耐我理事長と2人で考えることもあります。2人の意見が一致すれば迷うこともありませんから。
患者と地域のために環境を整える
訪問診療もされていますが、どのような思いで診療を行っていますか?

【耐我理事長】ただ治療を行うだけでなく、患者さんの歯に対する意識の変化を促していきたいと考えています。訪問診療を受ける患者さんというのは、ご自身が来院できない患者さんです。そういう患者さんにこそ、定期的な歯の検診を受けていただきたい。歯は痛いときに診てもらうもの、という固定観念を崩したいんです。口腔環境は全身の健康にもつながりますから。
こちらは歯科外来診療環境体制の基準を満たした歯科医院だそうですね。
【耐我理事長】歯科外来診療環境体制というのは、緊急時の対応や感染症対策に必要な設備や取り組みが整っているかどうかの基準です。例えばAEDや酸素ボンベを設置しているかとか、あと衛生管理ですね。当院は洗浄・滅菌処理もしっかり徹底しています。治療を行う上で、患者さんが安心して受診できる環境を整えること、そこがスタートラインだと思っています。
【英男先生】現在は感染症対策に重きを置いている歯科医院も多いと思いますが、当院では以前から行っていたことです。患者さんが安心できる環境づくりというのが自然にできていましたね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【英男先生】疑問や不安に感じたことはなんでも尋ねてほしいです。それから歯科医院というのは行きたくないイメージが強いと思いますが、定期的な歯のメンテナンスを受けてほしいです。体のメンテナンスと同じような感覚を、歯にも持っていただければうれしいですね。
【耐我理事長】歯の治療というのは、歯科医師と患者さんの信頼と協力があって初めて成り立つものだと思っています。そのための努力は惜しみません。患者さんと二人三脚で頑張っていきたいので、患者さんにも一緒のスタートラインに立って、一緒に走ってもらいたいです。私も患者さんに信頼してもらうためにうそはつきませんから、患者さんも向き合ってもらえたら助かります。一緒に頑張っていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円~、セラミックのかぶせ物/5万5000円~、セラミックの詰め物/5万5000円~