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米良 豊常 院長の独自取材記事

米良歯科医院

(鹿児島市/高見橋駅)

最終更新日:2024/03/14

米良豊常院長 米良歯科医院 main

JR鹿児島本線鹿児島中央駅から車で5分、通り沿いのビルの1階にある「米良歯科医院」は、虫歯治療やインプラント治療、ホワイトニングなど幅広い診療に対応しているが、中でも歯周病治療に注力する歯科医院だ。米良豊常院長は歯科医師になったばかりの頃、歯周病治療の難しさを痛感し、その治療を極めたいと東京医科歯科大学の歯周病学講座に入り8年にわたり研鑽を積み、日本歯周病学会歯周病専門医の資格を取得。その経験を生かし、同院では歯周病の進行度の検査・初期治療・評価・最終的処置・メンテナンスと専門性の高い治療を行う。「歯周病が進行しておいしく食事をすることを諦めている方々に、科学的な根拠に基づいた治療を提供していきたい」と話す米良院長に、現在の歯周病治療の状況や患者自身が気をつけることなど、じっくり話を聞いた。

(取材日2023年12月20日)

専門性の高い歯周病治療を極めたい

歯科医師になられたきっかけと開業までの経緯を教えてください。

米良豊常院長 米良歯科医院1

父が以前この場所で歯科医院を開業していて、私は高校生までここで過ごし、やはり父の影響もあり歯学部へ進みました。大学を卒業して一般の歯科医院に勤務しましたが、ひどくなった歯周病の治療がなかなか難しく、当時は患者さんの満足いくような治療ができないこともあったと思います。そこで気持ちが大きく変わり、歯周病をしっかり勉強して治療できるようになりたいと思い、東京医科歯科大学の歯周病学講座に入局しました。その後日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)の歯科診療室長として勤務し、いろいろな経験をさせていただきましたが、歯科医師としてもっと成長したいと考えた時、幅広い年齢の患者さんのさまざまな症例に携わりたいと思い開業しました。

大学の歯周病学講座での経験が今につながっているんですね。

歯周病学講座での8年ほどが今の臨床に大きな影響があったと思います。大学病院というのは臨床と研究と学生教育と3本柱なんですね。患者さんの診療はもちろんなんですが、自分の研究も行い、同僚の研究を一緒にすることもあります。また、学生を教育するためにはしっかりとした知識を持っていなければなりません。この経験が、現在の治療の基礎になっています。それから、この時期に出会った人たちとは定期的に情報交換をしています。大学を離れると新しい情報が入りにくくなるので今でもつながりがあることはありがたいことだと思います。

診療時に心がけていることを教えてください。

米良豊常院長 米良歯科医院2

医科ではよく使う言葉なんですがEBM(Evidence-Based Medicine )といって「根拠に基づく医療」を行うということ。もう1つはNBM(Narrative-Based Medicine)といって、患者さんの生活環境に寄り添って治療するという、2つのことを念頭において診療を行っています。科学的根拠に基づく治療は大事ですが、だからといってそれを押しつけるのではなく、患者さんに寄り添った治療を進めることが大事だと思っています。例えば、ブラッシング指導においても、患者さんそれぞれ生活環境が違うので、その2つをうまくバランスを取りながら行うようにしていますし、スタッフにもそう話しています。

患者と歯科がともに取り組むことが大事な歯周病治療

歯周病はどのような病気なのでしょうか?

米良豊常院長 米良歯科医院3

歯周病は「サイレントディジーズ(静かに進行する病気)」と呼ばれていて、かかっても患者さんの自覚症状がほとんどない病気です。歯周病は歯肉の炎症が周囲の組織を破壊し、歯を支えている骨まで溶かしていく病気ですが、歯肉に起こっている炎症は全くと言ってもいいくらい自覚できません。歯周病治療はプラークコントロールが重要ですが、プラークはほとんど見えないので、「頑張って歯を磨いています」と言われる方も、実際に診察するとプラークが残っていることも多いわけです。患者さんご自身がこういった点を理解していただく必要があり、そういった意味で歯周病の治療は難しいのです。プラークコントロールには、歯ブラシで磨くだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスを使って時間をかけて丁寧に磨くことが理想です。

私たちはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか?

歯周病は歯科医院での治療だけでなく、患者さん自身が頑張ることも重要で、そうしないとせっかく治療をしてもまた後戻りしてしまいます。ダラダラ食べをしないとか喫煙をやめるなど食生活や生活習慣を見直すことも不可欠です。時には患者さんに面倒臭がられることもあるでしょうが、当院としてはそこは譲れない部分と考え、歯科衛生士と一緒に患者さんには丁寧な説明とご指導を行います。治療が終わり定期検診に移行する患者さんには「お口の健康手帳」をお渡しし、自分のお口の状態を知っていただくようにしています。定期検診の時に持ってきてくださる方にはその都度状態を記入します。治療が終わり、これからこの状態を維持できるように頑張っていきましょうという意味合いが大きいですね。

歯周病治療はなぜ大切なのでしょうか?

米良豊常院長 米良歯科医院4

歯科治療において健康な歯茎を回復させることをめざすのは、建物を建築する際の基礎工事にあたります。どんなに立派な入れ歯やかぶせ物を入れたとしても、基礎部分に問題があり、入れて間もないうちに土台から崩れてしまうようでは、せっかく治療しても元も子もありません。 このように、歯を支えている歯周組織を健康に保つことはとても大切なことといえます。当院では、歯周病の治療を中心とした診療を行っており、患者さんの歯を極力残し、治療後には定期検診を継続していただくことにより、健康な歯と歯茎を保って、いつまでもご自分の歯でおいしく食事していただけることをめざしています。そのためには患者さん自身が歯周病について知り、生活環境を見直すことも大事なのです。治療のために通っていただくというよりは、治療を受けないようにするために通っていただきたいと思います。

進化する歯周病治療、正しい情報を患者に向け発信

歯周病治療はどんどん進化しているんですね。

米良豊常院長 米良歯科医院5

2017年に歯周病の国際的分類が変更され、日本でも採用されています。歯周病の進行度合いを「ステージ」で表し、将来歯周病がどの程度のスピードで進行していくかを「グレード」で表します。糖尿病や喫煙状態が病気の進行のリスク因子として加味されており、歯周病の治療方針はこの分類に基づいて考えていきます。また、2000年初め頃から歯周病の外科処置は大きく進化し、ヨーロッパで歯周組織再生療法の研究が進み、さらに治療効果を高めるための低侵襲性手術法が考案されました。現在は、日本で開発された薬剤を用いた再生療法が保険診療に導入され、歯周病の治療のオプションが増えました。一本の歯にこだわって、できるだけご自分の歯を残して治療を進めていくことを心がけています。

進歩する治療法を取り入れるため、先生自身も日々ブラッシュアップされていらっしゃるんですね。

勉強し続けなければ置いてけぼりになってしまいますからね(笑)。今は、インターネットがあるおかげで国外の歯周病専門誌を簡単に読むことができるようになりました。私も主にヨーロッパの歯周病関連の学術誌を検索していますし、歯周病関連の著名な先生が講演される時は、聴きに行くようにしています。それから、私自身が学術大会で発表することもあります。そうやって発表する機会を持つことで、今までの自分の行ってきた臨床を振り返ることができます。大学の歯周病学講座では論文を読んだり発表したりということが多かったので、そこで培った経験が今に生かされていると思います。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

米良豊常院長 米良歯科医院6

患者さんに適切な情報を伝えていきたいと思っています。今は誰でもインターネットなどで情報を得やすくなっている反面、情報に振り回されてしまったり、間違った情報を信じてしまったりすこともあるかと思います。ですから、私は歯科医師としてきちんと適切な情報を発信していきたいと思っています。それから、皆さんの中には、歯周病の心配をしながらも、どこに相談すれば良いのかわからないという方がいるかもしれません。もし迷われたときは、歯科医師が歯周病専門医であることは1つの目安になると思います。これからも私自身常にアップデートして、患者さんに最良の医療をお届けしたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント/27万円〜(上部構造込み)
オフィスホワイトニング/1万2000円〜

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