有馬 純治 院長の独自取材記事
有馬歯科医院
(鹿児島市)
最終更新日:2021/10/12

県道16号線沿線、花棚入口バス停前にある「有馬歯科医院」。37年前に院長である有馬純治先生が開業した当初から長年近隣の地域住民に親しまれている。虫歯や歯周病の治療をはじめ、インプラント治療や義歯治療などにも対応しており、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が訪れる。清潔感ある院内には大きな窓もあり明るい光が差し込むほか、小さな子どもが遊べるプレイルームも完備され、親子連れでも落ち着ける空間だ。学生時代からラグビーにも長年携わる有馬院長は、がっしりとしたスポーツマンの印象を受けるが、その語り口調はやわらかで相談がしやすい雰囲気。そんな有馬院長に開業までの経緯やクリニックへの思いについて話を聞いた。
(取材日2021年6月8日)
訪問診療も行い、定期的なメンテナンスをサポート
開業までの経緯をお伺いいたします。

今から37年前、まだこの吉野町地区が区画整備される前に開業しました。これから人口が増えてくることが予想されていた地域でしたので、周辺住民の方が立ち寄りやすいクリニックになればという思いでした。今の場所へは2012年の区画整理を機に移転しています。歯科医師になったのは私の父が開業して3代目となる外科の医師であったことと、叔父が歯科医師であったことが影響しています。特に四国で開業していた歯科医師の叔父は、格好良かった。彼はスキーもテニスも国体の選手で憧れていましたし、かつての歯科医師は立位で治療したり自分で技工したりすることが当たり前だったので、そういった姿も印象に残っています。私もそうですが、叔父も生まれは薩摩の人間でしたからある意味武士のよう。細かいところは一切言わない薩摩隼人のような人でした。幼い頃から医療が身近だったのは歯科医師を志す大きなきっかけでしたね。
開業後に海外の大学で学ばれたと伺っていますが、印象的だったことはありますか?
そうですね。歯科医師になってから30代の時にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で3年間学びました。ちょうど留学していた頃は今主流になっているインプラント治療や矯正治療などが始まった時代。海外だと矯正をすることが普通という感覚で、矯正をしていないと貧困と見られる場合もあったようです。あとは、私自身学生時代からラグビーをしていましたので、留学してもラグビーを通してたくさんの仲間に出会いました。場所柄、映画関係の仕事に就いている仲間も多く、作った映画をDVDにしてくれたこともありましたよ。そのほかにもチームにはいろいろな業種の人がいたので、異業種での交流も盛んでしたね。
充実した留学生活を送られていたんですね。今はどういった患者さんの来院が多いでしょうか?

今は定期的なメンテナンスのために来院する患者さんが多いですね。初めのうちは虫歯の治療がほとんどでしたが、徐々にインプラント治療や義歯治療などが増えていき今があります。来院される方は地域住民の方がほとんどで、親子で通っている患者さんも多いですね。当院はサービスつき高齢者向け住宅とデイサービスを併設していますので高齢の患者さんも多いです。来院するのが難しくなった方のお宅に伺ったり老人ホームなどの施設に伺ったりすることもありますよ。訪問範囲は当院より半径16km以内ですので市内はほとんど訪問可能です。
体への負担をできるだけ減らす治療方法を採用
患者さんの体への負担が少ない治療にも尽力されているそうですね。

そうですね。意識を残したまま知覚を鈍麻させるために笑気吸入鎮静法を取り入れています。まずは、酸素を入れて笑気を約30%加え、局所麻酔をしています。治療が終わったら酸素を加えてリカバリーしていくのですが、この方法は患者さんにとって楽だと思います。さまざまな治療にも使えますが、私の場合は手術を伴う治療の時に使うことが多いです。今は麻酔で寝かせる方法もありますが、アナフィラキシーショックなど事故のリスクを考えると、笑気吸入鎮静法のほうが取り入れやすいのではないでしょうか。治療中も眠りはしないので、こちらの言葉に反応もしてもらえますよ。もちろん、何かあったときにすぐに対応できるように大学病院や市立病院との連携も行っています。また、矯正を行いたい患者さんは他院と連携して紹介をするようにして柔軟に対応しています。
インプラント治療ではどのような治療法を取り入れていらっしゃいますか?
インプラント治療を希望される患者さんには、まず連携している病院でのCT撮影をお願いしています。その後、データを当院の分析ツールに取り込んで、どこに土台を打つのがベストかをマニュアルに落とし込んでから治療を行います。かつてのインプラント治療は感覚で行うことが主流でしたが、今は専用の分析ツールを使えば、何ミリのところでどの位置に埋入するかまで知ることができますし、それに合ったインプラントを埋めることが可能になります。今は型を採らずに写真から適したインプラントの上部構造の作製を行えるようになっていますから、患者さんの負担も減り、一人ひとりに合った治療になってきています。
先生が患者さんと接するときに大切にしていることを教えてください。

患者さんがどうしてもらいたいか、ということに対応していくことを心がけていますね。そのために、まずは患者さんの悩みを聞いて、どういうふうにしてもらいたいのかを聞きます。それを踏まえてこちらから提案やアドバイスをすることを大切にしています。中には、本人でも把握できていない不調を訴える不定愁訴の方もいらっしゃいますが、そんなときでもじっくりとお話を伺うようにしていますね。患者さんの中には薬をたくさん飲んでいる方もいますが、そういう方は大きな手術が受けられないこともありますので、保存療法で温存していけるような治療計画を提案します。特に骨粗しょう症や糖尿病を患っている方は注意しながら診療にあたっていますよ。
定期的な歯のメンテナンスが健康寿命を延ばす鍵
クリニックの雰囲気づくりとして工夫していることはありますか?

定期的にメンテナンスで通われる患者さんが多いですので、やはりしっかりと対話をすることを大切にしています。お話を伺っていくといろいろな状況がわかるので、例えば腰が痛い患者さんの場合には椅子の角度を変えるなどの工夫もしています。今スタッフは私も含めて6人いますが、長年勤めている方も多いので患者さんと顔見知りになることで安心できる存在になっていると思いますね。そうした関係性が雰囲気を良くしてくれている要因だと思います。院内は待合室に大きな窓を設けて明るくゆったりとお待ちいただけるような空間にしていたり、小さいお子さんが遊べるプレイコーナーも完備していたりするので親子連れでも安心してお越しいただけていますね。また、診療室もリラックスして治療が受けられるよう個室風に仕切りを設けています。
先生のリフレッシュ方法を教えてください。
学生時代からしているラグビーですね。私は高校時代からラグビーをしていて、大学時代にも続けていました。大学時代は自分たちの世代になって強くなっていった時期で、全国大会もめざしていましたよ。今も社会人のラグビーチームに所属していて、監督をしています。50代までは自分も競技をしていましたが、今は監督としてチームに貢献しています。チームの仲間には70代や80代の人もいらっしゃいますよ。もちろん年齢に合わせて競技をしていますが、いくつになってもみんなで集まってわいわいできるのは楽しいですよね。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

口腔内がきれいな人と汚れている人では、健康でいられる年数が変わってくると思います。汚れたままにしておくと脳梗塞を起こす可能性なども高まるため注意してほしいですね。突然病気にならないためにも、自分の歯の寿命を延ばすことは大切です。健康的な歯を保つためにはやはり定期的なメンテナンスが重要でしょう。当院では、治療に入る前に患者さんのお話をしっかりと伺い、希望をくみ取って治療を進めていきます。患者さんの要望や状態によっては基幹病院への紹介も行うなど柔軟な対応をしていますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは・インプラント埋入手術/29万7000円
・義歯治療(ノンクラスプデンチャー)/13万2000円~