藤田 愛弓 院長の独自取材記事
ニュータウン田島歯科
(鹿児島市/郡元駅)
最終更新日:2024/11/19

鹿児島市鴨池新町にある「ニュータウン田島歯科」。白と木目を基調にした上品な院内は心地良い空気が流れている。父である田島徹先生が1984年に開業した同院を継承し、2代目の院長を務めるのは藤田愛弓先生だ。鹿児島大学病院で歯周病治療全般の研鑽を重ね、大学院でも学びを深めた経験を生かし、同院では予防歯科に注力している。スタッフと院長の綿密なチームワークを礎に、患者のわずかな歯周病の変化も見逃さないよう日々取り組んでいる。一方、院長の夫である藤田正樹先生が中心となって、地域の高齢の患者の訪問歯科診療も行っている。患者の噛める喜びとスタッフの働く喜びをいつも考えているという愛弓院長に、診療への思いを聞いた。
(取材日2024年9月5日)
女性歯科医師の立場から悩みに応える
地域の様子や患者層を教えてください。

県庁や農業協同組合が近くにありオフィス街といった雰囲気が色濃い場所ですが、少し入ると住宅地もあります。この辺りにお住まいで、かつお勤めされている方が一度来院し、その後にご家族も徐々にお越しいただく、といったパターンが多いかもしれません。訪問歯科診療をしていることもあり、小児からご高齢の方まで幅広いライフステージの方がいらっしゃいます。近隣の方はもちろん喜入町や姶良市、指宿市などから来られる方、あるいはフェリー乗り場が近いことから大隅半島から来られる方もいらっしゃいます。現在当院は、父や夫を含め歯科医師が3人、歯科衛生士が2人、助手が2人、受付1人の総勢8人の体制で診療にあたっています。
2024年6月にお父さまから院長を継承されました。ご自身の強みをどう捉えていますか?
父の丁寧で誠実な診療の姿勢は、今後も大切に引き継いでいきたいと思っています。さらに私が女性の歯科医師であることから、歯科医院が苦手という患者さまや女性の患者さまも親しみや安心感をもって治療に臨んでいただけることも多いです。また歯を白くしたいやこんな歯にしたいなど審美面についてもお気軽に相談していただければと思います。そして歯科医院が嫌なところではなくリラックスできる場所だと思っていただけたらうれしいです。
院長に就任された時に決意したことを教えてください。

小児からご高齢の方に至るまで、幅広いライフステージの患者さんをしっかり診ていきたいという思いから、私が院長を引き継いでからは、訪問歯科診療にも注力し始めました。予防ケアや長持ちする治療の提供を重視し、通ってくださる患者さんが口腔の健康を保ちながら、末永く自分の歯で噛める生活を送れるよう、全力でサポートさせていただきたいと考えています。そして、「かかりつけの歯科医院としてここを選んで良かった」と、安心していただける歯科医院をめざしていきたいと考えています。
スタッフと連携しながら歯周病の予防に全力を注ぐ
先生は歯周病治療を専門に学ばれたと伺っています。

大学卒業後、鹿児島大学病院で研修歯科医となったとき、歯科医師として、どうすれば歯を長持ちさせることができるのか考えるようになりました。歯を失う原因は歯周病、虫歯がほとんどです。そして歯周病は痛みもなく、気づかないうちに進行してしまうことが多い疾患です。そのため歯周病について学ぶことが、歯の寿命を延ばす方法の一つだと考えました。歯周病科に入局し、大学院修了まで、歯周病を専門に学びました。その中で歯周病治療全般だけでなく重症化した歯周病に対する歯周外科手術や再生療法などの外科治療を学ばせていただくことができました。現在、治療後も歯を長持ちさせるために、得た知識や技術を日々の診療に生かしています。
具体的に、どのような予防ケアに取り組まれていますか。
当院では初診で口腔内診察を徹底し、虫歯や歯周病の有無やリスクが高い部位を見つけます。ご自宅でのセルフケアの方法を一緒に考え、患者さんごとの治療計画を立てます。治療後もなるべくその状態が維持できるように、定期的に管理することを勧めています。そのため、もし虫歯ができたときも早期発見・早期治療に努め、歯を削る際もなるべく最小限に抑えた治療を行えます。患者さんに専門家として正しい知識をお伝えして、ご自身の歯を守るためにも予防することの大切さをお伝えしていきたいと思います。
スタッフの方々の役割もますます重要になっているのですね。

当院の歯科治療は、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付がそれぞれの役割を全うし、協力することで成り立っています。そのためにその都度、情報共有を意識して診療にあたっています。また月に一度、質の高い医療を提供するために会議を行い、当院をよりよくしていく努力を怠らないようにしています。また地域への医療提供を絶やさないために、従業員が働きやすいように職場環境をより良くできるようにヒアリングを行い、改善に努めています。また月1回の会議とともに勉強会を行い、最新の技術や知識のアップデートを図っています。結果的に従業員にも仕事にやりがいや向上心を持って取り組んでほしいと願っています。
訪問歯科診療で高齢者の口腔の健康や生活面をサポート
訪問歯科診療にも注力されていると伺いました。

はい。近年は訪問歯科診療の需要が増え、正樹副院長が近隣の提携している総合病院や介護老人保健施設に訪問診療を行っています。介護老人保健施設には、入居者の方の口腔管理を任されており、施設のスタッフと協力しながら、口腔内の環境を守るために連携させていただいています。訪問歯科診療というとご高齢の方の口腔内のケアが中心であるものの、外来診療と違い「患者さんの生活を支える」視点も随所に求められます。診療時に気づいた衛生状態のアドバイスをしたり、介護スタッフさんがより効率的に歯のケアができるような道具の提案を行ったりします。超高齢社会における医療の人手不足という課題の中で、今後も医療従事者同士の連携を図りながら、歯科で可能なサポートを精いっぱいさせていただきたいと考えています。
今後の展望を教えてください。
父から受け継ぐこの歯科医院をさらに発展させ、地域医療に貢献していくために、歯周病だけでなく、そのほかの専門性を磨いていきたいです。当院の基本理念として患者さんには、なるべく長く、自身の歯で口から食事をしていただきたいと願っています。そのために少しでも歯を抜かないで済むように、虫歯の進行した歯の根管治療にも力を入れていきたいと考え、現在、知識を深め、鋭意努力しております。少しでも根管治療の成功率を上げるために、無菌的な治療を行うためラバーダムと拡大鏡を併用し治療にあたっています。今後もより良い医療を提供するために日々精進していきたいと考えております。
地域の方へのメッセージをお願いします。

今後も通ってくださる患者さんが、自分の歯で噛める喜びをいつまでも味わえるよう、最大限努力をしながら歯を残すための治療を提供していきたいと思っています。ひいては、皆さんの健康寿命の延伸に貢献できたら本望です。特に年を重ねるといろいろな健康上の不安が出てくると思いますが、地域にある病院と連携を図りつつ、全身的な疾患を踏まえて治療にあたっておりますので安心して受診していただけたらと思います。スタッフ一同全力でサポートさせていただきますので、どんなことでもお気軽に相談いただけるとうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/35万円~