赤嶺 雄志 院長の独自取材記事
赤嶺歯科クリニック
(那覇市)
最終更新日:2021/10/12

赤嶺雄志院長が、故郷沖縄に戻り、先代が開業した「赤嶺歯科クリニック」を継承したのは2008年。3台のチェアがある診療室はゆとりがあり、それぞれがパーティションで区切られプライバシーに配慮した造りになっている。「患者の話をしっかり聞き、わかりやすい説明をする」「義歯や顎関節症など得意分野に特化した治療」「きっちり予約時間を守った診療」「自身の経験を生かしたスポーツ歯科」など、赤嶺院長の思いがあふれたクリニックだ。そんな赤嶺院長を頼り、県外出身者や離島から来院する患者も多いという。得意な治療や完全予約制への思いなど、学生時代のエピソードを交えてたっぷり聞いた。
(取材日2020年7月2日)
地元沖縄で地域の人々に寄り添った診療を
地元の沖縄に戻って診療しようと思ったきっかけを教えてください。

私は生まれは北海道なんですが、両親は沖縄出身でこのクリニックも先代が開業し、私が継承しました。大学は関東で、卒業後も本土で10年ほど研鑽を積み、2008年に当院の院長に就任しました。高校の頃は大学は経済の分野に進みたいと思っていたのですが、気がついたら歯学部に入学し、歯科医師になっていました。やはり歯科医師になることが自然の流れだったんでしょうね。沖縄というと一般的に時間の感覚がゆったりしていると思われがちですが、実際には皆さん時間を守って来院してくれますし、本土で仕事をしていた時と変わりありません。これは土地柄かもしれませんが、大らかな人が多く、私たちに対しても優しい患者さんが多いですね。
学生時代や研修医時代に心に残っていることはありますか?
学生時代は勉強は半分で、ほとんどの時間を部活のラグビーに費やしていましたね。真剣に歯科に目覚めたのは大学を卒業してからでしょうか。生まれ故郷の札幌で研修医のお話をいただいたのもご縁だと思い、札幌医科大学附属病院歯科口腔外科の医局に入ったわけですが、そこがすごい体育会系で、学生の延長みたいな毎日でした(笑)。ほぼ休みなしのような時もありましたし、大学を卒業した時は先輩の立場だったはずなのに、また一年生に戻ったような感じで。大変なことも多かったですが、すごく鍛えられた部分もあり、札幌生活は私の原点になっていると思います。学生時代にラグビーをやったことが、今スポーツ歯科をするきっかけにもなっていますし、札幌での経験が歯科医師としての原点になっていて、どれも今につながっていると感じます。
クリニックの患者層や主訴について教えてください。

20~70代まで幅広い年齢層の患者さんに来ていただいています。中心は30、40代の働く世代でしょうか。近所の方だけでなく、新都心や市外など少し遠くからも来院されています。実は県外出身の患者さんも結構いらっしゃるんですよ。義歯や噛み合わせ、顎関節症などの治療を得意としているので、そういう情報をホームページでご覧になって来院してくださる患者さんも多いです。ですから「入れ歯が合わない」「入れ歯を作りたい」「顎が痛い」「噛み合わせが気になる」という訴えが多いですね。本土では、歯科医師が多数在籍し、一日の患者さんが100人を超えるような歯科医院でも勤めました。その経験は今の診療に生かされていますが、自分のクリニックではもう少し時間をかけてじっくり患者さんと向き合いたいと思い、一日にお受けする患者数もそれを考慮しています。
義歯や顎関節症など、得意分野に特化した治療
先生が得意とされている治療分野は何でしょうか?

「義歯」ですね。これは力を込めて言いたいです。勤務医時代から自分が歯科医院を継いだら義歯に特化した治療をしていきたいと考えていました。義歯というのは、歯を失われた方の治療で、最近はインプラントがメジャーではあります。ですが実は義歯で困られている方が多くいらっしゃるんです。インプラントは確かに良い治療法ではあるものの、いろいろな状況でインプラントができないという方もいます。そういう方は義歯を選択されるわけですが、その義歯を専門にしている歯科医院はそんなに多くはない。そこでインプラントに力を入れるクリニックがあるように、義歯に力を入れている歯科医院があっても良いなと思ったんです。そのために年に何回か東京での勉強会に参加するなど、知識や技術の向上に努めています。
他にも力を入れている治療はありますか?
顎関節症の治療にも力を入れていますね。顎が痛い原因というのは多岐にわたりますが、歯並びが乱れ噛み合わせが悪いことで顎の調子が悪くなることはよくあるんです。ですが、それを調べる術があまりなく、型を採って模型を見てということが一般的です。当院では咬合器を使い、噛み合わせをしっかり診断をしてから治療を行うようにしています。また、自分がスポーツ好きで大学時代ラグビーをやりマウスガードを使うことが日常であったこともあり、自分の経験も踏まえ、スポーツ歯科の分野にも力を入れています。自分の口にしっかり適合したカスタムメイドのマウスガードを装着することが外傷の予防につながりますので、スポーツ用マウスガードについて興味や疑問があればお気軽にご相談ください。
診療では患者さんへの説明を大切にされていらっしゃるんですね。

患者さんのお話をしっかり聞き、じっくり時間をかけて完成度の高い治療をすることが当院の理念です。ですから、治療の際の説明も丁寧に行うように心がけ、エックス線写真や口腔内写真を撮ってお見せすることで、患者さん自身に自分の口の中の状態をわかってもらえるようにしています。また、サンプルや資料を多く用いて示すようにし、口頭だけではわかりにくいことも、目で見て理解してもらえるような工夫をしています。当院では、急性症状がない限りは、初診ではいきなり治療を行うということはせず、診査とカウンセリングに時間をかけるようにしています。
患者を待たせない正確な予約時間
時間に正確な診療を心がけていらっしゃるとお聞きしました。

自分がクリニックにかかった時、予約して行ったのに長い時間待たされて次の予定が立たず困ることがあって、そういうのは嫌だなと感じていました。ですから、時間どおりに来院していただき、30分、1時間という予定どおりの診療でご帰宅できるよう、診療時間には徹底してこだわっています。今は多くの歯科医院で予約制を取り入れていると思いますが、実際には待合室には人があふれていることが多々あるのではないかと思います。そういう状況だと、患者さんのほうも「時間どおり行っても待たされるから」と遅れてしまったり、連絡なしでキャンセルされたりということがあると思うんですね。それは患者さんにとってもクリニックにとって良くないと思うので、当院では「時間どおりきっちりと診療する」をモットーに日々努めています。
歯科医師の立場から、最近気になることはありますか?
お子さんなど若年層は口の中の状態が良くなっていると感じますが、40代以上の方を診ると、歯を失うなど口腔内の状況が悪くなっている人が増えているのを感じます。年齢が高くなるに従って治療の選択肢は、狭くなる傾向にあり、今後ますます社会の高齢化は進んでいくことを考えると、そういう患者さんが増えないよう、重点的に診ていきたいですね。お口の中に興味がなくて悪い状態になってから気づくという方もいらっしゃいますが、歯が欠損したままで生活していると、食事をするのも難しくなってくると思います。義歯は基本的にはどの方にもできる治療なので、歯がなくて日常の生活に困っている方は早めに来院してください。
最後に、今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

先ほどもお話ししましたが、義歯や噛み合わせの専門性を高め、その分野に特化した歯科医院でありたいと思います。当院を継承する以前に、さまざまな歯科医院で勤務し幅広い分野での診療を行った経験も生かしつつ、より専門性の高い診療をしていきたいと思います。それから、情報発信は大切にしたいと思いますね。市内や地元だけでなく、県外出身の方や離島からの患者さんが多いのも、私のプロフィールや診療方針などをホームページなどで見聞きし、それに共感してもらえているからではないかと思います。体の不具合も診てもらうなら、よく知らない歯科医師よりは、歯科医師はこういう人でこういう考えで診療しているということがわかったほうが良いですよね。当院の情報を知ってもらうことで、患者さんにも安心して通ってもらえるようにしたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは精密義歯(金属床)C0-Cr床 チタン床/25万円~50万円
※欠損の数や設計によって金額が変わります。
スポーツ用マウスガード/小・中学生 4000円 高校生 5000円 一般 6000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。