外間 宏正 院長、外間 宏行 先生の独自取材記事
ほかま歯科クリニック
(那覇市/首里駅)
最終更新日:2021/10/12

1983年の開業以来、首里地域の歯科医療を担ってきた「ほかま歯科クリニック」。県道29号線と県道82号線が合流する場所で長らく診療を続けてきたのが、院長の外間宏正(ほかま・ひろまさ)先生だ。困っている人を助けたいとの思いで歯科全般に対応し、必要に応じて日曜や夜間診療も行ってきた。現在は長男の外間宏行(ひろゆき)先生も加わり、子どもから高齢者まで幅広い患者を診ているという。患者と友人のように接したいと話す気さくな外間院長と、丁寧な説明を心がけているという宏行先生に、クリニックの特徴や診療に対する考えなど、話を聞いた。
(取材日2021年7月29日)
困っている人を何とかしたいとの思いで患者と向き合う
クリニックの特徴や患者層について教えてください。

【外間院長】虫歯や歯周病の治療をはじめ、小児歯科、入れ歯治療など、歯科全般を診ています。矯正に関してのみ、専門のクリニックをご紹介しています。私の次男が院長を務める、浦添市の「ほかまデンタルクリニック」とも連携していて、そちらのほうが通いやすいという方は紹介することもありますね。患者さんは小さいお子さんからお年寄りまで幅広く、開業当初からの患者さんや、家族で来てくださる方も多いです。首里駅から近いので、モノレールで来る方もいらっしゃいます。40年ほどやっていると、「そんなところから」と思うほど遠方からの方もいるんですよ。離島からの患者さんも珍しくなく、コロナ禍になる前は多良間島や久米島から通院される方もいらっしゃいました。
【宏行先生】患者さんはクチコミで来てくださる傾向が強いですね。知り合いから聞いていらっしゃる方が多く、ありがたいことだと思っています。
院長はどういう思いを持って診療にあたっているのですか?
【外間院長】一番大きいのは、困っている人たちを何とかしたいという思いです。そのために、緊急事態であれば夜間や日曜でも診てきました。「どうしても日曜しか行けない」「痛みがひどくて眠れない」という友人の声に応えているうちに、緊急性やご要望に応じて、そうした時間帯も診るようになったんです。本当のことをいうと、のんびりしていたいというところも私にはあるんですが、やはり患者さんを放っておけないですからね。地域の方々のニーズに合わせて、柔軟性を持って診療してきました。また、治療面においては歯科全般を診られるように、ということも思っています。
印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

【外間院長】お子さんの治療のために、沖永良部島から飛行機で毎週通われていた親子の患者さんですね。そんな遠方からわざわざ来てくださり、とても驚いたのですが、子どもが暴れてしまって言うことを聞かず、歯科に通院するのを苦労されていたそうです。奄美大島や鹿児島市内のクリニックに行ってみたけれど駄目で、知り合いの方から当院の話を聞いて来てくださったということでした。ところがうちではとても素直で、特に何の苦労もなかったんです。不思議だなあと思ったことを覚えていますね。
大学病院ならではの診療部門で研鑽を積む
そもそも院長はなぜ歯科医師になろうと思ったのですか?

【外間院長】私の両親は学校の教師で、父は後に違う仕事に就きましたが、親戚にも教師が多かったんです。特に誰かが歯科医師だったという環境ではありませんでした。それでも歯科医師をめざした原点として、私がまだ小学校に上がる前、実家の隣にあった歯医者さんの影響があったと思います。そこの待合室に本や雑誌がいっぱい並んでいて、当時の私はそれを読みたいばっかりに、しょっちゅう出入りしていました。振り返ってみると、そうした経験から歯科を身近に感じるようになっていったのかもしれませんね。
開業までの経緯を教えてください。
【外間院長】大学は日本大学松戸歯学部に進学しました。当時の同級生にはいろいろな人がいましたね。高校を卒業したばかりの学生だけではなく、社会人経験を経て歯科医師をめざす30~40代の人もいて、みんなで一緒によく出かけたことは楽しい思い出です。卒業後はそのまま大学に残り、臨床病理という科で研鑽を積みました。歯科診療に生かす目的で、血液検査や心電図、組織診などさまざまな検査を通じて全身状態を調べるところですが、その頃は歯科でそうした部門があるのは珍しかったと記憶しています。また週に2回、日本大学医学部附属板橋病院の研究室にも通っていました。その後、沖縄に帰って勤務医として働いていたところ、首里に物件があると声をかけてもらったのが開業のきっかけです。実は当初、開業のことは考えていなかったのですが、タイミングが合ったのかなと思います。
宏行先生のご経歴もお聞かせいただけますでしょうか?

【宏行先生】私は小学生までは首里で過ごしました。学校帰りに父のクリニックに寄ることもありましたが、当時は歯医者さんになろうとは思っていませんでしたね。中学・高校は海外で学びましたが、大学は日本でと考えて帰国しました。まずは大学受験資格を得る試験に合格してから歯学部受験に挑み、北海道医療大学へ入学しました。その頃は、卒業したらまずは臨床研修をしっかりやって、それからどこで働くか決めようという気持ちだったと思います。2014年に大学を卒業してから臨床研修を受け、そのまま研修施設だった大学病院の歯科麻酔科で1年半ほど経験を深めることができました。特にきっかけはありませんでしたが、沖縄へ戻ったのは自然な流れだったかもしれませんね。父と一緒に患者さんを診ていこうと思い、今に至ります。
丁寧に説明し、患者の気持ちを尊重した治療を
宏行先生が加わったことで、どのような変化がありましたか?

【外間院長】新しいことを学んだ若い世代が入ってくれるのは、たいへん心強いことです。次男の宏亨先生も、浦添にある自院の休診日にこちらで診てくれることがあるんですよ。複数人になることで、私一人では気がつかないことに気づけますし、気持ちが楽になるというメリットもありますね。
【宏行先生】患者さんは基本的に担当制にして、特にご希望がなければ、2回目以降も同じ歯科医師が診ています。患者さんからすると、事情をわかってくれているという安心感があると思います。また、私が診療に加わったことで特に意識しているのは、時間を守るということです。急患はもちろん例外ですが、患者さんにも予約時間を守っていただけるとありがたいですね。時間どおりに来ることで待ち時間が減らせれば患者さんにとってもいいですし、感染症対策の面からもできる限り院内でお待たせしたくないと考えています。
今後、どういうクリニックをめざしていきたいですか?
【外間院長】開業以来、長いお付き合いの方が多く、歯科医師と患者という枠を飛び越えて親しくしている方もいます。今後も地域に密着して、人間関係を大切にしながら患者さんの要望をしっかり受け止めていきたいですね。例えば、「これは抜かないと駄目かな」と思う状態でも、患者さんがためらう場合は、ご本人が納得するまで待つようにしています。無理に進めるのではなく、患者さんの気持ちを尊重した治療を提供していきたいです。
【宏行先生】治療に関する説明は、しっかり行いたいと思っています。患者さんからの質問に対してわかりやすく答えるということに加え、今後の展望を見据えた治療計画、つまり、どうやって治療を進めていくかという点も丁寧にお伝えしたいです。また最近は治療だけでなく、クリーニングなど予防のために通ってくださる方も増えてきました。こうした予防歯科も重要だと思いますので、推進していきたいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【宏行先生】なるべくお待たせせずに、一人ひとりきちんと時間を取って診療を行っていきたいので、そのためには先ほども申し上げましたが、予約時間を守ってくださるようお願いしたいですね。ただ、眠れないくらい痛いといった状態は緊急事態です。そうした場合は、たとえ元旦であっても遠慮なさらず、どうぞすぐにお問い合わせいただければと思います。
【外間院長】さまざまな要望になるべく応えられるようにして、急を要する状態の時でもできるだけ対応するように心がけています。また疑問に感じることは、遠慮なく尋ねていただきたいですね。患者さんとは、友達のように話しやすい関係をめざしていますので、「これを聞いたら怒られるんじゃないか」と心配せず、ぜひ気軽に何でも聞いていただきたいです。