埋入本数だけではない
ボーンアンカードブリッジで重視すべき点
嶋野歯科医院
(古河市/古河駅)
最終更新日:2024/09/10


- 自由診療
失った歯を補うことを目的とするのがインプラント治療だが、もしほぼすべての歯を失ってしまったらどうだろう。体への負担や費用面を考えると、すべての歯をインプラントにするのは現実的ではないかもしれない。そのようなケースで「嶋野歯科医院」が提案しているのが、「ボーンアンカードブリッジ」だ。インプラントの本数は4本を基本とし、うち2本は上顎洞に沿って埋入して、その日のうちに仮歯まで装着。義歯はチタン製フレームを使ったネジ止め式補綴物を使用する。最近ではボーンアンカードブリッジを掲げる歯科医院も増えているが、嶋野一弘院長は「クリニック選びは慎重に」と警鐘を鳴らす。重視すべきポイントは何なのか、嶋野院長に話を聞いた。
(取材日2024年8月20日)
目次
ボーンアンカードブリッジで重要なのは、埋入本数だけではない。義歯の装着方法や体制もチェックポイント
- Qどのような場合にボーンアンカードブリッジを検討するのですか?
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A
▲インプラント治療に関して長年臨床経験を詰んだ嶋野院長
ほとんどの歯が欠損している方、もしくは重度の歯周病などでほとんどの歯を失う可能性が高い場合に、ボーンアンカードブリッジを検討します。総入れ歯を使っている患者さんが、嘔吐反射・違和感・毎日の取り外しなどに不満を感じて、ボーンアンカードブリッジを希望されるケースも多いですね。すべての歯をインプラントにするのは体への負担や費用面から考えて難しいことですが、ボーンアンカードブリッジで埋め込むのは数本のインプラント。取り外し式ではないので突然外れてしまう心配もありませんし、審美性にも配慮された治療法です。
- Q具体的にその内容について教えてください。
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A
▲クリニックレベルでは珍しい、オペ室も備えている
インプラントの本数は4本を基本とし、鼻の空気の通り道につながる頬の内側にある空洞である上顎洞に沿ってうち2本を埋入します。その日のうちに仮歯まで装着します。体への負担と安定性を考慮して当院では4本を基本としていますが、歯科医師の判断により、前歯に追加インプラントを行う場合もあります。また上顎洞が前方に張り出している場合などでは、人工骨の移植を伴うケースもありますね。仮歯も含めて、義歯はチタン製フレームを使ったネジ止め式補綴物です。当院では使用するインプラントのメーカーにもこだわり、純正チタン製のもののみを取り扱っています。
- Q設備や体制にも、こちらならではの工夫があるそうですね。
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A
▲先進のガイドシステムを用いながら治療にあたる
セファロ検査機器で口腔内全体を確認して綿密に計画を立て、治療ではナビゲーションシステムを活用しています。手術を行う部屋は、オペ室として専用設計された空間です。歯科麻酔専門の歯科医師が必ず同席し、血圧・血中酸素濃度・心電図の確認と管理を行います。またボーンアンカードブリッジでその日のうちに仮歯まで装着できるのは、院内に歯科技工士がいるからです。このように安全性と精度を重視したインプラント治療を提供していますが、やはり不安から踏みきれない方もいらっしゃるでしょう。当院にはインプラントコーディネーターがおりますので、気になることがあればインプラントコーディネーターに何でもご相談ください。
- Qボーンアンカードブリッジが向いていないケースもあるのですか?
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A
▲リカバリールームも備わっている
まずインプラント治療全般にいえることとして、「入れて終わり」ではありません。術後のメンテナンスはしっかりと受けていただく必要があります。治療後も歯の健康を真剣に考え続けられる方でないと、良い状態を保つことは難しいかもしれません。また最近では、ボーンアンカードブリッジを掲げる歯科医院も増えてきました。ですが、たとえ4本のインプラントを埋入したとしても、それ以外の工程が間違っていれば望むような結果にはつながらないでしょう。患者さんがこれらをご理解いただけない場合、また正しい方法で治療が行われなかった場合には、トラブルにつながりかねないと思っています。
- Qクリニック選びのポイントを教えてください。
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A
▲「患者さんに正しい知識を身につけてほしい」と院長は語る
埋入の本数や角度、当日の仮歯装着、その装着方法、使用するインプラントの素材まで、ボーンアンカードブリッジについて歯科医師が熟知し、治療が適切に行われていることが重要です。私には、4本という埋入本数のみが一人歩きをしているようにも思えるのですが、大切なのはそこではないということを声を大にしてお伝えしたいのです。また手術を行う歯科医師の臨床経験も重要ですが、安全面や患者さんの心理面までケアできるような体制が整っているのかどうか。ボーンアンカードブリッジをご検討の際は、ホームページなどでクリニックの取り組みについて十分に調べることをお勧めします。
自由診療費用の目安
自由診療とはボーンアンカードブリッジ治療/230万円~、人工骨の移植/15万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。