インプラント治療は事前のコンサルテーションが重要。インプラントコーディネーターになんでも相談を

Qインプラントコーディネーターの役割を教えてください。

A

▲インプラントコーディネーターの根目沢さん

インプラントコーディネーターは、いわば患者さんと歯科医師をつなぐ「通訳」のようなもの。私は歯科医師ではありません。歯科医師や歯科衛生士よりも患者さんの目線に近く、だからこそ患者さんの不安な気持ちも理解できますし、「わかりにくいかな」と思われる専門用語を一般的な言葉でわかりやすく伝えることができるのかもしれません。高額なインプラント治療をご検討いただくのですから、大切なのは私という人間を信じていただくこと。先生の前では緊張して言いにくいこともあるかもしれませんが、私の前ではリラックスして本音で話していただきたいと思いながら、心を込めて患者さんのお悩みに向き合っています。

Q具体的にどのようなことをお話しされるのでしょうか？

A

▲患者の視点に立って、カウンセリングを行う

複数のパターンが考えられる治療計画の違いをご説明しながら、患者さんの疑問や不安を解消していくのが私の役目。費用や医療費控除など金銭面に関するご質問も多いですね。さらに患者さんの家族構成や生活背景まで知ることで、より良いアドバイスができるよう心がけています。中には嘔吐反射や歯科恐怖症のお悩みを持つ方もいらっしゃいますので、インプラントの枠を超えて歯科治療について広く質問をいただいてもお答えできます。そのほか、必ずお伺いするのは患者さんの健康状態です。糖尿病などの全身疾患がある場合には、先生と協力して、インプラント治療を受けられる状態になるまでサポートしています。

Q健康に関しても一緒に考えていただけるのですね。

A

▲インプラント治療に関して院長とともに研鑽を積んでいる

はい。カウンセリングの中で糖尿病など健康上の注意点がある場合は、院長や麻酔科の先生に相談します。糖尿病の患者さんがインプラント治療を望んでも、血糖値が一定以上ですと手術を受けられないことがあるんです。食生活の改善で血糖値をコントロールしなくてはなりませんが、少し長い目で見ることになるので、途中でくじけそうになることもあるでしょう。そんなときはスマートフォンから私にメッセージを送ってください。私自身、健康のためにダイエットを乗りきったことがあるんです。カロリー制限中のつらい気持ちも理解できますから、「甘いものが食べたいのだけど……」などのご相談にも無理のないアドバイスをいたします。

Q患者さんへの説明で工夫していることはありますか？

A

▲明るい笑顔がすてきな根目沢さん

わかりやすく伝えるために「例え話」を使うことが多いです。「歯に膿がたまって、骨が溶ける」と言ってもピンと来ないかもしれませんが「シロアリが木を食べるのと同じ」と日常のワンシーンに例えればイメージしやすいですよね。もう一つは、患者さんと同じ目線で考えること。私と同じ年代もしくは少し上の患者さんも多く、お子さんの受験や結婚を控えていたり、お一人で子育てをしていたり、ご両親の介護が始まったりと、人生にはいろいろなことが起こります。私も同じように人生経験を積んできた身として、患者さんの今の状況ならば、いつ、どのような治療が適しているか、等身大のアドバイスを差し上げたいと思っています。

Q以前からインプラントコーディネーターがいらしたのですか？

A

▲院長とともに嶋野歯科医院を支える

いいえ。私が当院で勤務するようになった頃は、インプラントコーディネーターというポジションはありませんでした。患者さんへの説明はスタッフがチェアサイドで行っていたんです。ですが商家の生まれで人と接することが好きな私の強みを生かすため、院長が私にこの仕事にチャレンジする機会をくださいました。そこから勉強を重ね、現在に至ります。私がインプラントコーディネーターとして患者さんと接するようになってから、納得してインプラント治療を受けられる患者さんも増えたのではないかと思っています。患者さんに「なんでも話せて良かった」と喜んでいただけるように、親身なサポートとアドバイスを提供していきたいです。