藤橋弘院長、天下井一博先生、藤橋朝子さんの独自取材記事

藤橋歯科医院

(宇都宮市／東武宇都宮駅)

最終更新日：2025/10/15

「おいしく楽しく美しく」。そんな願いを込めて診療を続けてきた「藤橋歯科医院」は、40年にわたり宇都宮の市街地で地域に根差してきた。吹き抜けの窓から降り注ぐ光と緑あふれる院内は、歯科医院であることを忘れさせるほど居心地が良く、訪れる人の心を和ませる。藤橋弘院長を中心に、歯科医師や歯科衛生士、受付まで全スタッフが互いに尊重し合いながらチームで取り組む姿勢が、信頼と安心感を生んでいる。初診から定期メンテナンスまで一貫して「対話」を重視し、患者が安心できるように寄り添う姿勢を大切にしている。今回はその根底にある想いを、弘院長、天下井一博先生、歯科衛生士の藤橋朝子氏に聞いた。

（取材日2025年7月23日）

「おいしく楽しく美しく」
密なコミュニケーションが質の高い医療につながる
口腔の健康は豊かな人生に欠かせないもの

「おいしく楽しく美しく」

ご開業から40年ですね。

【弘院長】今のこの場所に移転して20年、その前の場所と合わせると通算40年になります。ここまで診療を続けてこられたのは、私たちなりに丁寧で誠実な歯科診療を心がけてきたことを、地域の皆さんが温かく受け止め、支えてくださったおかげだと感じています。開業当初からずっと通ってくださる方や、3世代にわたって来てくださるご家族もいらっしゃり、ご紹介を通じて広がる新しいご縁にも日々感謝しています。最近復帰したスタッフが「小学生の頃、新築工事中の医院の横を通って通学していたんです」と話してくれたこともあり、そんなご縁にふれられるのもうれしいですね。

お口の健康を保つことの大切さについて聞かせてください。

【弘院長】これまで歯科診療を続けてきて実感するのは、歯がしっかり機能し、良い状態を保っている方はご高齢になってもとてもお元気だということです。もちろん栄養を取るだけなら他の手段もありますが、「おいしく」「楽しく」食べることが、何よりの活力につながると思います。例えば、ご友人との食事会で、自分だけ歯の不調で食べられなければ楽しみは半分になってしまいますし、口元が気になって笑顔を隠してしまうようでは心から楽しむこともできません。だからこそ、食べたいものを自由に味わい、気兼ねなく会話し、自然な笑顔で過ごせることがとても大切だと感じています。そんな日常を支えるために、私たちは歯科医療に取り組んでいます。

日々の診療で大切にしていることはありますか？

【天下井先生】患者さんがどのようなお気持ちで来院され、何を望んでいらっしゃるのかを丁寧に伺うことを大切にしています。「痛い」とひと言で表現されても、その痛みの性質や背景は人によってさまざまですし、うまく言葉にできないこともあるでしょう。そうしたときには私たちからも積極的に声をかけ、気持ちをくみ取るよう努めています。そのために、スタッフ全員で声のかけ方や話の聞き方を日々意識しながら取り組んでいます。お悩みや思いをしっかり伺った上で、歯科医師が必要に応じて機器を使い診査・診断を行い、治療計画を立てます。そして、その後は患者さんにご納得いただけるよう、わかりやすく丁寧に説明することを心がけています。

密なコミュニケーションが質の高い医療につながる

医療に関する説明は患者さんにとってわかりにくいことも多いのでは？

【弘院長】一番大切にしているのは、患者さんに「なるほど、こういう理由でこの治療が必要なのか」と納得していただくことです。私たちの説明は、歯科医師の主観ではなく、科学的根拠に基づいたもの。難しい内容も、患者さんが理解できるように丁寧にかみ砕いてお伝えしています。患者さんが納得して治療を受けてくださると、その効果をしっかり実感していただけますし、治療後のメンテナンスも安心して続けていただけます。患者さんの思いや不安を引き出す聞き方、わかりやすく伝える工夫は、スタッフ全員で日々心がけています。

治療だけでなくメンテナンスも重要なのですね。

【朝子さん】虫歯や歯周病の治療は治して終わりではなく、定期的なメンテナンスを続けてこそ、お口の健康をしっかり守ることができます。特に歯周病は、症状が落ち着いても油断せず定期的にチェックやケアを行うことが欠かせません。当院の歯科衛生士は患者さんの小さな変化にも気づき、必要なケアや歯科医師による治療につなげる判断を大切にしています。さらに、患者さんに安心して通っていただけるよう、一人ひとりに寄り添った対応を心がけています。こうした取り組みの積み重ねが、長く通い続けてくださる患者さんにつながっていると思います。患者さんが自分の歯の健康を守れるようサポートできることが、私たちにとって何よりの喜びです。

スタッフの皆さんがよく話し合われていますね。

【朝子さん】当院の全スタッフはみんな意識が高く、患者さんの健康のために何ができるかを常に考えコミュニケーションを密に取り合っています。歯科医師、歯科衛生士だけでなく受付スタッフや、クリーンスタッフなど全員で毎朝ミーティングを行い、午後から勤務のスタッフも随時引き継ぎます。私が歯科衛生士として働き始めた頃、インフォームドコンセントという言葉は一般的ではありませんでした。今では医療関係者はもちろん患者さんもよくご存じだと思います。当院では開業当初から患者さんへのご説明は今と変わらぬ体制でしたし、当時の歯科衛生士は歯科医師の助手のような位置づけが一般的でしたが、当院では歯科衛生士の立ち位置や役割は今と変わらず歯科医師と対等なパートナー的なものでした。時には歯科衛生士と歯科医師がディスカッションし、提案し合う。そうやって長く患者さんのお口の健康を守り、信頼を得てきたと思います。

口腔の健康は豊かな人生に欠かせないもの

スタッフの皆さんの意識やスキルの高さも特徴でしょうか。

【天下井先生】歯科診療は、何か一つの分野について突出した技術を持っていても、他の分野のレベルが低ければ良い治療結果は得られません。すべての分野・工程で、すべてのスタッフが相応のレベルに達していないといけないわけです。当院ではそんな体制を保つべく全員で努力をしています。また時折、他院で納得いく治療が受けられなかったからと、ある種救いを求めて来院される患者さんがおられます。どの先生も全力を尽くしたはずで、きっと歯科医師の先生と患者さんの考えや思いがすれ違ったんだと思います。丁寧に診査・診断・ご説明すると安心していただけるようです。

お互いの尊敬する点など教えてください。

【弘院長】天下井先生は、確かな技術を持ちながらも、物事の受け止め方が柔軟で、失敗も成功も次に生かそうとする姿勢が素晴らしい先生です。根が素直で、患者さんのために真摯に取り組むところは、いつも感心させられます。朝子さんとは40年来の付き合いで、互いに支え合いながら日々患者さんに向き合っています。多くの方から信頼されているのも、そうした地道な努力の積み重ねがあってこそだと思います。当院の先生方は、常に新しい知識や技術を学びながらより良い治療を届けようと努めておられ、その姿がとても印象的です。

天下井先生や朝子さんはいかがですか？

【天下井先生】藤橋歯科医院の全スタッフの個々のレベルの高さ、それが結集した時のチーム力や全体のレベルの高さには驚かされるばかりです。院内のコミュニケーションもしっかり取れていて安心できますし、歯科診療は本当にチーム力がものをいうので、勉強になることばかりです。
【朝子さん】院長の常に高みをめざして努力し続けている意識の高さに尊敬の念を抱いています。その一方でつい気にかけたくなる存在で、そこが魅力なんでしょうね。天下井先生はとても勉強熱心で、なんでも吸収しようとする向上心がすごいです。

読者へのメッセージをお願いします。

【弘院長】豊かな人生には、お口の健康が欠かせません。お口の健康や美しさは、患者さんの自信にもつながると私たちは考えています。健康を守るには、歯科医師だけの力では不十分です。歯科衛生士と歯科医師が連携し、定期的なメンテナンスで歯や歯茎、唾液の状態までしっかりチェックします。患者さんのお話にも耳を傾け、異常をいち早く発見して歯科医師に報告・相談できる体制を整えています。最近は、元気なうちにお口の中を見直す方が増えてきているようです。「健康寿命を延ばして、いつまでもおいしく食事を楽しみ、楽しくおしゃべりしたい」と考える方も多くいらっしゃるようです。実際、合わなくなった詰め物はやり替えが必要ですし、安全性の観点から使われなくなった材料が使われている場合もあります。これからも、おいしく楽しく美しく過ごしていただけるよう、私たちもしっかりサポートしていきます。