阿部 博愛 院長の独自取材記事
松田歯科クリニック
(宇都宮市/宇都宮駅)
最終更新日:2025/12/29
宇都宮駅から車で約10分の「松田歯科クリニック」。2025年5月に阿部博愛(あべ・ひろよし)院長が継承し、新たなスタートを切った。「実は私も歯科医院が苦手だったんです」と笑いながら語る阿部院長は、大学を卒業後、歯周病の専門家のもとで8年間研鑽を積み、「Dentistry with humanity(人間味のある歯科治療)」という理念に深く共感。患者との世間話も交えながら、緊張を和らげるフランクな診療スタイルが印象的だ。多くの患者が定期メンテナンスに通う予防歯科にも力を入れ、患者中心の温かい診療で「行きたい」と思える歯科医院づくりを進めている阿部院長。取材では、歯を残すことへのこだわりや今後の展望について、たっぷり語ってもらった。
(取材日2025年10月31日)
人間味あふれる診療で患者に寄り添う
前院長からクリニックを継承し院長に就任されましたが、その経緯を教えてください。

大学を卒業後、私の地元でもある千葉の歯科医院で経験を積むうちに、だんだんと開業について考えるようになったのですが、一から開業するというよりは、継承できる歯科クリニックを探していたんです。そんな中、たまたま宇都宮の松田歯科クリニックとのご縁があったという次第です。2025年3月から継承準備を始めて、千葉と宇都宮を行き来しながら準備を進め、5月に完全に引き継ぎました。継承してまだ半年ぐらいですが、徐々に宇都宮にも慣れてきました。新しい土地ではありますが、前院長の松田先生が築いてきた基盤を大切にしながら、自分なりの診療スタイルを確立していこうと思っています。
歯周病を専門的に学んだ経験が診療の軸になっているそうですね。
はい。大学卒業後に勤務した千葉の歯科医院の院長が歯周病の専門で、この院長の下で8年間、歯周病治療の研鑽を積みました。多くの歯科医院が最新の医療に注目する中、その歯科医院は「患者さんの歯を残す」ことにとことんこだわっていました。そこに感銘を受け、歯周病について勉強したいなと思ったんです。その先生が毎回ミーティングで必ずおっしゃっていたのが「Dentistry with humanity(人間味のある歯科治療)」という言葉。患者さんと世間話をしながら、会話を大事にする診療スタイルを学びました。私もかつて歯科医院で治療を受ける際、先生とのコミュニケーションにどこか淡泊な印象を受けることがあって、それが得意ではなかったんです。私は患者さんが緊張しないようにという意味でも、フランクに接することを心がけています。
現在多くの患者さんが定期メンテナンスに通われているとか。予防歯科の重要性についてお聞かせください。

前院長の時から予防に力を入れていて、その結果として今も大勢の患者さんが3ヵ月に1回のペースでメンテナンスに通ってくださっています。60代、70代の方が多いのですが、皆さん歯がきれいなんです。私も結構びっくりしました。松田先生のご尽力の結果からも、予防という道に進むのが間違いではないとわかるので、これからも当院の柱としてしっかり向き合っていきたいと思っています。最近は、私が引き継いだことが地域の人たちにも周知されてきたのか、20代くらいの若い方も増えてきました。最初は虫歯や歯が痛いということで来院される方が多いのですが、こちらから予防の重要性について情報提供して、予防歯科につなげているケースが多いですね。繰り返しになりますが、歯を残すことが何より大切だと思っています。
患者の満足を第一に考える治療方針
治療方針について詳しく教えてください。

歯科治療では通常、歯科医師が「パーフェクト」と考える治療を提案しますが、それが本当に患者さんの望む治療なのか、疑問に感じることがあります。私はどちらかというと、患者さんの満足度のほうを意識しています。歯科医師の目から見て100点ではなくても、患者さんが満足していれば、それが「その人にとってのパーフェクト」なのだと思います。患者さんが求めている治療を提供したいという気持ちが大きいので、初診では患者さんが何を求めて受診されたのかを適切に把握するようにしています。
インプラント治療にも力を入れているそうですが、どのような方に提案されますか?
インプラントは歯を失った場合にそれを補う選択肢の一つです。なくした歯を補う治療には、ブリッジや入れ歯という方法もありますが、ブリッジだと両隣の健康な歯を削ることになり負荷をかけますし、入れ歯も外れたりすると噛みにくい。周りの歯に負担をかけず、1本でも多く歯を残すという観点で考えると、インプラントはとても有用な治療法なので、当院でも可能であればインプラントを推奨するようにしています。ですがインプラントが難しいケースもあります。例えば、歯を失った原因が歯周病だった場合、歯の土台となる歯槽骨が少なくなっているため、インプラントそのものが埋入できない可能性があるんですね。そのため当院ではそういう方でもインプラントが受けられるように、サイナスリフトなどの骨造成にも対応しています。
初診に1時間かけていらっしゃるそうですが、診療の流れについて教えてください。

初診では、最初に歯科衛生士が30分ぐらい患者さんにインタビューを行います。歯科全般のことはもちろん、健康面やお仕事の都合なども聞きながら、患者さんの全体像を把握。さらにエックス線検査を行い、お口の部位ごとに10枚程度写真を撮って隅々までしっかりチェックします。その後、私が必要に応じて処置を行い、現在のお口の状態や今後の治療について説明。ここまででだいたい1時間です。患者さんは、ご自身のお口の中のことをすべて把握しているわけではないので、検査の結果を説明すると、驚かれるのではないでしょうか。「こんなに虫歯があったの?」「歯周病だったなんて知らなかった」と思われるかもしれません。自分のお口の中の状態を客観的に知ること。ここからが治療のスタートになります。
通いやすい雰囲気づくりで信頼されるクリニックに
歯科衛生士の完全担当制にはどのようなメリットがありますか?

松田先生の時から完全担当制を引き継いでいます。やはり「この人に会いに歯科医院に来る」と思っていただくことは大切だと考えます。3ヵ月に1度メンテナンスに来られる患者さんは、ほぼ「歯科衛生士に会いに来る」という感じではないでしょうか(笑)。虫歯などのトラブルがなければ、私は少し顔を出すくらいなんですよ。完全担当制で毎回同じ歯科衛生士だと、患者さんも安心ですし、歯科衛生士も自分の仕事に責任を持って取り組んでくれます。継続的にお口の中を見ることで、ちょっとした変化にもすぐに気がつき、それが治療につながることもあります。担当制によって患者さんと歯科衛生士の信頼関係が構築されて、それが継続的な予防につながっていると実感しています。
先生はフランクな診療スタイルを心がけられているそうですね。
患者さんが緊張しないよう雰囲気づくりには気を配っています。あまり話すのが得意でない患者さんもいらっしゃいますから、決して無理強いはせず、その人に合わせた距離感を保つようにしていますね。歯科医院に来るのが嫌ではなくなる、むしろ楽しみになるような、そんな雰囲気がつくれれば、と思っています。開業してまだ半年ですが、従来からの患者さんにも受け入れてもらえているようで、「足を運びやすいです」という声をいただいています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後はインプラント治療にさらに力を入れていけるよう、勉強会などに参加して幅広い技術を体得したいと思っています。あとは、今年の春から勉強を始めた矯正についても、診療に取り入れていきたいところです。理想は成人・小児矯正が両方できるようになること。現在、矯正は矯正専門の歯科医院にご紹介していますが、近い将来、当院で対応できるようになりたいです。私がめざしているのは、患者さんにとって「また行きたい」と思ってもらえるような歯科医院。何か困ったことや気になる症状があれば、気軽に相談してください。はがきでのお知らせや次回予約など、継続的に通院していただけるような工夫もしています。歯を残すことを第一に考えながら、患者さんが求める治療を実践していきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/35万円~、サイナスリフト/22万円~ ※症例により異なりますので、詳しくはクリニックへお問い合わせください

