盛島 美智子 院長、浅野 聖子 副院長の独自取材記事
盛島歯科医院
(東松山市/森林公園駅)
最終更新日:2025/11/06
「盛島歯科医院」は1984年の開業から40年以上たつが、温かく清潔感にあふれた院内は開業当時と変わらないそうだ。同院では盛島美智子院長と、その姿を見て育った娘の浅野聖子副院長が、それぞれの専門性を生かして治療を行っている。地元に根づいた歯科医院だけあって、家族ぐるみでかかる患者が多いが、その関係性のほとんどを記憶していると盛島院長は言う。その人柄が患者を呼び、この地を離れても継続して訪れる人は珍しくない。一般歯科や小児歯科をはじめ、インプラント治療、歯科口腔外科、矯正歯科など専門性の高い治療も対応可能。お互いを信頼し、あうんの呼吸で診察する盛島院長と浅野副院長に、開業から現在までの経緯などについて語ってもらった。
(取材日2025年10月17日)
地域とともに歩み、世代を超え信頼されてきた歯科医院
開業から現在までの歩みを教えてください。

【盛島院長】最初はこちらではなく、道路を挟んだ反対側で開業したのですが、もっと多くの患者さんを診ていきたいと思い、2年目でこちらに移り、診察室や駐車場を広くしました。この辺りは当時、歯科医院が本当に少なくて……。地元である地域の皆さんの歯科医療を守りたい一心で、朝から晩まで治療にあたっていました。子育てしながらだったのであまり無理はできず、夕方までの診察となりましたが、皆さんのご理解もあって、現在まで続けてこられたと思っています。患者さんは周辺にお住まいの方が中心ですが、近くに工業地帯があり、そこにお勤めの方がユニフォーム姿で来てくださることもあります。退職されても引き続き通院してくださったり、2世代・3世代とご家族全員の治療に関わったりと、本当にありがたいです。
母娘二人三脚で診療されているのですね。
【盛島院長】娘の存在はとても心強いですし、精神的にも技術的にも、すごく助かっています。以前は歯科口腔外科分野の治療に関しては、外部の先生が来た時に行うか、他の歯科医院に紹介していました。今でも難しいケースはご紹介になりますが、その領域を専門に学んできた娘と一緒に診療することとなり、当院だけで治療を完結できるようになりました。何かあればその場で「聖子先生、ちょっと診てもらえる?」と相談できるので、二人三脚の力は大きいですね。
【浅野副院長】一般歯科治療を行いながら、私は外科領域、院長は小児歯科やインプラント分野と、患者さんの状況に応じた対応がすぐにできるため、スマートに立ち回れるメリットがありますね。院長である母と私でそれぞれ得意領域が違うので、お互いにそこを補いながら診療しています。
患者さんとの関係性がすてきだと感じました。

【盛島院長】開業当時から通ってくださっている患者さんもいて、そのご縁で、お子さん、お孫さんと診ることもあり、ありがたいですね。皆さん家族ぐるみで顔なじみです。「歯科医師と患者さん」という立場ではなく「人と人」のお付き合いができていると思っています。この場に集う皆さんが、とっても温かいんです。
【浅野副院長】実は子どもの頃から私を知っている患者さんもいます。「聖子ちゃん」と呼ばれることもありますね。私の成長を見守り、喜んでくださり、今度は自分が恩返しできる立場となったことが、とても感慨深いです。
専門性を生かした技術を身近なかかりつけ医として
キャリアと注力されてきた分野についてお聞きします。

【盛島院長】大学、大学院では小児歯科の分野を極めようと専門的に学び、日本小児歯科学会小児歯科専門医の資格を取得しました。その後に開業したのですが、歯科医院が少ないこの地では、幅広い世代の方がさまざまなお悩みを抱えていることを知り、一人ひとりに寄り添えるようにと、幅広く技術を身につけてきました。1984年の開業当時からインプラントのご相談を受けることもあり、インプラントについても研鑽を積みました。現在もかかりつけの患者さんからのご要望があったら、当院ではインプラント治療に対応しております。
【浅野副院長】大学では歯科口腔外科の道に進み、大学病院で年配の患者さんを診てきて、外科治療は口内だけでなく、内科的要因や体の管理も重要だと実感しました。これからは歯科と医科分野の両面の知識が必要だと全身管理を学び、今後に生かせたらと経験を積んできました。
専門性の高い歯科医師に診てもらえるメリットは何でしょうか?
【盛島院長】患者さんが抱えるお悩みって、本当に千差万別です。今でこそ、特化した治療を専門に行う歯科医院は増えましたが、それも地域によって差があると思います。患者さんの立場なら、定期的に通っている歯科医院に何でも相談でき、そこで治療が完結できたら何よりですよね。当院に通院している患者さんのトータルケアができるようにと、小児歯科やインプラント治療を含め、キャリアを磨いてきました。
【浅野副院長】糖尿病や高血圧など生活習慣病を抱えた患者さんも多く、ここでは対応できずに大きな医療機関へご紹介しなければならないケースもあります。しかし、全身管理を学んだ私だからこそ「このくらいの数値なら当院でも診られる」「お願いしたほうが良い」といった見極めができます。「どうしたら患者さんがベストな判断ができるのか?」について、お手伝いすることが可能だと思っています。
診察で大事にしていることを教えてください。

【盛島院長】患者さんの希望に沿って、納得してもらった上で治療を開始することですね。いきなり治療に入るのではなく、会話を通じて生活環境や食生活、普段の様子などを把握してから決めるようにしています。喉が弱い年配の方は水分を喉にためておくことが難しいので、こまめにうがいができるように体を起こして差し上げるなど、治療を受けられる状態へと導いていくのも大切だと思っています。
【浅野副院長】歯科医師が考えるベストと患者さんの思いは、必ずしも合致するとは限りません。こちらが決めつけるのではなく、お互いに話しながら治療方針を組み立てていくのが大事ですね。言葉だけだとわかりにくいので、私は図やイラストを使って説明しています。時間がかかっても丁寧な説明がほしい方、こまめに話してほしい方など、相手の事情や気持ちを考えて動くようにしています。
患者に寄り添い、心と体を支える歯科医療をめざして
アナログの良さは残しつつ、バランスの良いサービスを心がけているそうですね。

【盛島院長】当院ではあえて対面か電話で予約を取るようにしています。患者さん一人ひとり、毎回の治療内容に応じた枠をきちんと確保したいという考えがあるので、歯科医師と歯科衛生士の治療時間の配分をその都度考えて取るようにしています。歯の検診のお知らせもはがきで郵送します。
【浅野副院長】SNSやインターネットを使った予約は便利ですが、人と人とのつながりを大切にしている当院ならではの良さもあると思っています。状況に応じて良いものは取り入れ、古き良きものも残しつつ、患者さんとコミュニケーションを取りながら診療していけたらうれしいです。
怖さや痛みを和らげるための治療方法についてお聞かせください。
【盛島院長】痛みに対する恐怖はお子さんだけでなく、大人でもあります。当院では歯科治療に対して不安感が強い方に向けて、軽い鎮静効果を促す笑気麻酔を使った治療をご提案しています。リラックスして治療を受けやすくなるので、今まで治療が難しかった方でも安心していただきたいです。車を運転して帰っていただくことも可能です。お子さんから年配の方まで対応しています。
歯科医師になって良かったと思う瞬間はありますか?

【盛島院長】患者さんから「ありがとうございました」と言われると、人から感謝されるような、きちんとした対応ができたんだと、うれしく思います。やはり、患者さんが喜んでくださることが何よりですね。
【浅野副院長】大学病院時代に小さい時から入院退院を繰り返していた女の子と知り合いました。音楽という共通の趣味があったり、一緒にオーケストラの練習に参加したりと交流していて、ずっと親御さんから、入学や卒業のお便りをいただいていたのです。高校卒業後に「歯学部に入りました」と報告を受けた時は「病室で泣いていたあの子が……」と感激してしまいました。患者さんの人生に関われる仕事に就けて、本当に幸せです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/36万5000円~、小児矯正/5万5000円~、成人矯正/71万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

