岡上 友里恵 院長の独自取材記事
なないろ歯科・こども矯正歯科クリニック 香川・多度津医院
(仲多度郡多度津町/多度津駅)
最終更新日:2024/10/29

2018年に開業した「なないろ歯科・こども矯正歯科クリニック 香川・多度津医院」は、JR予讃線・多度津駅から車で約5分。診療理念には「“未来の大人”のために、今の大人ができること」という言葉を掲げ、小児から成人まで、幅広いニーズに対応する歯科医院だ。同院を開業した白崎俊理事長からバトンを託され、2024年4月に院長に就任した岡上友里恵先生は、一般歯科から小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科まで幅広く対応する歯科医師。中でも歯科用マイクロスコープを駆使した精密な根管治療や、子どもの顎の正常な発育を促す小児矯正に力を注ぎ、「今の大人ができること」を模索、実践し続けている。穏やかな語り口とやわらかな笑顔が印象的な岡上院長に、歯科医師をめざしたきっかけや今後の展望などを語ってもらった。
(取材日2024年9月3日)
先進の機器で、精度にこだわった治療を幅広く提供
歯科医師をめざしたきっかけや、院長に就任された経緯をお聞かせください。

医療関係の仕事は、子どもの頃からの夢でした。歯科医師の道を選んだのは、高校時代の恩師からの勧めもあり、6年間、口腔だけを突き詰めて学ぶところに魅力を感じたからです。岡山大学を卒業した後は、大学病院の関連施設で総合歯科、矯正歯科、口腔外科、障害者歯科などを幅広く学び、その後は大学のバスケットボール部の先輩が営む歯科医院に勤務しました。そちらでは保険診療から自由診療までさまざまな経験を積みましたが、「いつかは地元の香川県で働きたい」と考えていたところ、同じくバスケ部の先輩だった当院の白崎俊理事長にお声がけいただき、2022年に入職。マイクロスコープをはじめとした先進の機器を導入していて、精度にこだわった治療に取り組めるところが入職の決め手でしたね。沖縄県や兵庫県の芦屋にも分院ができたタイミングで、私が香川・多度津医院の院長に就任しました。
先進の機器が充実しているのですね。
肉眼の約20倍まで視野を拡大することが可能なマイクロスコープは4台あり、治療だけでなく、歯科衛生士が行うメンテナンスでも活用しています。初診時には「位相差顕微鏡」という顕微鏡を使って患者さんに口腔内にいる細菌の活動性をお見せし、患者さんが治療やケアを頑張る動機づけに。お口の中をスキャンして歯型を採る、口腔内スキャナーも導入しています。従来使われていた、粘土のような印象材は使用していないので、嘔吐反射の強い方でも楽にスピーディーに型採りをすることができます。診療室は、すべてプライバシーに配慮した個室もしくは半個室です。ご家族で一緒に入れるキッズスペースつきのファミリールームや、ベッドタイプのチェアを設置した、未就学児専用の診療室もあります。
どのような患者さんが多いですか?

赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年齢層の方々が来られていますね。ご家族で通われている患者さんも多いです。小さなお子さん連れの方には、保育士による託児サービスをご案内できますので、予約時にご相談ください。患者さんの主訴はさまざまで、歯の痛みを訴える急患の方もいらっしゃれば、「前歯をきれいにしたい」という理由から審美歯科を希望される方もいらっしゃいます。矯正歯科に関しては、大人の方のワイヤー矯正やマウスピース型装置を用いた矯正にも対応していますが、近年は小児矯正を希望される患者さんが増えている印象です。
精密な根管治療と、小児の矯正に力を入れる
特に力を入れている分野は、小児矯正ですか?

歯の神経を治療する根管治療と、小児矯正に力を入れています。根管治療は、歯科の中でも特に難しい治療の一つ。私自身も最初は苦手意識があったのですが、当院に入職し、マイクロスコープを使い始めてから、治療に自信が持てるようになりました。それまでは手指の感覚や経験に頼って治療していた症例でも、マイクロスコープを使用することで、肉眼では見えない部分まではっきりと見ることができます。マイクロスコープを使うための技術の習得には苦労しましたが、治療の精度や治療成績の向上につなげられていると実感しています。
そもそも子どもの歯並びはなぜ悪くなるのでしょうか?
遺伝的な要因も少しはありますが、8割は環境要因だといわれています。環境要因とは、例えば、口呼吸や間違った飲み込み方、正しくない舌の位置、指しゃぶりなどの癖のことです。小児矯正では歯並びが悪くなる原因に対してアプローチしていきます。マウスピース型装置の装着とアクティビティと呼ばれるトレーニングをメインに行います。アクティビティでは動画を活用して、正しい舌の位置や鼻呼吸の方法、飲み込み方などを学びます。これは両親から教えられることもなければ、日頃から意識することもなかなかないと思いますが、子どものうちからしっかりと身につけておくことが大切です。当院ではトレーニング用のアクティビティルームも別途、ご用意しています。
小児矯正は、何歳頃から始めるものですか?

歯が生え替わり出す、6歳前後から始めるお子さんが多いです。親御さんにとっては、お子さんの歯並びが気になり始める時期ですね。お子さんにとっても、スタッフが指導する言葉を理解しやすくなる時期となります。月に一度の受診時に学習した内容は、自宅で毎日練習していただき、1ヵ月後に習得できていれば、次のステップへと進みます。個人差はありますが、矯正期間は2~3年ほどです。期間中はお子さんがモチベーションを保てるよう、お子さんの頑張りに応じてスタンプがたまるカードを作り、矯正が終了するタイミングで、スタンプの数に応じたプレゼントを差し上げています。
かかりつけの歯科医院として、定期的に受診してほしい
歯科医師として、やりがいを感じる瞬間は?

歯科医院嫌いだった患者さんが当院を気に入ってくださり、治療が終わった後も定期検診に通ってくださる時でしょうか。歯科治療から遠ざかっていた方が、治療の必要性やメンテナンスの重要性を理解してくださったことがまずうれしいですし、今後、その方のお口の健康を継続的に守っていけることにも喜びを感じます。得意分野に変わった根管治療でも、やりがいを感じることが多いです。他院で抜歯を勧められた方が、歯を残すことを希望して当院に来られ、治療を受けることで喜んでくださった時には、私も幸せな気持ちになります。
先生が診療の際に心がけていることは?
皆さんの不安や恐怖心を和らげるため、できるだけ痛みの少ない治療を行うこと。マイクロスコープや口腔内スキャナーといった先進の機器を駆使して、長期的に安定した状態を保てるような、精密な治療を行うこと。この2つを心がけています。診療に向き合う中でよく思い出されるのは、白崎理事長から言われた、「現状維持は衰退の始まりだ」という言葉です。歯科医療は日々、めまぐるしく進歩しています。現状に満足することなく、積極的に新しい知識や技術を取り入れて、患者さんにより良い診療を提供し続けたいです。
今後の展望についてお聞かせください。

今は毎日がとても充実していて、歯科医師という職業は自分に合っていると感じます。常に向上心を持って仕事に取り組み、患者さんにより良い歯科治療を提供し続けたいです。スタッフとも協力し、患者さんに「通いたい」と思っていただけるような、明るい歯科医院をめざします。診療以外では、子どもたちの食育や地域社会への貢献も、開業当時から変わらない当院のテーマですね。歯と食事は、切っても切り離せません。敷地内の畑ではさまざまな旬の野菜を作り、収穫の時期には、患者さんにプレゼントすることもありますよ。
読者に向けたメッセージをお願いします。
歯科医院へは何か困ったことがあれば行くという方も多いかもしれません。かかりつけの歯科医院を持って定期的に受診していれば、たとえ虫歯ができても、早期発見・早期治療につなげることができます。当院は赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年齢層の方々の、さまざまなニーズにお応えできる歯科医院です。身近なかかりつけ歯科医院として、ぜひ定期的にお越しください。皆さんが「病気にならない」だけでなく、「健康になる」歯科医院を目標として、これからも私たちらしい医療の形を追求していきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/71万5000円~、成人ワイヤー矯正/77万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/88万円~、セラミックを用いた補綴治療/2万2000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。