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原口 兼明 院長の独自取材記事

原口耳鼻咽喉科

(霧島市/国分駅)

最終更新日:2025/08/05

原口兼明院長 原口耳鼻咽喉科 main

穏やかながらもはっきりとした口調で「だらだら通院させない」と語るのは「原口耳鼻咽喉科」の原口兼明院長。44年にわたる臨床経験を持つ耳鼻咽喉科医として、根本原因に目を向けた診療を実践している。幼少期から喉が弱く、耳鼻咽喉科に通った経験が医師を志すきっかけとなった。小児の中耳炎では子どもだけでなくその親たちの負担軽減も考慮したり、高齢者の難聴では認知症予防の観点から積極的に治療に取り組んでいる。さらに市の広報誌での医療啓発活動や、オーボエ奏者として地域文化の支援に取り組む一面も持つ原口院長。多彩な活動を通じて地域に貢献する、原口院長に耳鼻咽喉科医としての使命と診療への思いを聞いた。

(取材日2025年7月2日)

幅広い年齢層に対応できるのが耳鼻咽喉科の魅力

耳鼻咽喉科医を志したきっかけを教えてください。

原口兼明院長 原口耳鼻咽喉科1

幼少の頃から喉が弱く、よく親戚の病院に通っていた経験から耳鼻咽喉科には興味を持っていました。12歳離れた兄が耳鼻咽喉科医になったことも大きな影響でしたね。兄は外科や麻酔科を経験した後、独立しやすい診療科として耳鼻咽喉科を選んだのですが、そこで出会った教授がとても人柄の良い方だったと聞いていました。私も医学部卒業後、一度麻酔科に在籍しましたが、兄の影響もあって耳鼻咽喉科に移りました。耳鼻咽喉科は細かい作業が多く、耳の手術など精密な技術が求められる分野です。頸から上の脳と目以外を扱い、脳神経なども関係する複雑で奥深い領域にやりがいを感じて、もう44年になります。実は今、娘も同じく耳鼻咽喉科医の道を進んでくれていて、今後が楽しみですね。

耳鼻咽喉科の特徴について教えてください。

耳鼻咽喉科は生まれたばかりの赤ちゃんから高齢者まで、本当に幅広い年齢層を診療できる科なんです。小さいお子さんは中耳炎になりやすく、鼻水が出ているとすぐに耳に影響が出ることがあります。幼稚園から中学校ぐらいまでは中耳炎や副鼻腔炎が多いですね。一方で高齢者は難聴や耳鳴りといった耳の問題が中心になります。このように老若男女問わずオールラウンドな世代を診ることができるということは、開業医にとって大きなメリットだと考えています。また、年齢層が幅広い患者さんに来ていただけるので、地域医療にも貢献できているのではないかと考えています。

麻酔科も標榜されていますね。

原口兼明院長 原口耳鼻咽喉科2

麻酔科があることで、クリニックでもある程度の手術なら対応できるようになりました。例えば、お子さんの処置で眠らせる必要がある場合、麻酔を使用できます。通常なら大きな病院に紹介することになりますが、患者さんの手間を考えると、自院で対応できるのは大きなメリットではないでしょうか。また、三叉神経痛のような顔面の痛みに対しても、麻酔科の知識があれば適切な診断ができ、必要に応じて専門的な治療を行う病院への紹介もスムーズにできます。手術時の安全面の管理にも麻酔の知識は欠かせません。麻酔科の経験はクリニックでの耳鼻咽喉科診療の幅を広げ、患者さんにより良い医療を提供する上で大いに役立っています。

根本原因を見極め、通院負担を軽減させる診療を

早期受診の重要性について、どのようにお考えですか?

原口兼明院長 原口耳鼻咽喉科3

耳が詰まった感じがするときは、早めの受診が大切です。メニエール病や突発性難聴など、治療開始が遅れると回復が難しくなる病気もあるんです。「なんとなく聞こえが悪い」と思いながら様子を見ていると、戻りが悪くなってしまうことがあります。お子さんの場合、熱が上がったり下がったりを繰り返したり、機嫌が悪い時は中耳炎の可能性があります。親御さんは小児科で風邪と言われ続けることもありますが、実は耳垢がたまって中耳炎が見えていないケースも少なくありません。がんの早期発見も重要で、怪しいと思ったら組織を採って調べます。とにかく引っ張らない、早めに原因を突き止めることが大切だと考えています。

診療の際に心がけていることを教えてください。

私は「だらだら通院させない」ことを最も大切にしています。昔は毎日来ないと治らないと言う先生もいましたが、それでは患者さんの負担が大きすぎます。ですから、だいたいこれぐらいの期間で改善が期待できるという目安を必ず説明するようにしています。そうすることで患者さんも安心できますからね。また、必ず鼓膜の映像を患者さんに見せるようにしています。最近はLED光源や細い内視鏡など機器も進化していて、患者さんに負担をかけずに見せることができます。聴力検査の結果も印刷してお渡ししています。説明も聞くだけではなく手元に残ると自宅に帰ってからも見返せますよね。説明書も自作のものなどをたくさん用意して、できるだけわかりやすく伝える工夫をしています。

見過ごされがちな症状について教えてください。

原口兼明院長 原口耳鼻咽喉科4

実は長引く咳の原因が副鼻腔炎というケースが非常に多いんです。マイコプラズマや百日咳も流行っていますが、原因不明の咳が続いている場合、鼻の治療をすることで改善が期待できることがあります。また、小さなお子さんの中耳炎も見過ごされやすい症状の一つです。夜泣きやぐずりの原因が実は中耳炎にある場合、耳の膿を出してあげることで落ち着くこともあります。原因を突き止めその対処ができれば、子どもを心配する親御さんの負担軽減にもつながります。こうした耳鼻咽喉科的な視点での診療の大切さを、市の広報誌などでも積極的に発信しています。

地域の健康を支え、文化活動でも貢献

今後特に力を入れていきたい診療について教えてください。

原口兼明院長 原口耳鼻咽喉科5

高齢者の難聴治療に、より一層力を入れていきたいと考えています。難聴は認知症の原因になることがわかってきており、早期の対応が重要です。当院では木曜午後に補聴器の相談を設けています。補聴器の貸し出しも行っているので、試して納得いただいてから使用できるようにしています。耳鳴りの原因が難聴にある場合は、補聴器を使用することで改善も期待できます。こうした正しい情報をしっかり伝えて、高齢者の生活の質向上に貢献したいですね。

医療以外にも地域貢献活動をされていると伺いました。

20年ほど前からオーボエの演奏を始めまして、音楽を通じた活動も行っています。きっかけはとあるドラマで流れていた曲に感動したことでした。今では月に一度レッスンを受け、演奏会も開いています。地域の音楽家の方たちを応援したいという思いから、スポンサーとしても活動しています。一方で医療分野では、市の広報誌や新聞に記事を書いて耳鼻咽喉科疾患の啓発活動を続けています。副鼻腔炎による咳や中耳炎の見分け方など、意外と知られていない情報を発信することで、適切な受診につながればと思っています。最近では本も出版し、医療制度についても発信しています。

読者へのメッセージをお願いします。

原口兼明院長 原口耳鼻咽喉科6

耳鼻咽喉科の疾患は、ちょっとおかしいなと思ったら早めに受診することが大切です。お子さんの場合は、熱が上がったり下がったりするのは中耳炎の可能性がありますし、風邪が長引いているなと思ったら副鼻腔炎かもしれません。高齢者でめまいや難聴があれば、深刻な病気が隠れている可能性もあります。とにかく早い対応が肝心なんです。当院では悩んだら気軽に、早めに受診していただけるよう心がけています。根本的な原因を見極めて、できるだけ通院期間が短くなるよう治療計画を立てます。住宅街の中にある地域のクリニックとして、これからも皆さんの健康を支えていきたい。何か気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。

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