大迫 智弘 院長の独自取材記事
とも甲状腺クリニック
(鹿児島市/鹿児島中央駅前駅)
最終更新日:2025/06/13

鹿児島中央駅から徒歩10分の場所にある「とも甲状腺クリニック」。甲状腺疾患を専門とするクリニックで、患者一人ひとりに寄り添った診療を提供している。院長の大迫智弘先生は、大分県別府市にある野口病院や、福岡県福岡市博多区のやました甲状腺病院などの専門病院で甲状腺診療の研鑽後、鹿児島市で開業。同院では、専門性の高い検査を行い、説明や相談を迅速に行える体制をめざすなど、患者の負担軽減に努めている。妊娠希望や妊娠中の患者も多く、院内感染対策などにもより配慮。駅からのアクセスも良好で駐車場も敷地内に12台分備えられ、遠方の患者にとっても通いやすいクリニックといえるだろう。大迫院長に、専門性を磨いてきた経歴や診療の特徴、診療時の心がけについて、詳しく聞いた。
(取材日2024年11月12日)
甲状腺の診療の最前線で研鑽
まずどのような患者さんが来られるのか教えてください。

甲状腺に違和感を覚えて来られる方が多いです。例えば、ご自身で鏡を見た時に首の前部が腫れていると気づいたり、健診や病院で甲状腺の異常を指摘された方です。また、体重増加、倦怠感などが気になり受診してくださる方も検査をすると甲状腺に疾患が見つかる可能性があります。具体的な症状としては甲状腺ホルモンが多いと、暑がり、汗をかきやすい、動悸や息切れ、倦怠感、体重減少、下痢、イライラや集中力低下や不眠などの症状が見られることがありますし、甲状腺ホルモンが少ないと、体重が増加するほか、寒がり、体温低下、疲れやすい、無気力、むくみ、脱毛、皮膚乾燥、便秘などの症状も知られています。最近は「以前甲状腺疾患で通院していたが、最近は通院していない」や「甲状腺疾患に加えて、脂質異常症や高血圧、糖尿病なども診察してほしい」という患者さんも増えてきています。少しでも気になることがあれば気軽にご相談いただきたいです。
どのようにして甲状腺の専門性を磨いてこられたのでしょうか?
大学病院の内分泌糖尿病内科を経て国内留学したのが、100年を超える長い歴史を持つ野口病院です。甲状腺の専門家が集まって診療しており、県外からも多くの患者さんが来院しています。私自身も、質の高い医療を行っている医師をはじめスタッフから、多くのことを学びました。その後、大学病院や総合病院を中心に甲状腺や糖尿病の診療を行い、さらに甲状腺疾患に対する医療の経験を積みたいと考え、やました甲状腺病院に勤務しました。2021年より内科医長も務めさせていただき、今までのすべての経験が私の人生において財産となっています。当院は2024年7月1日より、「とも甲状腺クリニック」に名称変更しリニューアルいたしましたので、甲状腺の疾患でお困りの患者さんにより一層寄り添って診療していきたいです。
患者さんに寄り添う診療を行うために、どのような取り組みをされていますか?

そもそも患者さんは「甲状腺」といった言葉を耳にする機会は多くないと思うので、当院ではできるだけわかりやすく説明を行う診療を心がけています。また、患者さんそれぞれにご要望があるので、お一人お一人の多様なニーズにしっかりと応えて、その方に合った検査や治療プランを実現していくことをめざしています。そのために、私自身はもちろん、スタッフ一同、日々考えながら診療に取り組んでいます。
「正確な診断」と「迅速な対応」の両立をめざして
受診の流れをスムーズにするために、設備や体制を整えていると聞きました。

当院に来られる甲状腺疾患の患者さんの中には、若い働き世代の方も多くいらっしゃいます。予定の合間を縫って通院されている方も少なくありません。患者さんの時間を大切にしたいという想いから、来院されてからの時間をできるだけ無駄にしないよう、受付から診察、会計までの流れをスムーズに行えるよう、私自身、スタッフ一同、常に心がけと日々のアップデートに努めております。
甲状腺疾患の初診の流れについて詳しく教えてください。
まずは血液検査で甲状腺の状態の確認をします。当院は甲状腺に関する血液検査測定装置を導入しており具体的には、甲状腺ホルモンや甲状腺自己抗体、甲状腺腫瘍マーカーの測定を院内で実施しております。その後に超音波検査(エコー検査)を行うことが多く、甲状腺の大きさ、腫瘍やリンパ節の腫れがないか、甲状腺がん手術後の再発・転移がないかなどを調べられます。放射線を使わない検査で被ばくの心配もないのでご安心ください。それらの検査結果をもとに、甲状腺疾患の診断および内服調整を迅速に行います。
では甲状腺疾患の再診の流れについてはどうでしょうか?

甲状腺疾患によっては、採血の結果をもとに、できるだけ早く内服薬の調整が必要な場合があります。特にバセドウ病治療初期や、不妊治療中、妊娠中なども含め、繊細な甲状腺ホルモンの管理が望ましいといわれている状態での内服薬調整などが挙げられると思いますが、これらは、こまめで頻回な受診が必要である場合が多く、患者さんにとって大きな負担だと考えています。採血後30~40分程度で甲状腺ホルモンなどの数値がわかり、当日中に内服調整まで可能なことは、定期受診や検査が必要な甲状腺疾患のある患者さんにとっては大きなメリットです。「採血結果などの説明や、内服調整の相談は、次回の定期受診時にしたい」や、「当日中に検査結果も確認した上で内服調整をしたい」など、患者さん一人ひとりのご都合やご要望も伺いながら、オーダーメイドの診療を心がけています。
遠方の患者も継続的に安心して通えるクリニックに
診察では心がけていること、気をつけていることなどありますか?

患者さんの不安や疑問に少しでもお答えしたいと考えております。事前のインターネット予約を受けつける際にはフリーコメント欄を設け、受付時には問診票にご相談欄を設けておりますので気になる症状や質問などがありましたらお気軽にご相談してください。また当院は甲状腺の専門クリニックのため妊婦中の患者さんが比較的多くいらっしゃいます。中には感染症による赤ちゃんへの影響を心配される方もいらっしゃるので、感染症の疑いのある方と妊婦さんの診察時間が重ならないよう、できるだけ調整をしています。他院での通院がある方に関してはそれに合わせて診察しています。例えば不妊症は、不妊治療のスケジュールに合わせて、甲状腺に関する検査や診察の日を相談するほうが良い場合もあると考えています。そうなると、来院予約が取りづらい状況も患者さんの悩みだとお聞きしたことがあるため、できるだけ来院しやすい環境づくりを工夫しています。
通院の利便性についても配慮されていると伺いました。
当院は鹿児島中央駅から徒歩10分というエリアにありながら、車でも通っていただけるように12台分の駐車スペースを敷地内に確保しています。鹿児島中央駅は鹿児島の公共交通機関が集まっているので、JRや市内を走る路面電車はもちろん、バスやフェリー、飛行機といった交通機関をご利用される方にとっても通っていただきやすいです。甲状腺の疾患は継続して通院していただくことも多いため、通院の負担を軽減できることも当院の特徴の一つです。
オフタイムの過ごし方についても伺います。熱中している趣味やスポーツなどあれば教えてください。

水泳です。小児喘息があったこともあり親の勧めで3歳から水泳を始めましたが、本腰を入れ始めたのは高校からです。医学生時代に毎年ベストタイムを更新し続けられたことはひそかな自慢です。生涯現役の医師として健康に働くことができるように、私自身もスポーツを楽しみたいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
甲状腺のことで気になることがあれば、気軽にお越しいただければと思います。当院では先進の検査機器を導入し、スムーズで精度の高い判断につなげています。甲状腺専門のクリニックとして専門性の高い治療の提供に努めていますが、もし別の疾患が疑われる場合でも、速やかに他の医療機関をご紹介できます。総合病院と比べて専門のクリニックだからこその通いやすさもありますし、患者さんが安心して来院できるような場所をつくりたいと思っています。不妊症、脂質異常症などをきっかけに別の医療機関で甲状腺に関する異常を指摘された方、体重増加や倦怠感、冷えなど気になる症状がある方、お仕事で忙しい会社員の方もぜひお気軽にご相談ください。