竹 夏樹 院長の独自取材記事
竹ファミリー内科クリニック
(鹿児島市/加治屋町駅)
最終更新日:2025/01/20

鹿児島中央駅から徒歩15分、千石馬場バス停から徒歩1分に位置する「竹ファミリー内科クリニック」。院長の竹夏樹先生は三島村や十島村といった離島での医療経験を持ち、地域に密着した温かみのある診療を提供している。竹院長は診療において患者の不安を取り除くことを最優先に考え、じっくりと話を聞くことを大切にする。そのため、患者に安心感を与える環境づくりにも力を尽くす。診療では特定の領域に特化せず、一般的な内科診療のほか、小児科、消化器内科、循環器内科まで家族みんなの不調に幅広く対応。各種医療機器を備え、必要に応じた検査を実施する体制も整えている。「家族全員を診ることができるクリニックをめざしています」と話す竹院長に、離島での経験、クリニックへの思い、めざす医療などについて、じっくりと話を聞いた。
(取材日2024年12月19日)
離島で育んだ医師への思い
まずは医師を志したきっかけを教えてください。

実は子どもの頃、飛行機や宇宙にも興味があり、航空工学にも惹かれていましたが、学校の先生をしていた祖父母からは、よく「大蔵省に入るか医者になりなさい」と言われていました。祖父は「医者になるならあの大学に行け」などと言っていましたが、最初は話半分でしか聞いていませんでした。しかし高校生の時、祖父が病に倒れ、1年半の闘病生活を経て亡くなったことで、祖父の思いをくみ取って最終的に医師をめざすという決心をしたんです。私は沖永良部島という離島で育ち、小さい頃は喘息や中耳炎でよく病院にかかっていました。耳鼻咽喉科を受診するために船で隣の徳之島まで行き、泊まりがけで診てもらったこともあります。そういった経験も、医師という職業に憧れを持ったきっかけになりました。
離島でもご研鑽を積まれたそうですね。
はい、主に三島村と十島村、屋久島で診療を行っていました。十島村では北部4つの島を、三島村では3つの島を、フェリーで巡りながら診療を行っていました。診療日は島ごとにスケジュールを立て、限られた医療資源の中で対応していました。例えば、一部にはエックス線設備があるところもありますが、基本的にはハンディーエコーを携帯して診療することが多かったです。また、採血もできるのですが、検体をフェリーで送るため結果が出るまでに時間がかかる状況でした。中でも印象に残っているのは、虫垂炎が疑われる小学生を漁船で本土まで搬送したことです。また、脳卒中の患者さんをヘリコプターで救急搬送したケースもありました。限られた環境での診療は難しい部分もありますが、島の医療に貢献できることは大きなやりがいにもなっていました。
このクリニックを継承されていると伺いました。

こちらではもともと、前院長の有馬桂先生が診療されていましたが、体調を崩されたため娘さんからクリニックの引き継ぎの相談を受けました。当時、私は別の病院に10年以上勤務しており、次のステップを考えていた時期でもありました。急な話で準備期間は非常に短かったのですが、3ヵ月から4ヵ月ほどで体制を整えることができました。引き継ぎに際して最も大切にしたのは、有馬先生の患者さんが引き続き安心して通院できる環境をつくることでした。そのため、方針は大きく変えることなく、しばらくは有馬先生の診察に同席し、患者さんと交流を深めながら、少しずつ引き継いでいきました。
「竹ファミリー内科クリニック」という名前に込めた想いを教えてください。
「竹ファミリー内科クリニック」という名前には、幅広い世代の患者さんを診療したいという思いを込めています。赤ちゃんからご高齢の方々まで、家族全員を診ることができるクリニックをめざしています。家族全員が通える場所を提供したいという気持ちから、この名前にしました。実際に、患者層は非常に幅広く、0歳の赤ちゃんが予防接種のために来ることもありますし、80代や90代のご高齢の方々も通院されています。また、オフィス街も近いという立地もあり、県外から転勤でいらした方やオフィスで働いている方々も多いです。
丁寧に向き合い、一人ひとりの声に応える医療を提供
このクリニックの特徴はどんなところにありますか?

当院の特徴は特定の領域に特化していないことですね。それゆえに、いろいろな症状を抱えた患者さんに対応できます。診療機器を一通りそろえ、問診後は必要に応じて、血液検査、尿検査、エックス線画像撮影、心電図検査、エコー検査などに対応できます。中でもエコー検査には力を入れていて、腹部や心臓、血管や甲状腺など多様な部位の検査ができるようになっています。ほかには、胃内視鏡検査にも対応できますし、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の管理も可能です。病院とも連携しており、必要なときはスムーズに紹介できる体制も整えています。
診療の際に心がけていらっしゃることは何ですか?
診療の際には、患者さんの不安をできるだけ取り除くことを心がけています。多くの患者さんが何らかの不安を抱えて来院されるので、まずは患者さんの話をじっくりと聞き、自分の思いをすべて話してもらうことを大切にしています。話の途中で遮ることはせず、患者さんの気持ちを受け止めた上で質問したり、必要な補足を行ったりするよう心がけています。このように、しっかり話を聞くことで「話を聞いてもらえただけでも良かった」と感じるはずですし、それが患者さんの安心感につながるのではないかと思います。
まずは患者さんの気持ちを受け止めるようにされているのですね。

はい、患者さんの気持ちを受け止めることは説明する上でとても大切にしています。ですので、安心感を持っていただけるよう、できるだけ否定的な言葉を使わず、患者さんの言葉を肯定的に受け入れることを心がけています。必要に応じて修正が必要な場合でも、できるだけやわらかく伝えるよう努めています。また、耳の遠い患者さんにはゆっくり、はっきりと話し、患者さんのペースに合わせた説明を意識しています。
どんな症状でも気軽に相談できるクリニックをめざして
スタッフとの連携はどのようにされていますか?

スタッフとの連携は特に特別なことをしているわけではありませんが、朝にミーティングを行いその日の予定を確認したり、注意事項があればその場で伝えたりしています。また、時々みんなで外にランチを食べに行くこともあります。こうした機会を設けて、ざっくばらんに話せる時間をつくるのも、チームの一体感を高めるきっかけになっているのかもしれません。
休日はどのようにお過ごしですか?
休日は写真を撮ることが趣味で、滝や星空を撮影しに出かけることもあります。写真を始めたのは5〜6年前からで、昼間だけでなく流星群などの撮影のため、夜中に出かけることもあります。また、月に1回フットサルを楽しんだり、自転車に乗ったりすることも良い息抜きになっています。
読者に向けて一言メッセージをお願いします。

当院は、どのようなお悩みでも安心して気軽に相談できるクリニックでありたいと考えています。体調不良があるもののどこで診てもらえば良いかわからないとお困りの方や、風邪や腹痛といった日常的な体調不良でお悩みの方も、些細なことでも構いませんので、気になる症状があればどうぞ遠慮なくご相談ください。また、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病に対し、一人ひとりの状態に合わせた診療を行っています。健康診断の結果で異常があった方の二次検査にも対応させていただきます。精密な検査が必要な場合や専門的な治療を希望される場合には、連携している病院への紹介も行いますのでご安心ください。安心して治療を受けられるようサポートさせていただきますので、お気軽にご来院ください。