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山内 憲之 院長の独自取材記事

ARTレディスクリニックやまうち

(宮崎市/宮崎駅)

最終更新日:2023/05/02

山内憲之院長 ARTレディスクリニックやまうち main

宮崎駅西口からすぐ近くのビルに位置する「ARTレディスクリニックやまうち」。不妊治療を専門に行うクリニックとして、不妊に悩むさまざまな患者の診療をしている。院長の山内憲之先生は、宮崎大学医学部附属病院で産婦人科の医師として経験を積んだ後、同院で不妊治療に従事。一般不妊治療から体外受精・顕微授精まで、それぞれの患者に応じた治療計画をきめ細かに立てるのが同院の特徴だ。また、患者の心のケアにも十分に配慮。「年齢を重ねれば、それだけ妊娠する可能性が低くなってしまう恐れもある。悩んでいる時間があったら、とにかく相談に来てほしい」と語る山内院長に、クリニックの特徴や診療にかける想いなどを聞いた。

(取材日2023年3月8日)

産婦人科の医師として、幅広い知識と経験を大事に

産婦人科の医師を志したきっかけを教えてください。

山内憲之院長 ARTレディスクリニックやまうち1

私はもともと、パイロットになりたかったんです。ところが、視力が落ちてしまい夢を諦めたところ、高校の進路指導で医学部を勧められました。私が通っていた高校は医学部に進む同級生が多く、彼らに影響された部分もあります。大学で専門を決める際、最初は小児外科を志望していたのですが、私の出身である宮崎医科大学(現宮崎大学医学部)の、当時は産婦人科教授だった池ノ上克前宮崎大学長が産婦人科に誘ってくれました。大学病院では幅広い疾患を担当しました。そのため、日本産科婦人科学会産婦人科専門医の資格はもちろん、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医の資格を取得しました。

クリニックを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

山内憲之院長 ARTレディスクリニックやまうち2

家族が産婦人科の病気に悩まされていた時に、大学の先輩である戸枝通保先生に「うちのクリニックで治療をしてみたら」と声をかけられたんです。それをきっかけに、戸枝先生が院長を務めていた「とえだウイメンズクリニック」に副院長として勤務することになりました。2020年からは私がクリニックを引き継ぎ、名称も「ARTレディスクリニックやまうち」に変更しました。とはいえ、クリニックの場所も治療方針も以前と変わらず、戸枝先生は顧問という形で現在も診療を続けています。

患者の心に寄り添う医療を提供したい

クリニックの特徴を教えてください。

山内憲之院長 ARTレディスクリニックやまうち3

不妊治療は、患者さんのメンタルが非常に重要です。夫婦で取り組むものとはいえ、どうしても女性の負担が大きくなりやすいです。さまざまな事情によって、来院しにくい患者さんもいます。クリニックとしては、来ていただかないと相談にも乗れませんし、不妊治療は始めるのが遅れれば遅れるほど妊娠する可能性が低くなってしまう恐れもあるため、できるだけ来院するハードルを低くすることが大切だと思っています。具体的には、男性の医師には話せないこともあると思いますので、専門知識を持つ女性スタッフが対応し、同性同士で話ができるような体制づくりをしたいと考えています。看護師には患者さんの心のケアを担ってもらうつもりです。また、当院には漢方の外来も設けており、専門とする外部の医師が月2回対応します。漢方を用いて、妊娠しやすい体質に体を整えることをめざします。

クリニックの患者層を教えてください。

山内憲之院長 ARTレディスクリニックやまうち4

当院は不妊治療を専門に行っているクリニックなので、広い地域から患者さんが来院されます。宮崎駅に近く、電車の接続も良いため、通いやすいようです。当院は患者さんの年齢層が高いのですが、それはインターネット予約を実施しておらず、電話受付の際にしっかりとヒアリングをするからかもしれません。最近はインターネットなどで基礎知識を身につけてから来院する患者さんがほとんどですが、たまに妊娠に関する知識がまったくない患者さんもいらっしゃいます。また、宮崎大学医学部産婦人科の教授からの紹介でいらっしゃる患者さんも多いです。

不妊治療について教えてください。

タイミングを合わせて性交渉を行えば、約8割は1年以内に妊娠することがめざせるといわれています。それでも妊娠しない場合、何らかの原因が考えられるわけです。しかし、原因がわかっているのは約4割でしかありません。男性側の原因としては、精子が少ない・運動率が低いがあり、女性側の原因としては、卵管が詰まっている・排卵障害がある・子宮筋腫や子宮腺筋症などの疾患が考えられます。このように原因がわかっている場合には治療に取り組むことも見込めますが、原因がわからない残り6割は機能性不妊症と呼ばれ、治療が難しいんです。スクリーニング検査で原因が特定できない場合は、排卵期に合わせて性交渉を持つタイミング療法から開始することが多いです。当院では、一般不妊治療から体外受精・顕微授精などまで、患者さんに合わせた治療計画をきめ細かく立てて対応します。

不妊治療が保険適用になって、変化したことはありますか?

2022年4月から、人工授精等の一般不妊治療、体外受精・顕微授精等の生殖補助医療が保険適用になりました。以前は助成金制度を設けている自治体が多かったため、患者さんによって負担額の増減に違いがあるようです。助成金を受けられなかった地域に住む患者さんにとって保険適用になったことは良かったのですが、逆に負担額が増えてしまった患者さんもいます。また、高額療養費制度を知らない患者さんが多いため、なるべく負担が少なくなるようスケジュールを組んでいます。高額療養費制度とは、同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分が後で払い戻される制度です。そのため当院では、生理が月初めにくるようにコントロールし、排卵を誘発するための注射をはじめ、採卵、凍結までを1ヵ月以内におさめられるような工夫をしています。

悩む時間があれば、まずは来院をしてほしい

気になっている症例はありますか?

山内憲之院長 ARTレディスクリニックやまうち5

流産を3回以上繰り返すことを習慣流産と呼びますが、近年、この症例が増えているように感じます。習慣流産の原因もさまざまで、特定できないことが多いんです。せっかく妊娠しても流産してしまうのは患者さんも苦しいでしょうし、私自身も苦しいです。なので、予防や治療に力を入れています。医師としてだけでなく、家族が病気で悩んでいたときに経験したことも治療に役立てることができればと思っています。

医師として印象に残っているエピソードはありますか?

大学病院に勤務していた頃、夜間に救急搬送された妊婦の患者さんがいました。心停止している状態でしたので、産婦人科の医師が全員集合して対応したんです。夜は看護師を呼べないため、すべてのことを医師が担当する必要があります。現在は宮崎大学長を務めておられる、当時教授だった鮫島浩先生はマンパワーを重視する方で、何かあると産婦人科の全医師が集合していましたね。また、宮崎市郡医師会病院時代の後輩から夜に電話があり、子宮からの出血が止まらないため、子宮を摘出する手術を頼まれたこともあります。大学病院時代に学んだ、人の命を預かっている以上、全力を尽くす。その思いは今もなお、私の原点です。

読者へのメッセージをお願いします。

山内憲之院長 ARTレディスクリニックやまうち6

不妊治療は、女性にとってハードルが高いと思います。しかし、不妊の原因は男性にあることも考えられます。ぜひもっと気楽に受診してほしいですね。患者さんが抱えていた悩みが、実は専門的な立場からすると解決しやすいものかもしれませんし、不妊治療をするかどうかは検査をした後に決めれば良いことです。ただ、不妊治療をしても、最終的に妊娠がかなわない患者さんもいらっしゃるでしょう。もう少し早く来院していればという場合もあり得ます。年齢を重ねれば重ねただけ妊娠する可能性が低くなってしまう恐れがあるので、悩んでいる時間があったら、とにかく相談に来てほしいと思います。

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自己免疫性疾患治療/5000円~

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