風間 成泰 理事長の独自取材記事
新城眼科医院
(宮崎市/宮崎神宮駅)
最終更新日:2021/12/06

1978年開設から43年、今では常勤医師7人、非常勤医師9人が在籍し、まぶたから目の中までほとんどの目の病気を診療できる体制を持つ「新城眼科医院」。理事長の風間成泰先生は緑内障を専門に、総合病院や眼科専門病院などでさまざまな手術と治療に携わり、2008年に同院に着任した。風間理事長のモットーは「笑顔と親切」。その姿勢は患者はもちろん、院内外を問わず医療従事者からの信頼も厚いという。趣味はスポーツと自然とふれあうこと。休日は専門診療の出張に加え、入院患者の経過診療、その合間に趣味のフルマラソンにも挑戦するという。豊富な経験と知識をもとに温かな人柄で患者に寄り添う風間理事長に医師としての原点や医院の特徴など、幅広く話を聞いた。
(取材日2021年10月21日)
笑顔と親切をモットーに
こちらに着任されるまでのご経緯をお聞かせください。

進学や転勤で各地を移動しているのですが、出身は新潟県で、父は内科の医師でした。父の影響で医師になることは視野に入れていましたが、まずはさまざまな知識を得たいと、青森県の弘前大学で物理学を学んだ後に岡山大学の医学部へと進みました。卒業後は、奈良県の「天理よろづ相談所病院」に研修医として入り、当初は外科系を検討していて、眼科はまったく考えていなかったんですよ。しかし、眼科の故・永田誠先生との出会いがあり、眼科を専門とすることを決めました。天理で10年修行を積んだのち、眼科部長として島根県の松江赤十字病院に勤めていました。その後、眼科の専門病院である熊本市の「出田眼科病院」にてさらに技術の研鑽を重ねました。当院は1978年に新城歌子先生により開設され、症状に応じて専門の医師が対応しています。当時の先生方より「緑内障の診療に来てほしい」とお声がけを頂き、2008年に着任いたしました。
眼科を選ばれたのは恩師との出会いがきっかけだったのですね。
そうですね。永田先生は、現在の眼科手術の礎を築いたとも言えるような方です。ヨーロッパで学んだ技術を取り入れ、どの医師でもできる術式として考案し、国内に広める活動に尽力された方です。ご自分の技術や知識を惜しみなく後輩や他の医師に教えていらしたので、永田先生の門下生は現在も全国にたくさんおられます。私もその一人です。さらに人柄も素晴らしい方でした。当時の天理よろづ病院の眼科は、病床・医師数ともに大所帯で、広いエリアから患者さんが大勢来院されていましたが、永田先生はどんなに多忙でもまったく嫌な顔をされませんでした。患者さんはもちろん、私たち医師にもです。たくさん指導を受けましたが一度も怒られたことはなく、怒った姿を見たこともありません。非常に穏やかな方でした。永田先生は「自分が学んだことは必ず人に教えなさい。次の世代に伝えなさい」と、よく私たちにお話しくださっていましたね。
患者さんに接する際に心がけていることは?

そうですね、やはり優しく接するということと、天理でも学んだ「笑顔と親切」が基盤になっていますね。これは診療だけではなく、私の生き方としても共鳴できる考え方だと感じています。ですので、日頃から「笑顔と親切」の心構えは持っていたいと思っています。また、その心がけは医院全体でも持ちたいと考えています。そのため、当院のスタッフにも「笑顔と親切、できていますか?」というコミュニケーションは取るようにしています。
目に違和感を感じたら、迷わず眼科を受診してほしい
印象に残る患者さんとのエピソードはありますか?

私の専門は緑内障なんですが、緑内障という病気はどんなに治療を尽くしても最終的に失明される患者さんもいらっしゃいます。そして、目が見えなくなった後も、目が痛くなるといった他の症状が出てこないかなどの定期検査で引き続き通ってこられている患者さんも数人いらっしゃいます。そういった患者さん方と接していると「失明者を本当になくしたい」と改めて実感します。そして「このままでいいのか」と自分自身に問いかける刺激となり、「もっと頑張れ」と言われているような気持ちになりますね。なかなか100%の治療は難しいかもしれません。どんなに治療を尽くしても失明につながっていく病状もあります。しかし、実際に失明をされた患者さん方と接することは「これで正しいのか」「もっと勉強をしなくてはいけない」と、常に考えるきっかけになっています。
緑内障はどのようなきっかけでかかるのですか?
緑内障は特別なきっかけがあるわけではなく一種の加齢現象とも言えます。目の構造上、日本人では40歳以上の方の20人に1人の頻度で起こっていると考えていただければと思います。緑内障は、ものを見る神経が傷みだんだんと弱っていき、徐々に失明へとつながっていく目の病気です。視野が徐々に欠けたり狭くなったりしていくのが主な症状ですので、40歳を過ぎて少しでも異変を感じたら眼科で検査を受けていただくことを推奨しています。
こちらで多い疾患、また最近増えてきた症状はありますか?

私は手術を中心に診療に入っているのですが、白内障の患者さんは多いですね。白内障は加齢とともに起こりますので、増減はなく常に一定数の患者さんはいらっしゃいます。最近では、緑内障の患者さんが増えてきています。それは、人間ドックや健康診断などで眼底検査を受ける機会が増えたことも背景にあります。そこで、精密検査が必要となった方が来院されるケースが増えているということです。また他には、糖尿病網膜症といって糖尿病に起因して視力が低下する病気があります。ひどくなると失明に至ることもあります。糖尿病網膜症の患者さんは内科の先生方の働きかけもあり減少傾向にありますが、やはり、かなり病状が進行した状態で初めて眼科を受診される方もいらっしゃいます。そのため、内科と連携して糖尿病患者さんの眼科受診をより増やせるような取り組みも始めています。
先進の設備を整え、さまざまな症状に対応
こちらならではの治療はございますか?

当院は新城歌子先生が、個人医院ではなく医療法人財団として設立されました。一般的に個人医院の収益は個人資産となりますが、当院は財団のため、収益が出た場合は医療機器などの設備として投資し、検査体制をさらに充実して患者さんに還元するようにしております。ですので、医療機器は先進のものも多く取り入れていますよ。例えば、緑内障の手術であれば、今までは入院が必要でしたが、最近では日帰り手術で対応できるレーザーも登場し、当院でも3年前から取り入れています。他にも、眼瞼下垂の治療も可能です。専門とする医師がおりますし、設備も整えていますので、ご相談に来られる患者さんも多いですね。
今後の展望をお聞かせください。
当院は創立者の新城歌子先生が1人で開業してから43年となります。現在は常勤医師7人に加え非常勤医師、スタッフ合わせて100人近くの大所帯となりました。当初はこんなに組織が大きくなるとは思ってもいませんでした。施設においても新しい設備を導入するのに、面積的に配置場所を見つけるのが大変な状態です。今年は若手の先生も入職したので、院内の若返りを図るとともに、設備や建物も新しくしていければと考えています。その中で、私がこれまで培ってきたことを次の世代へ伝えていきたいと思っております。
読者へのメッセージをお願いします

人は目から8割の情報を得ているともいわれるほど、「見る」ことは重要な機能です。ぼやける、かすむ、二重に見えるなどの違和感があれば、「これぐらい」と思わずに眼科を受診してください。早期の治療を行えば進行抑制が期待できる病気も、悪くなってから受診したのでは手遅れになることも多いのです。目の病気は年齢的な要因も大きいので、40歳を過ぎたらご自身の目にも気を配っていただいて、違和感があれば受診して検査を受けてください。また、内科で糖尿病と診断された方は、5~10年後に網膜症を発症する場合もありますので、眼科を積極的に受診していただきたいですね。当院では、検査機器や手術設備など先進のものを積極的に取り入れ、検査結果に基づく治療方針をしっかりと説明しています。「笑顔と親切」をモットーに診療をしておりますので、安心して来院くださればと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/18万円~、円錐角膜用コンタクトレンズ/17700円~