上原 大輔 院長の独自取材記事
上原内科
(宮崎市/宮崎神宮駅)
最終更新日:2021/12/14

市道大島通線が開通した約30年前に「上原内科」は開院。以来、地域住民のかかりつけの診療所として親しまれてきた。2013年に上原大輔先生が院長に就任した際には、初代院長を務めていた父からの患者に「帰って来たんだね」と、温かい言葉をかけられたそうだ。上原院長は、患者が安心し快適に診療を受けられるように、丁寧な説明を心がけたり、透析患者に対し健康に配慮しながらもおいしい食事を提供したり、多忙な患者のためにオンライン診療を導入したりと、さまざまな工夫を凝らす。学生時代は勉強や研究に勤しむ中、趣味のサーフィンをするなどアクティブな上原院長。自身が人生を楽しむことを大切にしているからこそ、患者のQOLに配慮した診療に注力している先生だ。
(取材日2021年11月1日)
父の代から親しまれた地域のかかりつけクリニック
クリニックについて簡単に紹介をお願いします。

30年以上前、市道大島通線の開通を機に、近くに住む父が開業した当初は、周囲は田園風景が広がっていたと聞いています。現在も、昔から来院されている患者さんは多く、8年前に院長に就任した時は、「帰って来たんだね」などと声をかけてくださった方や、小学生の時に病院の駐車場で遊ぶ姿を覚えていてくださった患者さんもいました。当院は、主に一般内科診療と外来透析を行うクリニックで、以前は入院にも対応していましたが、現在は外来のみです。体調が安定していて、いつも常用されているお薬を処方するような場合に限られますが、仕事や育児、介護などで忙しく通院が難しい患者さんのために、パソコンやスマートフォンのテレビ電話を活用したオンライン診療も始めました。また、健康診断やED治療なども行っています。
院長に就任するまで、どのようなキャリアを積まれたのでしょうか。
自然と開業医の父と同じ医師を志して、獨協医科大学医学部に進学しました。専門は心臓血管内科を選び、附属の同大学病院の医局で臨床経験を積みました。心疾患は命に関わるケースもあるため、やりがいを感じていました。心不全で長期間入院している患者さんから、点滴を入れてほしいと指名されたこともあります。また、附属病院は栃木県のドクターヘリの基地病院で、救急搬送の際は僕らがヘリを待ち受けるわけですが、ちょうどドクターヘリを題材にした医療ドラマの放映が始まり、大学周辺の方の関心度も高まり、救急医療への理解も深まりました。大学では、体を温めることで健康状態の改善を図る和温療法の研究チームに所属して、研究を行っていました。その後、宮崎に戻り、宮崎大学医学部附属病院の第一内科血液浄化部へ入局後は腎臓の疾患に専念し、透析を担当しました。
大学病院と現在のクリニックでは、違う点が多いですよね。

当院では、顔と名前が一致するような患者さんが、風邪などで来院したり、慢性疾患で通院したり、外来透析にいらしたりという感じです。ですから長いお付き合いの中で、大学病院のような急性期病院とは違った、かかりつけクリニックならではの「患者さんへの関わり方」があると感じています。例えば、もともと高血圧のある患者さんであれば、高血圧が改善したとしても2~3年に1度は定期検査の中にがん検査も含めるようお勧めします。
一生続く透析だから、患者の負担軽減に取り組む
透析の診療に力を入れているんですね。

1階と2階の透析室に計25台の透析装置を用意し、血液透析だけではなく比較的新しい治療方法の血液濾過透析も導入しています。透析患者さんは、週に3回、4時間の透析を受け続ける必要があるので、快適にご利用いただく工夫をしています。1人1台テレビを用意し、透析中に観られるようにしています。昼間透析の方は昼食、夜間透析の方は夕食をとることも可能で、管理栄養士が季節の行事や患者さんの容体、嚥下能力に合わせた献立を作成します。厨房スタッフが地元食材で調理した料理はおいしいと好評です。ご自身での通院が困難な患者さんには送迎サービスを用意し、寝たきりの患者さんもベッドのままエレベーターで2階の透析室に移動できるようにするなど利便性にも配慮しています。患者さんの全身管理をより厳密に行うために、毎月、超音波検査の専門医師によるシャントエコーや心臓エコーを行い、年に1度、CTで全身検査を行っています。
診療する上で、どんなことに気をつけていますか。
検査結果や治療について、できるだけ丁寧にわかりやすく患者さんに説明すること、そして、患者さんのQOLに配慮した診療を心がけています。透析患者さんは、一生病気と付き合わなくてはならない場合もあります。厳しい食事制限が続くのはつらいから、たまには我慢せずに食べたいものを食べていただきたいという想いから、制限を比較的緩やかにしています。その代わり、透析で調整して、体調を保ちやすいようにしています。近隣の介護施設から患者さんを紹介されることもあり、お薬を減らしたり、食事制限を軽減できるように努めています。高齢の患者さんは、食べることが楽しみという方も多いので、できるだけ食べたいものを食べて快適に過ごしていただきたいからです。
クリニックの診療に何か特徴はありますか。

当院では、西洋医学と東洋医学、双方の良いところを取り入れるために、漢方薬の処方もしています。西洋医学の薬は症状を抑える目的がありますが、漢方薬は体全体の調子を整える目的があり、それぞれに良さがあります。漢方薬は薬草を調合したもので、作用も科学的に証明されていますし、副作用が少ないメリットもあります。妊婦さんや授乳中の患者さんをはじめ、漢方薬のほうがいいという患者さんもいるので、問診票に漢方薬を希望するか記入欄を設けて、風邪や下痢の症状など、対応可能な場合は漢方薬を処方しています。
学生時代に研究した和温療法を導入したい
新型コロナウイルス感染症の検査にも対応されているそうですね。

当院では、20分で結果がわかるPCR検査と15分で結果がわかる抗原検査を実施していて、発熱症状がある方は検査結果が出るまで駐車場で待機いただくので、一般の患者さんと新型コロナウイルス感染症疑いの患者さんが院内で接することはありません。安心して受診していただきたいです。
お休みの日は何をして気分転換をしていますか。
大学時代からの趣味はサーフィンです。大学は海のない栃木県だったんですが、茨城県の大洗まで車で片道2時間かけて行くほど、はまっていました。宮崎に帰ってからは、海が近いのがうれしくて。将来は、青島辺りに家を持って、毎日、サーフィンに行けるような生活をすることが夢です。
将来の展望をお聞かせください。

学生時代に研究していた和温療法を診療に取り入れてみたいです。もとは温泉と心疾患の関連性に着目した研究で、医療用低温サウナによって体を温めることで全身の血管機能の改善を図り、動脈・静脈を拡張させて心臓の負荷を軽減、全身の血液循環を促進していこうというものです。今後期待されるアプローチ方法とされていますので、将来的には院内に医療用低温サウナを設置して診療に活用できたらと、考えています。また繰り返しますが、通院をなるべく減らす目的でオンライン診療や90日間の長期処方なども行っています。ご希望の方はお問い合わせください。
自由診療費用の目安
自由診療とは新型コロナウイルス感染症のPCR検査/1万8000円、抗原検査/1万1000円、ED治療/600円(後発医薬品・1錠)~