森田 誠 院長の独自取材記事
森田整形外科医院
(熊本市北区/植木駅)
最終更新日:2026/02/06
熊本市北区にあり、30年以上にわたり地域の健康を見守り続けている「森田整形外科医院」。2021年秋に2代目として承継した森田誠院長。熊本県内の基幹病院で研鑽を積んだ経験を生かし、患者の痛みに寄り添う診療を心がけている。膝痛、腰痛、手の痛み・しびれ、スポーツでの痛みに加え、骨粗しょう症の治療、交通事故後の治療やリハビリテーションなど幅広く対応。近年は、足の診療も積極的に行い、外反母趾・扁平足だけでなく、巻き爪、胼胝(たこ)、うおのめといった、足のトラブルの改善や予防をめざすフットケアにも注力している。「手術に対応していないクリニックがどこまで治療できるのか、幅広く対応できるようにしています。」と話す森田院長に、患者への思い、クリニックの強み、骨粗しょう症の治療や今後の展望について尋ねた。
(取材日2025年10月25日)
長年培ってきた人脈を、迅速かつ適切な病診連携に活用
森田先生は2代目と伺いました。長い間、地域とともに歩んでこられたクリニックなのですね。

先代の父が開院してから、2025年で35年目になります。このクリニックで「地域のかかりつけ医」として地元に貢献し続けていきたいという思いは常にありました。父がまだ現役を続けているうちに一緒に診療し、サポートしたいと思いがあり、院長に就任することにしました。また、患者さんやスタッフの利便性から電子カルテの導入などを進めて診療体制を整えていきたいというのも承継理由の一つでした。現在、自分が診療していますが、場合によっては長年の地域の方と接している父と一緒に診療して情報の共有ができることは安心感がありますね。
以前からクリニックを継ごうと考えていたのですか? これまでのご経歴をお聞かせください。
大学卒業当初は、父が当院で人工関節などの手術を行っていましたので、術後管理もしっかりとサポートできるようになりたいと思い、整形外科でなく麻酔科に進むか、いろいろな科で研鑽するか迷っていました。ただ、ご縁があって福岡大学病院救命救急センターで2年間、三次救急に携わりました。重篤な疾患の処置・入院管理・手術助手の毎日はハードでしたが、ドクターヘリに乗るなど貴重な経験ができたと思います。その後は熊本大学の整形外科に入局し、熊本大学病院の他、熊本総合病院で6年間、なるお整形外科病院では2年間、整形外科医として特に手首の骨折・手根管症候群・ばね指・テニス肘などといった手や肘の治療と、高齢化に伴う大事な治療疾患である骨粗しょう症の治療を 2本の柱にして診療していました。
熊本県内の基幹病院でご経験されたことが今に生きているのですね。

どんな治療をしても、手術などが必要になる場合があります。そんなときに役立っているのが、先ほどお話しした勤務医経験を通して培ってきた人脈です。当時お世話になった先生方には、今も頭が上がりません(笑)。いろいろな方と知り合いになったおかげで、自分が適切だと思う医療機関や先生を紹介できます。心当たりのある先生に電話で直接相談し、スピーディーにつなぐことができるのは、当院の一番の強みといっても過言ではありません。患者さんが安心して治療に専念できるといいですね。
フットケアも導入、幅広い悩みに応えていく
リハビリテーションを受ける方は多いのですか?

先代の頃からデイケアのサービスを提供するなどリハビリには力を入れています。理学療法士や作業療法士による運動リハビリを行っており、電気治療も複数の種類を用意しています。痛みやしびれに対して、原因を探りながら、痛みを緩和する目的でトリガーポイント注射などを併用することもあります。また、交通事故後の患者さんも、じっとしていると筋肉が硬くなったりしますので、できる限りリハビリを受けてもらっているんです。大半はむちうちで、様子を見て受診し薬を処方されるケースが意外と多いのですが、首と腰の筋肉はつながっているのでリハビリは必要だと思いますね。ただ、電気治療はあくまでも筋肉の疲労解消が目的であって根本的な治療にはならないので、患者さんが頼りすぎてしまわないよう、自宅でできるセルフケアも並行して指導しています。
長年診療されてきた骨粗しょう症の相談も多いですか?
女性ホルモン減少によりリスクが高くなる50代以上の女性の骨粗しょう症の患者さんが多いです。当院では全身型の骨密度測定器を導入して、骨の状態を評価した上で、予防や治療を進めています。人は何歳になっても骨は壊れては造られていく構造になっています。骨粗しょう症の方は、骨が壊れるスピードが速くなり、少しずつ骨が減っていく方が多いです。骨の密度やボリューム自体が少なくなってしまう方もいます。治療薬としては骨を壊すスピードを抑える薬と、骨を造る・ボリュームを増やすのを促進する薬の大きく2つあります。症状が進行した方に向けて、私が積極的にお勧めするのは、骨形成のための薬です。治療の進め方が違うと骨を強くすることが見込める量とスピードが大きく変わることなども説明し、ご本人に合った提案をしていきたいと思います。
最近特に注力されているフットケアについて教えてください。

足や爪のトラブルの改善をめざすフットケアを取り入れて姿勢・歩行に関するアドバイスを行っています。転びやすい方の原因は、足がうまく使えていないだけではなく、足に合っていない靴にあることも多いです。外部の理学療法士や義肢装具士の協力で、足のトラブルの相談に応える「足の測定会」も始めました。足のチェックだけでなく、靴やインソールの見直しも提案しています。外反母趾などの足の変形や足の指が上手に使えていなくても足は痛くない場合が多いので気にされていない方もいらっしゃると思います。ただ、それが原因で膝や腰が痛くなったり、運動能力が下がってしまったりする場合があります。床から体全体を支える足の能力が低下していると、その状態を改善していくことで、膝痛・腰痛の改善や予防にもなるので、一度はご自身でも足のチェックをしてほしいですね。
常にレベルアップに励み「期待を上回る治療」を追求
幅広く診療されているイメージですが、心がけていることを教えてください。

昔と同じ治療もありますが、整形外科分野では進化している治療もあって、久しぶりに来院された方は、驚かれることもあります。治療できる種類を増やして、クリニックを成長させていきたいですね。そのためには、医療の進歩についていくために新たな技術の勉強は欠かせません。時折、県外から講師を招聘して院内で勉強会を開いているほか、スタッフにも外部の勉強会などに積極的に参加してもらっています。
お忙しい中、どのようにリフレッシュされているのですか。
リフレッシュは、運動です。スポーツをするのが好きで、子どもの頃はサッカー、大学時代はバドミントン、社会人になってからは硬式テニスにはまっています。競技レベルは、趣味レベルですが、毎週バドミントンと硬式テニスを1回ずつ運動して楽しんでストレスを解消しています。サッカーは、よくテレビ視聴や現地観戦をします。スポーツをしている人の気持ちがわかるので、スポーツ整形外科の診療にはプラスになっているのではないでしょうか。「痛みがあるけれど次の試合だけは出場したい」といった声には、可能な限り応えてあげたいです。患者さんのモチベーションを下げてしまわないような治療を提供できればと考えています。また、私の子どもたちもサッカーをしていたので、スポーツでのケガや痛みで困った時のことや、そのご家族の心配もわかりますので、一緒にサポートしていけたらと思います。
最後に今後の展望をお聞かせください。

手術の体制は整えていませんが、その中でどこまで質の高い診療を提供できるのかということに今まさにトライしている最中です。フットケアもその一環です。今の患者さんはもちろん、いろいろな患者さんに来ていただき、こんな治療もあるんだということも知ってもらえるといいですね。これからは、人生100歳の時代ですので、多くの方の痛みに寄り添い、体を動かして健康に過ごせるようスタッフ一同で、サポートしていきたいですね。

